「LOVE＆PEACEって具体的に何？」高橋優が伝えようとしたこと。アルバム『ReLOVE ＆ RePEACE』インタビュー

ー かなり低音から入っていますしね。

そうそう。かなり低いところから入ってかなり高音へ持っていくので、勿論大切に歌ってはいるけど手の内をバラすと音程をしっかり当てにいかないとすぐ揺らいじゃうというか、低い声で歌うのも高い声で歌うの難しいから、音程をしっかり噛みしめるように歌っているのは事実かもしれませんね（笑）。


ー でもそこも含め、やっぱりこの曲は良いですよ。

ありがとうございます。この曲を書き出した時って……まぁ誰ということはあえて言わないけど、いつも一緒にいたいと思っていたのに突然の別れによってなかなか一緒にいられなくなる状況があって。でも何かまだすぐ近くにいるような気がしていることや、果たせなかった約束とかを考えさせられることがここ何年間で結構何回もあったんですよ、僕。


ー そうだったんだ……。

もうこの世にいないと言ってしまえばそれまでだけど、それこそ＜FOREVER＞という言葉にせよ＜愛＞という言葉にせよ、それが漠然としていてもみんなそこを見つめようとするじゃないですか。僕は＜人＞もそうだと思っていて、会っていればその人のことが分かったような気持ちになるけど本当はそんなことなくて。だから逆に言えば、会えなくてもその人のことを想うことは自由。僕ってすごく婆ちゃん子だったんです。一度婆ちゃんのことを車で温泉に連れて行ったことがあったんですが、免許取りたてのマジでジェットコースターみたいな運転しちゃって、さすがに婆ちゃんも怖かったんじゃないかと思うんですよ（苦笑）。でも、「優の車に乗って良かった。」って言ってくれたのをずっと覚えていて。今はドライブがすごく好きになって東京都内の道を一人でよく運転してるけど、思い出すのはまだ下手くそな運転だったけど婆ちゃんを乗せた時のことなんですよね。もし今、婆ちゃんを乗せたらどう思うかなとか、今の僕を見たら何て言うかなってずっと考えるんですよね。20代の頃に経験した身近な人の別れってその婆ちゃんしかいなかったけど、年齢を重ねるとどんどん増えるじゃないですか。


ー 否が応でも増えるね。

勿論悲しいけど、婆ちゃんみたく自分よりずっと年上の人ならそれなりに覚悟が出来るというか。でも年齢が自分より全然年下だったりちょっと年上とか同世代とか、そういうまだ暫く関係が続くと思っていた人に突然会えなくなった時、その続きを勝手に思い描いちゃうことがあるんですよ。それは僕が勝手に思い描いてるのか、“たまには思い出してね”と言われて思い出しているのか分からないけど。ふっと風が吹いた時に誰かのことを思い浮かべることは科学的に言えば全部偶然で全部勝手に一人で考えていることかもしれないけど、何っていうのかな……想いの部分で繋がっているんじゃないかなと考えることがあって。そこから＜私を忘れないで＞という勿忘草の花言葉も含めて曲にしました。


ー 私なりにだけどすごくわかる部分が多いです。お婆さんとの車の話が出ましたがドライブソングとしても楽しめそうな「I LIVE YOU」は“ライフ目黒大橋店”とかリアルな場所が出てきて音と共に風景がぶわっと沸いてきました。こういう車のシチュエーションも珍しいですよね。

まさに！昨年からめちゃくちゃドライブするようになって、最近の一番の憩いの時間になっています。車の中で秋田のシンガーの友川カズキさんの曲を聴きながら。


ー 友川さんのCD持ってるよ。

あ、本当ですか！？結構すごい世界観じゃないですか（笑）。「死にぞこないの唄」とか僕、大好きなんすけどね。


ー いや、良い曲だけど……あの曲を聴きながら憩いの時間？（笑）

そう。大好き（笑）。あとは最近懐メロブームが自分の中で到来していてMAXの「Give me a Shake」とか聴いていますよ。


ー 振り幅！（笑）今回は何故こういう曲を？

僕の曲って半径1メートル以内とか1.5メートル以内のことを歌にしているってデビュー当初から結構言われてきたんですよ。最近もラジオで言われたし。言ってしまえば車内からの視点も狭い範囲だけど（笑）、自分からかけ離れているものを書くことも試みようとは思ったんです。車でどんどん進んで範囲が広がっていく感じ。


ー 曲としては主人公が特定の大切な人に向けた歌詞ですが、でもツアーでみんなの元へ行くよって言っている気もして。

まさにそんな曲にしたいと思ったんです！


ー 12月から、このアルバムを携えたツアー【高橋優 LIVE TOUR 2022-2023「ReLOVE ＆ RePEACE ～ReUNION】がスタートしますが、の曲だけでなくアルバムの曲を生で早く聴きたいです！

パズルを組み立てるような新しい歌詞の作り方に挑戦し、レコーディングでは色々な楽器も用いたこのアルバムを、僕も早くみんなに生で聴いてもらいたいたいです。ツアータイトルの「ReUNION」は＜再会＞を意味しています。3年ぶりに開催出来た【秋田CARAVAN MUSIC FES】ではみんなが僕の故郷に来てくれました。だからツアーでは「I LIVE YOU」のように、出来るだけ僕がみんなの待っている街に出向いて、そこでいつかの楽しい続きが出来るような再会を果たしたいです。


ー ありがとうございました。


インタビュアー：秋山雅美（@ps_masayan）


■ 高橋 優 オフィシャルサイト
https://www.takahashiyu.com/

■ ワーナーミュージック・ジャパン HP
https://wmg.jp/artist/takahashiyu/