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ぷらそにカーニバル2020~上にまいります!~ ライヴレポート

ぷらそにカーニバル2020~上にまいります!~ ライヴレポート

February 6, 2020 20:00

ぷらそにか

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Official髭男dismの「Pretender」、King Gnuの「白日」、スキマスイッチの「全力少年」など、 カヴァー動画を中心にYouTubeへアップするセッショングループ「ぷらそにか」。そのYoutube Channelの登録者数は約9.55万人(2020年1月現在)。メンバーは、Foi、Chie、元松美紅、てつと、幾田りら、月川玲、上野正明、suzu、菜摘、早希、小玉ひかり、西山晃世、久保琴音、高村風太、水谷怜、成田あより、みきまりあの17名。今やアイドルの大所帯は当たり前になっているが、シンガーグループでこれだけのメンバー数は他に類をみない。そのぷらそにかが、2月1日(土)渋谷WWW Xにてワンマンライヴ【ぷらそにカーニバル2020~上にまいります!~】を開催。SOLDOUTの会場は熱気に包まれていた。

定刻に客電が落ちステージにはメンバーが登場。やはりこれだけの人数がステージにあがるとそれだけで圧巻だ。オープニングを飾るのは、ぷらそにかのオリジナル曲「僕らはPOP」。

plusonica2020020601.jpg昨年から加入したメンバーもいる中、歌声に伝わる緊張感も初々しいが、曲に合わせ歌い、クラップを響かせるオーディエンス。冒頭から一体感が生まれる。ラスサビ前、早希のハイトーンボイスに歓声があがり、続くオリジナル曲「ソラミミ」ではFoiがシンガロングを先導。歌声が広がった。

オープニングトークは上野とみき。(途中から高村も参加)昨年12月のうちに今公演がSOLDOUTしたことへ感謝しながら、上野はぷらそにかのメンバー全員がシンガーとして個々の音楽活動を行っていることや、この後行われるソロステージについて、更に各ソロステージ前にドッキリVTRがあることを説明。そのドッキリにフロアは都度笑いが起こった。ソロステージのバックバンドを務めるのは、ショー・サイトウ(E.Gt)、花村智志(Ba)、岡田一成(Dr)に加え、Keyboardは、ぷらそにかのメンバー高村風太が担当。

トップバッターは水谷怜。 コーラスには幾田りらと菜摘も加わり、疾走感溢れるバンドサウンドの「捉えて」は、きっと普段の弾き語りと全く違う色を出していただろう。歌い終わると凛とした美しい笑顔を見せた。

続くステージはsuzu。ステージ前のどっきりVTRは「この日のライヴに殆どのメンバーが出演出来なくなったら?」という内容。途中からsuzuの顔が曇り、テロップに「(怒)」が出るとフロアは大爆笑。だがそんなVTRのイメージとは打って変わり、自身の切ない想い出を曲にした「ボディーソープ」では、今にも泣いてしまいそうな程に感情を込めた歌声を聴かせてくれた。

メロウなダンスナンバー「moon」を歌うのは西山晃世。前の二人とも違うサウンドにそれぞれの個性が光る。「楽しい!」リズムに合わせジャンプする西山の姿はこの時間を噛みしめるようにも見え、歌い終わると歓声に包まれた。

成田あよりのドッキリには筆者も大笑いしてしまった。

plusonica2020020602.jpgすでにぷらそにかのYoutube Channelにもアップされている平井堅氏「#302」のカヴァー。そのレコーディングで、「もし成田の歌声が音痴になっていたら?」という内容で、他のメンバーと明らかに違う露骨な下手加工に成田は大焦り。「成田あより、音痴じゃないと思います…(笑)。よろしくお願いします。」そう言いながら歌った「月を焦がす」は 勿論音痴ではなく(笑)、可愛らしくいじらしく切ない世界観を繰り広げた。

「今日も1日頑張ったあなたへ。」そう言いながら小玉ひかりが歌うのは「good night my dear」。ピアノサウンドはポップなのにどこかビターで、甘い歌声と不意に上がる高音が心地よく、繰り返される「大丈夫」に元気づけられた人も多いだろう。

早希が歌うのはバラード曲「笑顔の裏側」。敢えてバックバンドを排し、高村のPianoだけをバックに歌う彼女は、いつもの下がり眉の可愛らしい印象とは違うパワーと繊細さのバランスに長けた圧倒的歌唱力でオーディエンスを魅了した。


上野正明(E.Gt)、Chie(E.Gt)、高村風太 (Pf)、月川玲 (Ba)、そしてサプライズとして登場したsuzu(Dr)からなるSUPER HEIWA BOYS&GIRLS。それまでバラードが多かったが、 高村はステージ狭しと踊りながらポップなメドレーでフロアを沸かした。

ここで、ソロステージ前半戦が終了。MCでは西山と小玉が登場。それまでのドッキリ動画を振り返りながら後半戦の幾田りらのステージへ繋げた。

どこか懐かしさを感じる幾田の「ロマンスの約束」。耳に残る歌声と温かいミディアムテンポのリズムは幾田の笑顔同様、オーディエンスを優しく包み込む。

菜摘のドッキリ「ぷらそにかの新曲がポンコツだったら?」も面白かった。“血まみれUFO〜呪いのパスタ〜”など、ドッキリにしてもあまりにトリッキーな(笑)上野の歌詞に笑いとざわつきが入り混じるフロア。

