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長澤知之 特集 第四弾!長澤知之『Archives #1』インタビュー!

長澤知之 特集 第四弾!長澤知之『Archives #1』インタビュー!

April 11, 2017 20:00

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ー 長澤くん自身、「IN MY ROOM」はどういう位置づけのライヴでしたか?

「IN MY ROOM」は、僕がこうしたいというビジョンで進めていったんだけど、それが叶わなかった難しい部分もあったし、実際やったことで分かる部分も沢山あって、すごく良い経験になりました。だから楽しめる時も勿論あったけど、うまく行かない時はちょっとふてくされちゃったりして(笑)。そういう部分を曝け出したライヴでもあるから、肯定的に言うならば、本当に自分の部屋で“素”が出るような、まさに「IN MY ROOM」でした。この東京キネマ倶楽部の時は本当に楽しかった。挑戦しただけに、メリットもデメリットも見つけられた企画ライヴでしたね。もし次に何かやるとしたら確実にその経験が生きるだろうし、いつかまたやりたいとは思っています。


ー 是非観てみたいです。そういう発想から生まれた自分発信のライヴって、確かに大変なことも多いと思うけど、観てみてもやはり面白いし。

自分で言ったからには責任もあるけど、叶えたい、実現させたいと思うからモチベーションが上がりますね。


ー 新曲の”蜘蛛の糸”は、何だか新鮮でした。

新鮮でしたか?


ー ええ。特にAメロの感じとか。

曲を作る時、アプローチという意味だけにおいては、例えば自分が「綺麗だな」と思うものと「面白いな」と思うものが同居した場合だけ曲として採用しているんです。きっかけは日々の出来事だったり、その時によく聴いている音楽だったり。このアルバムの中で言うと、例えばファルセットで始まる“フラッシュバック瞬き”。この曲を作った当時はファンクを聴いていたんです。だから”蜘蛛の糸”のAメロアプローチは少し今までと違って聴こえたかもしれないけど、作るイメージとしてはいつもと同じでした。


ー なるほど!そういえば以前『GIFT』の取材で“ボトラー“の話をしてくれた時に、俯瞰して今を「シーン」として捉えると言っていたけど、感覚的には似ているのかなと。でも、もっとポジティブというか、温かいというか。

 “ボトラー“の時に僕が話したのは、自分を悲観する時に俯瞰して対応するという考え方だったと思うんです。


ー ええ、確かに。

悲しさと嬉しさではベクトルが違うけど、始まりは同じだと考えているんです。例えばスターリンは「一人の死は悲劇であるが、一千万人の死はただの統計学」と言っていて、確かに大きい視点で見ればそうかもしれないけれど、宇宙から見たらどちらも同じ小さな点。だから悲しみを持ってしてどちらが悲しいとか、喜びを持ってしてどちらが喜ばしいとかも、宇宙視点で見るとひとつの点の中に詰まっている気がしていて。そういうものが地球上に存在していることも、否定ではなく肯定として受け取る。悲しい時も肯定、嬉しい時も肯定。そうやって希望に繋がるように考えているんです。だから “ボトラー“では悲しさに対して話したけど、この”蜘蛛の糸”では基本、肯定的俯瞰です。


ー 例えば“無題”のミュージックビデオ(以下:MV)でも、自分が生活している風景が映画のシーンに変わっていくアプローチがあるけれど、もしかして「俯瞰」ということが今、長澤くんの中で物事への捉え方の主軸になっているのかなと。

多分そうだと思います。悲劇も喜劇も空しさも喜びも俯瞰で捉えれば同じ。


ー すごく深い話だね。歌詞の話だけど、冒頭に出て来るジグモに「君」を付けるところがちょっと可愛くて。

あぁ(笑)。天井を見上げたらジグモが居て。その時は別に歌にするつもりはなかったんだけど、歌詞を書こうと思った時にふとそのことを思い出して。


ー 何かを探しているジグモ君に「見つかるといいね」という感性を乗せる長澤くんの優しさを感じました。温かさというか。

優しさ?


