ー 客観的な目というのは大切ですよね。
常田:そうそう。これは僕がSissyのプロデューサーを担当しているから伝えているわけではなくて、これから曲作りをしていく人たちにも同じことを伝えられたらと思っているんです。先輩であるMr.Childrenの桜井さんと曲づくりの話をした時にも、そういう話をしてくださって。
ー そうだったんですか。
常田:桜井さんも自分の持っている手法を包み隠さず教えてくれるんですよ。そういうのってすごく嬉しいし、裏を返せば自信の表れだと思うんです。「真似出来るならやってみな」という。でもそういう先輩が多かったんですよね。亀田(誠治)さんもそうですし、佐橋(佳幸)さんもそう。その他の諸先輩方も含め「そこは企業秘密ね」ではなく、聞くと皆さんしっかり教えてくれるんです。中には譜面まで見せてくださる先輩もいて。自分も斯く在りたいではないですが、先輩とはそうあるべきなんだろうなと。だからこそ自分自身も頑張らなきゃと思えるし。
ー Sissyのメンバーからも、常田さんがそれこそ惜しげも無く技術を教えてくれるというお話を伺っていて、すごいなと思っていたんです。そういう背景があったんですね。
常田:いえいえ、全然すごくないですよ。
原:本当に色々と教えてもらっています。
ー 現在11月リリース作品を制作中ですが、8ヶ月連続リリースのシングルは12月でひとまず終了ですね。
常田:僕がプロデュースするとなったらですけどね(笑)。
松田:ヤバい!
佐藤・示村:コワイ!
松田:僕、沢山電話します!
常田:うわー、全部見なかったことにしようかな(笑)
<一同爆笑>
ー Sissyとして12月のシングルへ向けての意気込みを教えてください。
松田:本当に集大成になるので…。
常田:あ、僕は逆かもしれない。集大成と思って欲しくないかな。
松田:集大成とは思わないんですけど…。
<メンバー爆笑>
常田:多分メンバー全員、集大成と捉えていると思うんです。でもそこはあえて「8枚目だ」という気持ちだけで良いんじゃないかな。最後だから頑張ってもらうのは良いけど、そこで良いのが出来すぎたら、また次も僕にプロデュースをして欲しいと思うじゃないですか(笑)。
ー そう思ってしまうかも…。
常田:満足いくものが出来て欲しいけど、集大成ではなく「あぁ、出し切ったな!」で良いと思うんです。今まででこの曲が1位という気持ちを毎回持つことは良いことですし、それはアルバムもしかり。 僕もスキマスイッチではいつもそう考えているので。
示村:4ヶ月、5ヶ月目くらいの頃、この後どうなるんだろう?って、この8ヶ月が終わった先のことをよく考えていたんです。プロデューサーとしてシンタさんという存在がいなくなるのは怖いし、だからこそ12月までに音や録音の方法など技術を盗めるところは盗もうと思っていました。あとはシンタさんがどう感じてくださるかだと思うのですが。大先輩なのは変わらないし、勉強させて頂いている身でありながら言うのもおこがましいけど、僕は同じミュージシャンでありたいんです。まだまだ時間はかかるかもしれないけれど、対等でいたい。沢山の知恵を頂いて、僕らもそれに応えるという関係はこの8ヶ月が終わった瞬間にプツッと消えるかと言えば、そうではないと思うし、そうではなくしたい。だからまずは今の、11月リリースの曲に全力を尽くしたいです。結果この先ご一緒出来れば嬉しいですし、いつか一緒にライヴをしたいです。
佐藤:本当にシメちゃんの言った通りですね。伸びしろを伸ばして頂いた分、もし同じステージに立てる日が来た時には「あの時こうだったね」と想い出話をしたいです。
ー 原さんはいかがですか?