このライヴ同日にリリースされた菜摘のソロ作品『夜を立つ』に収録の「ミスター」を、ジャズ・ファンクを思わせるグルーヴィーなピアノに乗せ、菜摘はエネルギッシュに歌い上げた。

ぷらそにかとは違う世界観でオーディエンスを魅了したのは、てつとの歌う「人間だから」。ソフトでありながら芯の通った歌声をエモーショナルに響かせ、オーディエンスを魅了した。

元松美紅の「love me love you」は、まるでフリッパーズギターのようなネオアコ的カラフルソングで、実は作曲は高村風太によるもの。サウンドのポップさと元松の可愛らしい笑顔にオーディエンスからも笑顔がこぼれる。

久保琴音の「rain」は英詞だ。イラストも描く久保は「僕らはPOP」のMVで見せた屈託ない笑顔とは違う、アーティスティックなステージを繰り広げた。

「みんなの声が聴きたいんですけど!」みきまりあはユニークで可愛らしい歌詞の「パンダのうた」でシンガロング。昨年12月に加入したばかりとは思えないほどの盛り上げ方にフロアもアツくなる。

Foiは片寄明人氏プロデュースの新曲「Bad Friend」を披露。甘く、それでいて深く大人っぽい歌声をオーディエンスは静かに聴き入っていた。この曲は2月14日のバレンタインデーにリリースされることもあり、Foiのサインとメッセージが書かれたハートスティックバルーンが前列にいたオーディエンスに渡された。これぞ嬉しいドッキリ!

「ライヴで言うのがやっぱり誠実だと思って…。」

本編最後の前に、Foiはこの日のライヴをもってぷらそにかを卒業することを発表。この突然の発表に当然フロアは静まり返る。ぷらそにか初期メンバーとして約3年半支え続けたFoiは、当時のことを振り返りながらこれだけ大勢の前でライヴができることへ感謝。「困っちゃうくらいメンバーのことが大好きで…だからできれば一生ぷらそにかに居たいんだけど。」そう言いながらも、ソロシンガー“Foi”の活動を軸に置くべく卒業を決めたことを震える声で訥々と語り「これからも、ぷらそにか及び私を生活の一部にしてくれると嬉しいです。本当にお世話になりました。」そう挨拶。Foiの決意を応援したい気持ちと、まだ信じられない気持ちが入り混じったような拍手を前に上野は言う。「ぷらそにかもFoiも上に向かっていくぞという気持ちは何も変わっておりません!なので今日は卒業ということをメンバー、スタッフ、お客さんみんなでお祝いしたい気持ちが僕はありますので。立ち上げから3年半やってこられたんですよ。」その言葉に、今度は力強い拍手がFoiへ贈られた。少なくとも「ぷらそにか」を語る上で、この日、Foiのぷらそにかとしてのラストステージを見ることが出来たのは意味があった。

再び登場したメンバーも涙しながらFoiとハグをしたり言葉をかけあったり。本編最後はFoiが書いたぷらそにかオリジナル曲「あいことば」。それでも西山は想いが込み上げ歌えなくなってしまったし、菜摘も油断すると大泣きしそうな顔をしている。だがそれでも“あなたと一緒に”という歌詞で、みんながFoiに向けて歌うとFoiにもメンバーにも笑顔がこぼれた。

plusonica2020020603.jpg卒業の言葉が持つ切なさと清々しさを伴い本編は終了。メンバーが退場するとスクリーンには「ぷらそにか最大のドッキリは5ヶ月前から行われていた」の文字。映し出されたのは昨年9月27日にWWWで開催された【ぷらそにカーニバル2019 3rd Anniversary Festival 追加公演〜挑戦〜】終演後。 そこで8月24日(月)マイナビBLITZ赤坂での 【ぷらそにカーニバル2020「4th Anniversary Festival」 】決定のドッキリ発表。その映像にオーディエンスからも歓声と拍手が起き、次なる飛躍に沸く。そしてラストは「We’re always with you」で【ぷらそにカーニバル2020~上にまいります!~】は大団円を迎えた。


□ セットリスト

<ぷらそにか>
M1. 僕らはPOP
M2. ソラミミ

<ソロステージ>
M3. 捉えて / 水谷怜
M4.ボディーソープ / suzu
M5. moon / 西山晃世
M6. 月を焦がす / 成田あより
M7.good night my dear / 小玉ひかり
M8. 笑顔の裏側 / 早希
M9. スーパーヘイワなメドレー / SUPER HEIWA BOYS&GIRLS
M10. ロマンスの約束 / 幾田りら
M11. ミスター / 菜摘
M12. 人間だから / てつと
M13. love me love you / 元松美紅
M14. rain / 久保琴音
M15. パンダのうた / みきまりあ
M16. Bad Friend / Foi
M17. あいことば / ぷらそにか

Encore
En1. We’re always with you / ぷらそにか


Photo Cledit:中磯ヨシオ
取材・文:秋山雅美(@ps_masayan



■ ぷらそにか Youtube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCZx7esGXyW6JXn98byfKEIA

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