POPSCENE

スキマスイッチ、ニューシングル『青春』インタビュー

スキマスイッチ、ニューシングル『青春』インタビュー

July 3, 2019 17:00

interview_label
0
0
シェア LINE

ー 歌詞、サウンド共に、十代の青春真っ只中のアツさや猪突猛進的さとは違い、少し俯瞰した切なさも感じました。

常田:今回、アキュビューさんからも「自由にお願いします。」と言って頂いたし、 僕らの中でも、例えば「スキマスイッチのこの曲みたいな感じ」、「○○っぽく」という話は殆どしなかったんです。元々この曲のモチーフはあったんですが、僕らの中で「この曲、完成させたいね。」という気持ちになって色々と構築していったら“青春”というキーワードにもぴったりハマって。ただ、曲の書き始めは“等身大”だったんです。それは意識しているわけでも、そうしようと言ったわけではないけど、今の僕らが青春を思い出してどう思うか、それを今の時代の僕たちに置き換えたらこうだから明日も頑張っていこうかみたいな書き方で。でもそれがどうにも曲に合わなくて。


ー そうだったんですか。

常田:それなら当時のままを描ききったらどうかって二人で話して。だから今、中学生時代の話をしましたが、イメージとしては高校生かな。それと、作っていて何となく古き良きJ-POPみたいなイメージがあったんですが、このサウンドだったからこそ、“青春”というキーワードも出たと思うし。


ー では作りながら決まっていった部分が多いということですか?

常田:そうですね。高校生のイメージというのも結果論だったし。ただイントロのピアノフレーズに関してはデモを作った段階で卓弥が「この曲はピアノのオクターブのイントロが良い。」って言っていました。


ー 特にサビはシングルらしい音数でボリュームを出しつつも、聴く側の想像力の余地もあって、こういう音のバランスを作る上で一番大切なことを教えてもらえますか。

常田:作り手が二人いることは大きいかもしれません。色々失敗も重ねてきましたが、卓弥も「ここは音数が多いかも。」とか、「歌う上でこの部分は邪魔だな。」、「これだと歌いにくいね。」など言ってくれるので、それを僕が作り直す時もあるし、卓弥が「例えばこういうフレーズはどう?」ってアイデアを出してくれる場合もあるし。アレンジに関して音を打ち込んだり譜面を書くのは僕ですが、アイデアに関しては二人で沢山出し合っているので、デビューして16年、結成から考えると20年で構築されたものなのかなと思います。最初の頃は上手くいかず、とにかくやりたいことも沢山あるし、今も音数は多いけど当時は今より断然多過ぎて、1曲の中に2〜3曲分の要素が入ったり(笑)。ただ先輩たちから「音数は多い方から始めた方が引き算出来るから良いよ。」と言ってもらえたのは嬉しかったですね。だから特に僕は最初に、わーっと作ってそこから削っていく方法です。

大橋: スキマスイッチのサウンドって、予めこういうところを目指そうって決めていたわけではないんですよね。今、シンタくんも言ったように模索を繰り返しながら今に至っている。そんな気がします。それこそ色々な楽器が入って音数が多いのも、続けてきたことによってそれがカラーに変わってきている気がしていて。もし僕が最初からアレンジも手がけるとしたら、もっとスッカスカな音を作ると思うんです。


ー なるほど。

大橋:元々スキマスイッチは僕の楽曲をシンタくんがアレンジしてくれたところから始まっているユニットですが、デビュー前からデビュー当時の…アルバムで言うと三部作(『夏雲ノイズ』『空創クリップ』『夕風ブレンド』)を作ったあたりまでは、シンタくんがやりたいことがあるんだろうなってすごく感じていました。だから当時僕はアレンジに対してあまり口出しもしなかったし、それでスキマスイッチはうまくバランスが取れていると思っていたんです。ただ、ずっと活動していくうちにお互いがアイデアを出し合うようになって、役割分担みたいなものが良い意味で段々有耶無耶になってきたんじゃないかな。

常田:そうだね。

大橋:そうやって今に至っていますが、多分今の作り方が一番健康的な僕らのスタイルだと思います。だから“スキマスイッチが曲を作るならこういうのが面白いんじゃないか”という部分は大切に考えています。


ー やはりそれは20年の構築があってこそですね。

大橋:そうですね。何ていうのかな……お互いの言っていることが理解出来るようになってきたんでしょうね、活動していく中で。例えばシンタくんがアレンジャー目線で「ここにこのギターの音を入れたい。」って言うとするじゃないですか。


ー ええ。

大橋:でもそれって殆ど聴こえない音なんですよ。それに対して今までの僕は「聴こえていない音は要らない。」って言っていたんです。でもシンタくんからすると、聴こえていなくてもこのサウンドにこの音は必要だという考えだから、当然ぶつかることもありました。その言葉の意味を今は解るし「何でこの音が鳴っているんだろう…あぁ多分殆ど聴こえないけど、これが入っているのと入っていないのではだいぶ違うよね。」って思える。でも当時は解らなかったというか、そうは思わなかったんです。聴こえないものは要らないでしょって(笑)。たとえ音楽作りとしてのテクニカルな意味じゃなかったとしても、誰も気づかない音を入れておくのは隠しアイテムみたいで、そこに気づいてもらったら面白いでしょ。


ー 発見した喜びもありますし。

大橋:うんうん。でもユニットとして、こういう音づくりがマッチするのは時間がかかるんですよね。今は良い意味で「シンタくんがやりたいなら良いんじゃない?」って思えるし、シンタくんもそうだと思うんですよね。

常田:(黙って頷く)

大橋:それは歌詞のテーマにしても同じで、昔は二人の中間にある楽曲しか書いちゃいけない気持ちがすごく強くて。だけど今はシンタくん寄りの曲があっても良いから、もしシンタくんの経験を歌詞にしたものをスキマスイッチとして曲にしたいと言われても「それ良いんじゃない!」って思えるだろうし。でも昔は「それはシンタくん寄り過ぎるからもう少し手を加えて、ちょうど二人の真ん中に来るように変えようよ。」って言ってたから。だけど良い意味でそういうこだわりがなくなってきたんでしょうね。二人でやっていればスキマスイッチになる。そう思えてきました。


ー そういうお話を聞くと、よりナチュラルになってきた気がします。

常田:昔はふたつのアイデアでひとつのものを作る考え方だったんですよね。でも今は、ただひとつのものだけを作る。そういう感覚だから同じベクトルというか。勿論お互い「この曲にはこういう音が必要なんだ!」ってゴリ押ししたい時もあるでしょうけど(笑)、ゴリ押ししている最中に何か言われてふと「あっ…やっぱりこの音要らないかも。」って我に返ることもあるんですよね。「青春」のイントロも僕、最初すごく突っぱねてて。


ー え、そうなんですか?

常田:ピアノのオクターブで弾くのは嫌だなと思っていたんです。でも、ああだこうだ言いながら卓弥と一緒にフレーズを作っていくうちに馴染んできて「このイントロすげー良いじゃん!」って思えて。まぁその時は多分憮然として、態度こそ悪かったと思うんですが、心の中では“くそー、良いじゃねーか!”って思ってたし(笑)。

大橋:(笑)。

常田:やっぱり良いアイデアを出されると悔しいんですよね(笑)。というか、悔しいのと嬉しいのと助かった気持ちが混在しているというか。

ピックアップ

RECOMMEND

iTunes TOP 20