【レビュー】flumpool『君に恋したあの日から』

昨年10月1日にデビュー15周年を迎え、現在【15th Anniversary tour 2024 「This is flumpool !!!! 〜15の夜に逢いましょう〜」】を開催中のflumpool。2024年第1弾リリースとして、4月3日に「君に恋したあの日から」をリリースした。この曲は、日本テレビ系『DayDay.』4月エンディングテーマに起用。

まだ“J-POP”という言葉が生まれる前、80年代前半のSSWから紡がれたような懐かしさや王道的要素を持ち合わせたメロディ。キャリアを積めば積むほど経験や技術を味方にする分、シンプルなメロディへの挑戦は躊躇されやすい。裏を返せばシンプルでありながら聴く人の心を掴むのは非常に難しい。しかし今作はシンプルなメロディだからこそ、flumpoolらしいリズム、山村隆太のエモーショナルな歌声、アレンジが活かされた爽やかで耳残りするミディアムナンバーに仕上がった。

更に今の季節にぴったりな冒頭の歌詞、“川辺を進んでゆく水面の花”は、桜が川面を彩る美しい花筏を想像させる。日々の紆余曲折にも揺らぐことない一途な愛情を歌ったこの曲はラブソングでありながらも、デビュー15年という月日を歩んだflumpoolと、彼らを好きであり続けたファンとの関係を歌っているように感じるのは筆者だけだろうか。是非、15th Anniversaryツアーで聴きたい一曲だ。