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森 大翔、揺るぎない確信に満ちた渾身のメッセージを伝えた弾き語りツアー「響縁Ⅲ」東京公演オフィシャルレポート!

November 4, 2026 12:00

森 大翔

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森 大翔、揺るぎない確信に満ちた渾身のメッセージを伝えた弾き語りツアー「響縁Ⅲ」東京公演オフィシャルレポート!

9月末からスタートした森 大翔の弾き語りツアー「響縁Ⅲ」が、彼の故郷である北海道のmusica hall cafe公演をもって、無事に終幕を迎えた。「縁が響き合う」という意味の言葉をタイトルとして冠した弾き語りツアー「響縁」は、彼の音楽活動において毎年恒例のライフワークのようなものになっていて、今年も、全国7ヵ所9公演を通して各地の観客との間で豊かな「響縁」が実現した。今回は、10月25日(日)に行われた東京・晴れたら空に豆まいて公演(2日目)の模様をレポートしていく。

広大な自然を感じさせるSEが鳴り渡る中、アコースティックギターを携えた森がステージに登場する。森は、流麗なアルペジオを奏でながら、同時に、ルーパーを操作し、自らのフレーズを次々と多重録音していき、たった一人だけのプレイとは思えないような立体的なアンサンブルを立ち上げてゆく。そして、一瞬の沈黙を経て、「純風」からライブをスタートさせる。ダイナミックなコードストローク。その上に重なる伸びやかな響きの歌。ステージと客席の距離の近さも相まって、会場には親密なフィーリングが満ちているが、瞬く間に、ここが代官山のライブハウスであることを忘れてしまいそうになるほどの雄大なスケールが現出してゆく。簡単な挨拶、また、かつて友人と地図を見ないで代官山を歩いた時のエピソードトークを経て、続いて「君の目を見てると」へ。ダイナミックな緩急を通して送り届けられてゆく切実な〈君〉への想いが、深くまっすぐ心に響く。間奏では、自ら「ギターソロ、森 大翔!」と叫んだ上で、速弾きを軸とした超絶プレイで観客を魅了してみせた。

次の「いつか僕らは~I Left My Heart in Rausu〜」では、「抜き打ちコール&レスポンス」と称して、「知ってたら歌ってください。」「知らない人は覚えて歌ってください。」と呼びかけながら、観客の歌声を次々と引き出していく。その流れで、ステージの縁まで繰り出し、カッティングと低音弦のブリッジミュートを軸としたグルーヴィーなプレイを届け、次第にその上に観客のクラップが重なり、「いいグルーヴです、ありがとう!」という感謝の言葉を添えて「オテテツナイデ」へと繋いでみせる。間奏では、森のギタープレイと観客のクラップが分かちがたく重なり、まるで音を通して互いに会話するような濃密なライブコミュニケーションが展開されていく。まるでバンドセットのような気迫を感じさせた「VSプライドモンスター」、歌とギターがシームレスに渾然一体となったような珠玉のライブパフォーマンスで魅せた「日日」、余白を活かしたミニマムなアレンジが光る「22/22」を続けて披露した後、台風の訪れを予感させるSEが鳴り渡る。そして、「台風の目」へ。まるで自らを奮い立たせるように歌う森の勇壮な姿がとても感動的で、ハイライトの連続の今回の公演の中でも特にドラマチックなワンシーンだったと思う。

ここで、森が、地元の北海道羅臼町で過ごした5〜6才の頃の思い出を振り返り始める。それは、母親から「ここのラインを出たらいけない。」と言われていた一線を、友達と一緒に飛び越えて冒険した日の思い出だった。結局は、グランドで親に捕まってしまったというが、その時に見た夕焼けがとても綺麗で、森は、大人になった今も、その日の記憶に背中を押されている、元気をもらっているという。大人になって、東京に来て、忙しない日々に追われ続ける毎日の中でも、そうした記憶や心象風景を大切にし続けたい──。そう語った森は、「何か、皆さんの中で、重なる点を思い出しながら聴いてもらえたら。」と前置きした上で、「カケラ」から後半パートへ突入する。まるで、記憶の欠片を丁寧に拾い集めて紡いでいくような名演を経て、「明日で待ってて」へ。続けて、静謐な水面に水滴が落ちるSEを経て、「Moon River」のカバーを披露。オートチューンの効いた歌声、乱反射するディレイの効いたギターの音によって、未知なるアンサンブルが創出していく展開に深く引き込まれる。その流れで披露された新曲「白い鯨」も、思わず息を呑むような圧巻のステージングだった。

いよいよライブは終盤。森は、今年リリースしたEP「薄明」の完成に至るまでの軌跡、言い換えれば、自分自身のルーツを再確認するプロセスを語った後、そうした日々を経て辿り着いた一つの答え、そして、今最もリスナーに伝えたいメッセージとして、「どんな人にも、音楽が必ず居場所になってくれる。」と告げた。そして、自分の音楽がリスナーの人生にとって大事なワンピースになることを目指すと宣誓した上で、EP「薄明」の収録曲の一つ「祝祭」を披露。続けて、歌もアコースティックギターもマイクを通さず、つまり、生歌、アンプラグドで、同EPから「ラウシ」を披露した。会場の親密な距離感と相まって、森の歌が、文字通りダイレクトに胸に響く。そんな得難い体験を得ることができた万感のクライマックスだった。アンコールでは、今回のセットリストのテーマは"日常"で、朝から昼へ、そして夜へ、という時間の流れの移ろいを表していたことが明かされた。続けて森は、目の前の一人ひとりの観客に向けて、ライブが終わった後の"日常"に今後も歌とギターで、自分の音楽で寄り添い続けていきたいと語り、その宣誓の内容をストレートに歌う「歌になりたい」を披露。彼が胸の内に秘める深い覚悟が改めて伝わってくるライブパフォーマンスだった。渾身のライブを見事にやり切った森は、たしかな充実感と手応えを思わせる晴れやかな笑顔でステージを去っていった。

テキスト:松本侃士
撮影:関口佳代


□ セットリスト
1. 純風
2. 君の目を見てると
3. いつか僕らは~I Left My Heart in Rausu〜
4. オテテツナイデ
5. VSプライドモンスター
6. 日日
7. 22/22
8. 台風の目
9. カケラ
10. 明日で待ってて
11. Moon River(カバー)
12. 白い鯨
13. 祝祭
14. ラウシ
EN1. 歌になりたい


■ 森 大翔 Official HP
https://www.yamato-mori.com/