「ナオト・インティライミ LIVE TOUR 2026」ファイナルのオフィシャルライブレポート!
August 6, 2026 18:00
ナオト・インティライミ
6月から東京を皮切りにスタートした「ナオト・インティライミ LIVE TOUR 2026」。その最終公演が愛知・Niterra特殊陶業市民会館フォレストホールで行われた。
5月にラテンデビューを果たしたばかりの彼がどんなステージを見せてくれるのか。夏真っ盛りの8月4日。会場は隠しきれない期待感で、開演前から手拍子が始まる。予感にざわめいた矢先、オーバーチュアが流れ歓声が上がる。ハットをかぶったいつものラフないでたちのナオトが登場し、オープニングからノリノリの『The World is ours!』。コカ・コーラ2014 FIFAワールドカップキャンペーンの日本版アンセムだ。今年開催されたサッカーワールドカップにちなんだ、サッカー好きの彼らしい幕開け。アッパーなラテン調ナンバーに合わせたコール&レスポンスで、早くもステージと客席の垣根を崩していく。トップギアで会場を熱くさせるその勢いに乗って、ライブでも人気のダンスチューン『Hare-Hare Parade』へ。さらにボルテージが上がり、会場は瞬殺でおまっとぅり! ナオトも踊りまくり、もちろん指でカタカナのハレを作るお馴染みのポージングも。飛び跳ねる観客もイエーイ!と拳を突き上げ、まさにパレードに参列しているかのよう。会場全体の空気が一気に沸点に達し、「サイコーの夏の思い出を作りましょうかね」と夏のキラーソング『サマータイム マジック』へ。手を上げたりクロスさせたりするファン・インティライミたちのフリもバッチリ。
名古屋がファイナルになるのは実に9年ぶり。楽しみ過ぎて朝早く目が覚め、MCでは名古屋の街をランニングしたと話し出す。「円頓寺商店街って江戸時代に迷い込んだようだね。それから名古屋城まで行ったの。でもまだ開いてなかった(笑)。仕方なく列に並んで11番目(笑)」。まさかナオトが観光客にまじって開門を待っていたなんてとどよめきが起こる。でも考えてみれば世界を旅する彼にとっては自然なことかもしれない。今までリリースした曲は232曲。「一度もやっていない曲もあるんだよね」と、今年2月の15周年REBOOTライブで演奏して味をしめたと、今回もレア曲にアプローチ。「マイナーなカップリング曲をこのライブのために新しくアレンジしました」と披露されたのは『ハチャメチャ』。遊び心満載のパーティーチューンをダンサーと妖艶なアレンジで踊る。
打って変わって静まり返ったステージに、三線を手にしたナオトが浮かび上がる。メジャーデビュー以前の楽曲ながらファンの間で根強い人気を誇るインディーズ時代の名バラード『夢花火』だ。情感たっぷりにつまびかれる三線の音色が響き渡り、夏の夕暮れを感じさせるメロディーにうっとり聴き惚れる。三線の次はピアノの前に座り、熊本の地震に触れる。9年前、復興の一環で訪れていた場所があの爆発事故を起こしたイオンモールだったという。「今から歌う曲は命について書いた曲です。明日なにがおこるかわからない。自分だってそう。今回のツアーで体調を崩して新潟公演が中止になってしまった。今日が最後になるかもしれない。誰もわからない。伝えたいことを伝えられているか。大事なことを後回しにしてないか」。そう前置きをして『ブエナ ヘンテ~愛しい君へ~』。”ブエナ ヘンテ”というのは”いい人”という意味。ダメだった自分があなたと出会っていい人になった。懺悔、感謝、祈りを込め、書きなぐったという曲ゆえ感慨深い。君のヒーロー”ブエナ ヘンテ”でありたいと、まっすぐな愛を弾き語りで歌い、最後はバンダのみんなが声を合わせる。大きな拍手に包まれたあとは、『恋する季節』でしっとりから和やかムードに。続く『Hello』も初期のポップナンバー。軽快な手拍子が鳴り響く。
再登場したナオトは赤いシャツに着替え、トヨタ自動車株式会社とウーブン・バイ・トヨタ株式会社が開発を進めるToyota Woven Cityのテーマ曲『Woven City』を熱唱。豊田佐吉が開発した人力織機にちなんだ織機の音からはじまるイントロから心憎い。昨年オフィシャルローンチイベントで初披露されて以降、単独ライブで聴きたかったファンも多かったのでは。ツアーアンケートではリリースの要望が多かったらしく、「今日の夜24時にシングル配信します!」となんとサプライズ発表で会場をざわつかせた。『オモワクドオリ』ではコミカルな歌詞に合わせてユニークなフリ。踊らずにはいられない『Funky Music』ではナオトのキッレキレのダンスに、”ぱんぱんぱん ぱらんぱんぱwe are!”のかけ声で観客の熱気をさらに高める。その流れでウクレレを手にし「一緒に歌う?」とナオト。『Catch the moment』に入る…と思いきやまさかの『与作』を歌いだす。「ヘイヘイホー」のコール&レスポンス(笑)。ファン・インティライミもしっかりついていくからサスガ! お茶目な入りからあらためて『Catch the moment』。穏やかなリズムで各国の”ありがとう”がつながる歌詞はほのぼのする。ラスト”会おう~”で30秒のロングトーンに拍手喝采でしめる。
