【レビュー】高橋優『秋田の行事（feat.柳葉敏郎, 藤あや子, 佐々木希 ＆ 秋田県人会）』

高橋優が【秋田 CARAVAN MUSIC FES】のテーマソング「秋田の行事（feat.柳葉敏郎, 藤あや子, 佐々木希 ＆ 秋田県人会）」を発表。9月7日（水）から配信がスタートした。

【秋田 CARAVAN MUSIC FES】とは秋田音楽大使を務める高橋優が、故郷の秋田を音楽で盛り上げたいと始めた本人主催の音楽フェス。今年は9月17日（土）、9月18日（日）に開催を予定しているが、ここ2年間は新型コロナウイルス感染症のために開催中止になっていた。それでもまた絶対に会おうという願いに加え、高齢化と人口減少という課題を抱えていた秋田県が推し進めている“若者チャレンジ応援事業”という政策があることを知り、その考えに共感した高橋が本楽曲を制作することとなった。

故郷で繋がる強い絆、東京で生まれ育った筆者はこの曲を聴いた時に、それをあまりにも羨ましく感じた。民謡独特の言葉や掛け声は元気を与えてくれる。この「秋田の行事（feat.柳葉敏郎, 藤あや子, 佐々木希 ＆ 秋田県人会）」もそういう民謡ベースの明るいリズムが元気をくれ、方言で韻を踏んだ歌詞のユニークさや温かさ、優しさ、そして秋田の底力がみっちりと詰まっている。自分の感情が目まぐるしく変わるのを感じた4分5秒だった。（補足するならば是非ミュージックビデオも忘れず観て頂きたい！）

更に曲のタイトルを見て分かる通り、フィーチャリングも秋田生まれの面々。しかも豪華！秋田を音楽で盛り上げたい。そんな高橋の呼びかけに、元々交流のあった柳葉敏郎、藤あや子、佐々木希といった秋田の著名人が集結。レコーディングでは、郷土愛に溢れる3人だからこそ実現できる方言を多様した歌詞、かけ声選び、秋田民謡を取り入れた裏メロ、和太鼓や津軽三味線、尺八といった音のこだわりなど、“秋田”にとことんこだわった楽曲制作となったらしい。しかしそれだけでは終わらない。秋田出身の著名人からなる秋田県人会のメンバーにも楽曲参加を高橋が直接呼びかけ、なんと総勢約30名の秋田人が楽曲に参加。スマホなどで録音した掛け声素材のやりとりが急遽行われ楽曲を盛り上げているので、是非その部分にも注目をしてもらいたい。この楽曲を【秋田 CARAVAN MUSIC FES】で歌い踊れば、秋田県民は勿論、県民以外もきっと秋田ソウルを感じられるはず！

そしてこの曲の収益の一部を、今回秋田県の事業でもある“若者チャレンジ応援事業” の活動へ寄付することが決まっている。何かと海外に目を向けがちな昨今。母国愛などという大袈裟なものでなかったとしても、音楽を通じて郷土を愛する気持ちを形にすることは、様々な＜点＞が＜線＞として未来に繋がる。そんな気がする。高橋の想いでこれだけの著名人が集まって楽曲が出来たことはまさにそれを証明しているであろう。いや、そんな堅苦しい野暮は言わず、兎に角この曲を聴いて欲しい！