堂珍嘉邦、エレクトロミュージックアーティスト"speedometer."との初コラボ曲「BETWEEN SLEEP AND AWAKE」インタビュー
October 31, 2024 18:00
堂珍嘉邦
CHEMISTRYとして、ホールツアーの開催やミニアルバム『BLUE CHEMISTRY』がリリースされる中、ソロとしてもテレビ出演や【堂珍嘉邦 Billboard Live Tour 2024】、毎年恒例のコニカミノルタ主催プラネタリウムライブ【LIVE in the DARK】の開催など、精力的な動きを見せる堂珍嘉邦。昨年のソロライブから披露してきた新曲「BETWEEN SLEEP AND AWAKE」は音源化を熱望するファンの声が広がっていた。そしてとうとう11月6日(水)に5曲入りシングルとしてリリース!(タイトルナンバーは、10月25日より各サブスクリプションサービスにて先行配信中!)エレクトロミュージックアーティスト、髙山純のソロユニット“speedometer.”とコラボレーションしたいという堂珍の想いから生まれたタイトルナンバーは、堂珍【LIVE in the DARK】「LIVE in the DARK」で歌い続けていたohana(永積タカシ:ハナレグミ/オオヤユウスケ:Polaris/原田郁子:clammbon)のカバー「HEAVENLY」は、Dr.kyOnを中心とした堂珍バンドに加え、吉良都アレンジにてストリングスもレコーディングした未発表アレンジ。更に堂珍嘉邦ソロ、初の楽曲「She knows why ?」の壮大にアレンジされたライブバージョンに加え、先の2曲のREMIXを収録。シングルというには勿体ないほど濃度の濃い作品となっている。堂珍が「BETWEEN SLEEP AND AWAKE」で感じた想いとは–––––––––。
ー (取材時)【CHEMISTRY ホールツアー2024「DIRECT」】も残り1公演を残すのみですが、今年はかなり忙しかったんじゃないですか?
お陰様でCHEMISTRYとしては2本のツアーを開催出来ましたし、ソロとしてもビルボードツアーやイベントなどでファンの方々と接する機会は多かったですね。
ー 堂珍さんのOFFICIAL FANCLUB「Drunkboat」では、ファンクラブ会員の方々と北海道旅行に行かれましたが、いかがでしたか?
楽しかったですね。小樽GOLD STONEというライブハウスでミニライブもやったんですが、あそこって今、一万円札の顔にもなっている渋沢栄一さんが作った倉庫をライブレストランにしているんですよ。
ー そうだったんですか。知らなかったです。写真を拝見すると確かに趣がありますよね。
そうなんです。レンガ造りの感じが、THE BEATLESが昔ライブをしていたキャヴァーン・クラブみたいだと、勝手に想像しながら(笑)ライブをしていました。
ー 旅行といえば、CHEMISTRYのFC旅行で京都に行かれるそうですが、プライベートで旅行に行かれたりは?
最近は全然ないですね。
ー もし1週間お休みが取れてどこかへ旅行に行けるとしたら、どこへ行きたいですか?
そうですねぇ、どこだろう……あ、海外でも日本でも良いから、緑が沢山あるところで美味しい料理を食べながらのんびりしたいですね。
ー 良いですね。そして11月6日にシングル「BETWEEN SLEEP AND AWAKE」がリリース。タイトルナンバーのこの曲は、昨年のバースデーライブ【堂珍嘉邦 LIVE 2023 "Now What Can I see ? ~Drunk Garden~】で初披露されましたが、リリースを待ち望んでいました!この曲がどんなに好きか、何度マネージャーに熱弁したか(笑)。
マネージャー:そうでしたね(笑)。
あ、そんなにですか(笑)。でも嬉しいです。ありがとうございます!この曲はダンスミュージックっぽいビート感を持ちつつ、歌詞の世界観はどちらかというと決して明るくはない。誰しもが持っている切なさや戸惑い、憂い……この曲にはそういう部分を感じられるので、自分も曲の世界観に飛び込みやすかったです。
ー 初披露後もライブではいつも歌われていましたね。
そうでしたね。
ー ライブで積み重ねてからのレコーディングとなると、感覚は違いますか?
この曲は僕のライブサポートのバンドメンバー(Dr.kyOn/木暮晋也/砂山淳一/山下あす/吉良都ストリングス)に演奏してもらい、その演奏の再構築をspeedometer.さんがやっていて、元々デモの世界観がエレクトロ寄りだったのでそれに近づけたかったんです。もっと言えば、ライブはライブ、CDはCDの魅力を出したかったというか。ライブアレンジなら良くても、CD(音源)の場合、求めるところもちょっと違ってくるじゃないですか?
