2019年4月の終わり頃、世田谷のレコーディングスタジオに続々とミュージシャンが集まってきた。メンバーは神谷洵平さん(dr)、山本健太さん(key)、外園一馬さん(gt)、そして植松慎之介(ba)。2019年2月に行われた僕の初ツアーでバックバンドを務めて頂いた4人だ。
この曲自体は数年前から歌詞以外のイメージは出来ていて、自分で打ち込んだデモトラックは完成していた。新しいEPに入れることになり、レコーディングメンバーを考え出したときに真っ先に浮かんだのがツアーメンバーだった。同じコード進行がループしていくこの曲にはバンドの熱量で盛り上げていく必要がある。ツアーを一緒に回ったメンバーなら、それを難しく説明しなくてもいいテイクが録れると考えたのだ。
各ブースにメンバーが入る。細かく分けて録らずに「せーの」で音を鳴らす。まさにライブに近いやり方だ。曲の中で数カ所だけ決まったフレーズがあるが、それ以外は自由に演奏してもらった。まさに僕が欲しかったサウンドがコントロールルームのモニターから流れてくる。神谷さんのミュートしたスネアが体を揺らす。慎之介の奇を衒わないベースライン、健太さんの物憂げなウーリッツァーの響き、ゾノさんのタイトなギターカッティング。
お互いの顔を見合わせ、それぞれの出し引きを楽しみながら演奏している姿はまさにバンドだった。あっという間にいいテイクが録れ、最後にゾノさんの泣きのギターソロをダビングしその日のレコーディングは終わった。録れた音を持ち帰り、自宅でシンセサイザーをダビングした。スタジオでの光景を頭に浮かべながら一緒に演奏してるように。
後日、オーガスタスタジオで歌入れを行った。アンニュイなバンドサウンドに寝そべって歌っているような感覚だった。非常に気持ちよく歌を入れることができた。
当たり前だが、シンガーソングライターはバンドではない。しかし、素晴らしいミュージシャンと出会い一緒に音を奏でる事の喜びを常に新鮮に感じることができるのだ。そんなことを改めて実感した。
文:松室政哉
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□ CD
M1. ハジマリノ鐘
M2. にらめっこ
M3. My Hero
M4. どんな名前つけよう
M5. マーマレードジャム
□ DVD
Matsumuro Seiya TOUR 2019 “City Lights” 2019.2.25東京・TSUTAYA O-WEST
・Theme
・衝動のファンファーレ
・Jungle Pop
・Fade out
・主題歌
・午前0時のヴィーナス
・きっと愛は不公平
・オレンジ
・群像どらまちっく
・Matenro
・アイエトワエ
・海月
・今夜もHi-Fi
・踊ろよ、アイロニー
・毎秒、君に恋してる
・息衝くEncore
・僕は僕で僕じゃない
・ラストナンバー
2019.12.21 M1「ハジマリノ鐘」先行配信開始
Matsumuro Seiya Live 2020「はじまりの鐘が鳴る」
新型コロナウイルス感染症対策の基本方針に鑑み、下記2公演の延期を決定いたしました。
3/11(水)@大阪・Umeda TRAD
3/13(金)@東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO
※詳細は公式サイトにてご確認ください。