続くナンバーはNaoto 名義でコロンビアのレーベルからラテンデビューを果たした『Tokio Sake Bomb』。日本の伝統とラテンの熱狂を融合させた今まであるようでなかった独特なリズムがクセになる。ダンサーふたりとナオトはいつの間にか着物姿に。酔っ払いナオトが「飲もまい!」「乾杯!」と煽り、バンダも加わって予想以上の大団円。言葉が通じなくても音楽で世界は繋がれる。それを確信するような、懐の大きさを感じるミクスチャーな世界だ。コロンビアでのMV撮影の爆笑秘話やテレビで生歌唱を10秒前に知る事件まで、世界へ一歩踏み出した彼の決意表明がトークからも感じられる。
クライマックスに向けては「キッズも一緒に踊るよ!」と初期のライブ定番曲『おまかせピーターパン』。からの『Ole!』でかけ声が最高潮に。ダンサーふたりがフラッグを持って現れ、ナオトがサッカーボールでリフティングする。ステージ袖に小さなゴールが設置され、「ゴールを決めたら1曲だけだよ、ケータイで撮影OK!」。大歓声が上がり、みんなでナオトを見守る。コロコロ転がるボールはじょじょにそれ、ダンサーが助け船を出しゴール!ここでお待ちかねの『カーニバる⤴?』だ。金銀テープが飛び交うなか、みんな一斉にケータイを取り出す。タオルの準備もあるから大忙し。小さなタオルの渦が嵐を巻き起こし、会場全体が音の波に乗る生きもののよう。そしてなんとナオトがステージをおりて客席へ!カラフルなボールを2階席まで飛ばしてくれる。「やなこと全部吐き出せ~!全部受け止めてやるよ!」そのままの熱量で新曲『この指とまれ』へ。今年6月にデジタル配信された力強いロックチューンで、観客も人差し指を突き上げる。
ナオトがステージから去っても胸の鼓動はファンキーなビートを刻みつけたまま。もちろん「ナオト・インティライミ!」とお馴染みのアンコールが沸き起こる。「いいライブは二次元で終わるのではなく、言葉や熱やメッセージとかが飛び出してきて、客席に響き刺さるようなライブ」。以前いいライブの条件とは?という問いにこう答えてくれたナオト。大きく頷けるのは、彼のライブではまさに別次元に連れていかれるから。単に音楽を聴くだけでなく、会場の一体感や没入感、その一方、何千人、何万人キャパであってもまるで「私とあなた」だけの空間にさせてくれるような深いつながりを感じさせる。
声援とともにアンコールに応えるナオト。今日のおさらいをするようにまさかの全曲振り返り。『The World is ours!』から始まった数時間前の興奮が甦ってきて、尊さが倍増する。途中でちょこちょこ『Woven City』が出てきて笑わせるのもご愛嬌。ラストはライブでもすっかり定番となった『LIFE』。これまでにもさまざまなアレンジでこの曲を聴いているが、聴くごとに曲の持つポテンシャル、優しさに勇気をもらえ、日々の葛藤や迷いに寄り添う歌詞が胸の奥深くに浸透していく。「出し切った。出せるものは全部ここに置いてきた。ファイナルありがとう!」終わってしまう淋しさをかき消すように、来年の全国ツアー、12月にリリースされるアルバム、それを引っ提げてのコンセプトライブを発表してくれた。名残惜しく何度も手を振り返し合うナオトとファン・ティライミ。会場をあとにしてからも、まぶたにはハットをかぶったエンターティナーが焼きついている。その存在が静かに満ちていく。だから帰り道も淋しくない。
ライブ写真:森好弘
ライブレポート:深見恵美子
□ SET LIST
01. The World is ours!
02. Hare-Hare Parade
03. サマータイム マジック
04.ハチャメチャ
05. 夢花火
06. ブエナ ヘンテ~愛しい君へ~
07. 恋する季節
08. Hello
09. Woven City
10. オモワクドオリ
11. Funky Music
12. Catch the moment
13. Tokio Sake Bomb
14. おまかせピーターパン
15. Ole!
16. カーニバる?
17. この指とまれ
<アンコール>
01. LIFE
■ ナオト・インティライミ Official HP
http://www.nananaoto.com/