ー ええ。ライブと音源では聴く環境も物理的に違いますし、シチュエーションもそれぞれですからね。
そうなんです。でもライブも音源も演奏している人は一緒だから、その点をどうしていくかは色々話し合いながらレコーディングしました。
ー 元々は、移動中の車中で流れていたspeedometer.さんの曲を聴いて、コラボレーションしたいと思ったのがきっかけだそうですが、その時、堂珍さんがコラボしたいと感じた一番のポイントはどういうところだったんでしょうか?
サウンド感ですかね。僕が聴いたspeedometer.さんの曲は生感とアンビエントさがミックスされていて、自分に合いそうな気がしたんです。例えが難しいですが、筋肉ゴリゴリのセクシーさというより、繊細なんだけど浮遊感もあるような。それでお願いすることにしました。でも渋谷のDJイベントで彼と初めて会った時は「録ります!」「ん? ええの?」みたいなノリでしたが(笑)。
ー それもすごいですね(笑)。
ええ、面白かったです(笑)。でも車の中で初めて彼の音楽を聴いた時の感覚や、自分が歌う後ろで鳴っている音像を想像した時、こういう人とコラボしたらどうなるだろうという好奇心が掻き立てられたんですよね。だからやはり今回はspeedometer.さんとご一緒して良かったと思います。さっきの話とも重なりますが、この曲の歌詞は共感する部分が多いんです。それもごく自然に。日常生活を送る中で出会いや別れを経験し、その都度自問自答を繰り返す。それは決して僕だけではなく、誰しもが経験することだと思うし、立場や職業などの垣根を越えて誰しもが持っている共通項のような気がするんですよ。まぁこれが5歳の子どもとなると話は変わってきますけどね(笑)。
ー 確かに(笑)。
でもある程度経験を積んだ大人であれば、多分色々な道を乗り越えて今があると思うし、経験の多さによっても、味わい深さは違ってくるかもしれません。別に堅い話をしたいわけではないんですが、そこにspeedometer.さんならではビートと少しの憂いを含んだキャッチーなメロディーがあることによって、この曲の個性が出ていると思うんです。だから言葉ってすごく大切ですね。髙山さんからこういう言葉、歌詞が届くなんて、こちらも想像していなかったし。
ー もっと違う歌詞が来ると思っていましたか?
歌詞は書くつもりだったんですが、仮の歌詞という前提でデモ音源が届いて、もうこれでいいと思えました。もっと言えば、メロディーや曲の雰囲気、アプローチ的な部分などすべてにおいてどういうものが出来てくるか想像出来ていなかったし。ですよね(笑)。でも、歌詞も直す必要がないくらい共感できたし、出来上がった曲はやはり魅力的でした。自分が共感できる部分が言葉にあると曲のことを好きになるスピードってすごく速くなるじゃないですか。
ー 速くなりますね!
それはすごく覚えてますね。そのせいか、既に自分が経験したことをもう一度掘り起こしている感じがするというか、既に味わったことがあって自分が少しタイムスリップすれば、あの時の気持ちが蘇るような……そんな気持ちになれる歌詞なんです。もしかしたら僕と同じような気持ちになる人もいるかもしれないし、まさにリアルタイムという人もいるかもしれません。つまりは共感性ということなんでしょうが、僕にとってこの曲はそういう意味を持つ曲です。
ー c/wの「HEAVENLY」はohanaさんのカバーですが、結構長いことライブで歌われていますよね。
そうですね。プラネタリウムライブの【LIVE in the DARK】にピッタリだと思って歌い始めたんですが、元々ohanaさんのライブを観に行って好きになった曲だったんです。あのトリオ感がすごく微笑ましくて。(原田)郁子さんや(永積)タカシさんって体温を感じるアーティストじゃないですか。
ー すごくわかります、体温を感じるって。
ユウスケさんを含めてこの3人の同級生っぽい感じが和んで、なんていうのかな……「ズッコケ三人組」みたいな感じというか!そういう本、ありましたよね?
ー アニメとかにもなりましたよね。
あ、タカシさんとユウスケさんと郁子さんは全然ズッコケじゃないですよ(笑)。でもこの3人の絶妙な空気感がすごく素敵だなと思っていて、そういう部分含めてこの「HEAVENLY」も好きになったんです。何かこの曲って、絨毯が敷かれた室内でそれぞれが好きな本を読んで夜中まで起きていて、「じゃあそろそろ歌ってみる?」みたいな感じで自然とライブになっちゃったみたいな感じがするというか(笑)。