ー「あ、蜘蛛だ」と思って抹殺するんじゃなくて「見つかるといいね」って…。

アハハハ!秋山さんまさか蜘蛛、抹殺してないよね!?


ー いや、してないしてない(笑)。ほら、蜘蛛って殺しちゃ駄目だって言うでしょ。だからそっと外に逃がすけど。

そうそう。あー、びっくりした(笑)。


ー 失礼しました(笑)。

いえいえ(笑)。


ー サウンド面のアプローチは最初からこういう発想があったんですか?

アコギでメロディと歌詞を作った段階で大体のサウンドイメージは出来ていて、それをドラムの吉田佳史(トライセラトップス)さんや、ベースのキタダマキさんに伝えて、そこからそのイメージを共有しあいながら細かい部分を作り上げました。で、リズムが出来たらギターなどの上物でもっと風景が見えるように仕上げていって。その風景というのは、世界観に基づく歌詞なんだけど、元々天井にジグモがいるという風景を見て作った歌詞なので、サウンドに投影しやすいというか。


ー 当たり前かもしれないけど、やはりそこは繋がっているのか。なるほど。

全く風景が見えない曲だとサウンドを作る時にちょっと迷いがちになっちゃうから。でもこの曲は自然に出来てきました。


ー 風景と言えば、歌詞そのものではないにせよMVもひとつの風景のように思えるんだけど、“俺はグビ”、”JUNKLIFE”、”カスミソウ”、“そのキスひとつで”のMV/PV制作チームである荒木さんと菅原さんにも(取材時)来週取材するんだ。

凄いな。ちょっと楽しみ。


ー あのお二人は長澤くんからみてどういう方々?

荒木くんはすごくハートウォーミングな人。優しくて情熱があって、ゆえに攻撃性もどこかにあって(笑)。それと菅原さんはオトコ!っていう感じの人。


ー 男気溢れる感じ?

パッと見すごく優しそうに見えるんだけど、しっかりオトコの人というか。こちら側に対してはやはり優しくリードしてくれるんだけど、やたら干渉するわけでもワーッと話しかけてくる感じでもなく、淡々と物事を進めていく。だからオトコも“漢”の字の方ね(笑)。

  リリース情報

長澤知之 アンソロジー・アルバム
「Archives #1」

2017年4月12日発売

-収録曲-

DISC 1
1. あんまり素敵じゃない世界
2. フラッシュバック瞬き
3. 夢先案内人
4. バベル
5. センチメンタルフリーク
6. スーパーマーケット・ブルース
7. STOP THE MUSIC
8. バニラ(2014 Acoustic)
9. MEDAMAYAKI
10. 誰より愛を込めて
11. 消防車
12. R.I.P.(新曲)
13. マンドラゴラの花
14. 犬の瞳
15. 享楽列車(2014 Live)
16. 三年間
17. 蜘蛛の糸(新曲)

DISC 2
1. P.S.S.O.S.
2. THE ROLE
3. JUNKLIFE
4. 狼青年
5. 片思い
6. 零
7. RED
8. ねぇ、アリス
9. 風を待つカーテン(2007 Demo)
10. EXISTAR
11. スリーフィンガー
12. 茜ヶ空
13. 明日のラストナイト
14. はぐれ雲けもの道ひとり旅
15. 回送
16. ベテルギウス
17. 僕らの輝き

Archives #1

CD

POCS-1552/3 / ¥3,056+税

  インフォメーション

-10th Anniversary Anthology-
「Nagasawa Tomoyuki Band Tour 'Kumo No Ito' 2017」

http://www.office-augusta.com/nagasawa/live_nagasawa.html#kumonoito

2017年4月18日(火)大阪府 BIGCAT
2017年4月20日(木)福岡県 DRUM Be-1
2017年4月24日(月)東京都 LIQUIDROOM

○イープラス:https://eplus.jp/ath/word/6403
○ローチケHMV:http://l-tike.com/keyword/%E9%95%B7%E6%BE%A4%E7%9F%A5%E4%B9%8B/
○チケットぴあ:http://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=53170084

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