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CharlesからYENMA(エンマ)へ。メンバーのエネルギーが詰まった1st Album『Piñata』インタビュー

CharlesからYENMA(エンマ)へ。メンバーのエネルギーが詰まった1st Album『Piñata』インタビュー

October 10, 2020 12:00

YENMA

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“Charles”というバンドを覚えている人も多いだろう。【閃光ライオット2014】に応募するために結成された、池田光(Vo,G)、渡邉麻美子(Ba,Cho)、山本武尊(Dr,Cho)からなる3ピースバンド。ファイナルステージまで進みながらその後解散し衝撃を与えたCharlesは、2018年に深澤希実(Key, Vo)を加えた4人体制で再結成。4か月連続で自主企画ライブを立て続けにSOLD OUTさせると今年2020年1月にはライブ会場限定CD「西へ行こうよe.p.」をリリース。8月にはバンド名をYENMA(エンマ)に改名。10月7日(水)にバンド初となる全国流通盤の1st Album『Piñata』(ピニャータ)をリリース。今回はバンド名の由来や『Piñata』について話を伺った。


ー Charlesは「閃光ライオット2014」に応募する為に結成されたという異色の経歴ですが。

池田:当時はただ、音楽に対して漠然とした野望がある中でどうしたら良いか考えた時に「閃光ライオット」のような大きな大会に出られたら最高じゃないかと思ったんです。


ー そしたらファイナルまで進んでしまったと。

池田:そうなんです。だから正直、僕もメンバーもビックリして、そこでやっと冷静になれたというか。「閃光ライオット」の為だけに結成したとは言えど、やっぱり“その先”は考えました。ただ当時は現実的じゃなくて。

山本:僕は留学が決まっていて、麻美子(渡邉)もね。

渡邉:私も他のバンドをやっていたり進路も考えていた頃だったので、Charlesとしての活動はここまでかなとその当時は考えていました。

池田:正直なところ、僕自身は終わらせたくなかったので、気持ちの中にCharlesはずっとありました。でもどのみち今は出来ないし今ではないんだろうと思い、一旦区切りをつけたんです。ただ解散しても仲は良かったので、日常的にメンバーと飲んだりする中でバンドの話は自然と出てきました。武尊(山本)と二人で飲んでる時も「またバンドやりたいよな!」って盛り上がって、そのままスタジオに入ったこともあったし(笑)。そのタイミングでメンバーもバンドが出来る状況になっていたので、驚くほど自然な流れでCharles復活に至りました。


ー そのときに深澤さんが加入されたんですよね

池田:はい。Charlesの再スタートにあたり僕が新曲を作ってメンバーと合わせていたんですが、合わせる中で鍵盤が欲しいなという話になりました。同期も考えたんですが、やっぱり生音が良かったので、そうなると僕の中では一人だけ思い浮かぶ人がいて、それが希実(深澤)でした。

深澤:元々私と光(池田)共通の友人がいて、その子と私が音大時代にジャズライヴを演ったんですが、光がそのライヴを観に来たのが最初の出会いでした。

池田:本当に楽しそうに演奏していて、その時の希実がめちゃくちゃ印象に残ってました。その後お互い別のバンドとして対バンもしたけど、変わらず魅力的なキーボーディストだったし、鍵盤を新たに入れるなら希実しかいないと思い「Charlesに加入して欲しいんだけど!」って突然電話をして、半ば無理やりスタジオに連れ出しました。

深澤:まだお互いたどたどしかったよね(笑)。

池田:そうだね(笑)。

渡邉:光が良いと言う人ならきっと大丈夫だって思ったし、希実はすぐバンドに馴染んだよね。

深澤:一瞬だったね(笑)。

山本:もう希実とはすぐに…馴染んで…。

深澤:え?何か今の嘘っぽいんだけど。

山本:え、そうだった?(笑)

池田:最初は希実も言われた通りに弾いていたんだけど、それでも彼女のルーツにあるクラシックピアノやジャズが滲み出ていたのでイメージがすごく沸いてきて、今後作る楽曲の幅が広がるだろうなって考えただけでワクワクしたし、やっぱり鍵盤は必要なんだって確信しました。

深澤:出会うべくして出会ったというか、いつかはこのメンバーと出会っていたんだろうなっていうくらい最初にスタジオ入った時のインパクトが強くて楽しくて。


ー 今年8月にバンド名を、“Charles”から“YENMA”にされましたが、YENMAって……閻魔大王とか?(笑)

池田:そう思いますよね(笑)。実はCharlesを再結成するにあたり改名は決めていたんです。バンドを大きくする上でCharlesという名前は弱いんじゃないかと思ったし検索にも引っかからなくて。だからメンバーとは長い期間話し合いました。シンプルでキャッチーで棘があって覚えやすい語感を意識していたんですが、武尊がぼそっと言った「エンマ」がすごくしっくりきて。

山本:アルファベットで“YEN”にしたのは、日本円の“YEN”を意識しています。日本国籍のバンドということで分かりやすいかなと。


ー ちょっとYEN TOWN BANDを思い出しました。

山本:『スワロウテイル』ですよね。実はそれも少し意識しました。あの映画も曲も好きですし。

池田:僕らジャパンニューカルチャを背負ってバンドをやりたいんです。幸いメンバーのうち3人が英語を話せるので、将来的には海外展開も視野に入れています。