原:12月の作品については、今まで積み上げてきた作り方を生かしながら、12月という季節感もきちんと感じられる作品を出していきたいです。今後に関しては、自信を持ってシンタさんに報告出来るように活動していきたいと思っています。「こんな新しい曲が出来ました!シンタさん是非聴いてください」と言いたいので、12月の曲を出すことによって「Sissyはもっと良いものを作れるな」と思ってもらいたいです。
ー ありがとうございました。
約30分、レコーディングの手を止めて話してくれた言葉の数々から枝分かれする苦悩や葛藤、喜びを考えると、この8ヶ月間がどれだけ濃厚だったか想像出来る。
「よし、やろうか!」インタビュー後、気合いを入れ直すようにレコーディングも再開。
今作について作曲を担当した原は、「今回『ラブソング・フロム・リビング・エンド』は僕が作曲を担当させてもらうことになったんですが、実は僕のいないところで僕が作ることが決まったんです(笑)。前回のシングル青星の夜にの歌入れの時に僕がレコーディングに立ち会えなくて、その時に次の曲の話をしんたさんとメンバーがしていたみたいで。次はRockで暗い、重い曲にしよう、ってなって、しんたさんが原ちゃんはああ見えて暗い人間のはずだから書ける!って言っていたらしくて(笑)。以前にもSissyでは何曲かは作詞をしたことがあったので、まあ何とかなるかなー?って思ってはじめたんですけど今回は正直かなり作るのに時間がかかりました。僕は作曲と初期アレンジを基本ワンセットで行っているのでBPMを決めてコード、メロディ、ドラム、ベースまで作ってしんたさんとやり取りをしたんですがお互いのイメージの擦り合わせなどもあったので何度もキャッチボールをさせてもらいました。最終的に暗くて重たい、かつキャッチー、というものを目指したのですがすごく難しい表現なので、制作期間は一カ月だったのですがこの一カ月はほぼ曲のことばかり考えてました。でも一曲に長く向き合えた分とてもいいものを作ることが出来ました。」と述べた。
また 作詞の示村は「Sissyの新境地であり、楽曲制作においてSissy初の原理史×示村俊人ですかね。今思えばシンタさんと8ヶ月連続やってきた曲作りの卒業試験だったような気がします。結果は赤点だったんですけど(笑)。“世界は広いぞ~!しめ~!日々勉強だな~!はっはっは!”しんたさんの声が聴こえてきます(笑)。今回の作詞は病んでましたねー。僕の作詞は希望ソング、救いソングが多いんですが、今回の主人公はそれが何もない。大切な人なのか物なのかを失って、それを受け止められない悲しみ、怒り、色んな感情が混ざり合って言わば「無」に近いんです。嘘だろおい。悪い夢だわ。自分の事なのにどこか他人事というか。「予報によれば」という部分朝方のテレビでキャスターがニュース記事を読んでいて、それが凄く無機質に感じる時間帯というか普段はただ流れ行く音声なのに、自分のメンタルが弱っている朝方ってやたらノイズとして耳に入ってくるんです。そういう角度から、耳に引っ掛かるワード選びには気をつけました。演奏の枯れた感じに溶けるような歌詞と歌、「冷たい(寂しい?)冬」に没頭したい方は是非聴き込んでほしいですね!(笑)そしてきっとこの後に『青星の夜に』を聴くとより沁みますよ!」と語った。
リリース間近に迫った『ラブソング・フロム・リビング・エンド』を楽しみにしつつ、筆者はスタジオを後にした。
取材・文・写真/秋山昌未
Sissy
8ヶ月連続シングル第7弾!
『ラブソング・フロム・リビング・エンド』
11月27日(日)リリース
□ ライブ会場&レーベルサイト限定販売
https://prsnt.thebase.in
Sissy 8th anniversary tour!~みなさんのおかげです~ Tour Final(ワンマンライブ)
2017年1月14日(土)
会場:西新井文化ホール(東京)
チケットはこちら
■ Sissyオフィシャルウェブサイト
https://sissy-web.amebaownd.com
■ Sissyレーベルオフィシャルサイト
http://ssy.tokyo
■ Sissy 8th Anniversary特設サイト
http://ssy.tokyo/anniversary_8
■ オフィシャルファンクラブclub44
http://fan.pia.jp/club44/
スキマスイッチ
「全力少年produced by 奥田民生」
2016年11月30日発売
「ALL OUT!!」描き下ろしジャケット&デジパック仕様
アニメ盤・期間生産限定盤[CD]
AUCL-217 / ¥1,300+税
Live Blu-ray&DVD
「スキマスイッチTOUR2016“POPMAN’S CARNIVAL”THE MOVIE」
2016年11月30日(水)発売
Blu-ray:AUXL-31 ¥6,800+税
DVD [2 DISCS]:AUBL-53~54 ¥6,000+税
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