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勘の良いガキが嫌い?SNS時代の匿名コメントに一石を投じた海蔵亮太「サイコパスのうた」。果たして彼は本当にサイコパスなのか?!

勘の良いガキが嫌い?SNS時代の匿名コメントに一石を投じた海蔵亮太「サイコパスのうた」。果たして彼は本当にサイコパスなのか?!

June 4, 2021 19:00

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ネットカルチャー発の次世代アーティストが話題となる昨今、YouTubeのコメントから曲が生まれたところでさして驚きはしないだろう。が、しかし、それをやってのけたのが海蔵亮太というから、これは驚かずには居られない。認知症をテーマに、家族の愛を歌った「愛のカタチ」で『第61回 輝く!日本レコード大賞』新人賞を受賞し、大女優・大竹しのぶ氏と、長年連れ添った夫婦の物語「ありがとうって気づいていてね」をデュエットしたりと、王道的なテーマの楽曲をその類まれな歌唱力で届けてきた海蔵が5月19日に配信リリースした「サイコパスのうた」。ことの発端は、海蔵が歌った映像を、とあるYouTubeチャンネルがアップし、そのコメント欄に次々書かれた「海蔵亮太って◯◯っぽい」というコメント。それに対してTikTokでアンサーソングのように歌ったものがバズり、リリースとなった。海蔵はコメントに書かれたことをどう思ったのだろうか?その楽曲で言いたいことは?海蔵亮太は本当にサイコパスなのか?そんな部分を今回は伺ってみた。


ー すでに配信リリースされている「サイコパスのうた」ですが、リリックビデオもかなり反響ありますね。

ありがとうございます。結構な人数から開口一番「形にしたんだ…。」って言われることが多かったです(笑)。TikTokに動画をあげた時は反応もそこまでじゃなかったんですが、そこから作品として実際に形とした時「出したんだ。やるなぁ。」という感じでしたね。


ー 冒頭の「PSY PSY PSY PSY PSYCHO-PATH」が頭から離れないんですけど(笑)。でもまた聴きたくなる中毒性があるというか。

やった!この曲は聴きすぎ注意ですね(笑)。


ー そうかも(笑)。この曲は、とあるYou Tube動画に海蔵さんが歌った動画が上がり、そのコメント欄がきっかけで出来た曲なんですよね。私も実際に観ましたけど。

そうなんです。大喜利みたいな形で賑わっていったコメント欄の<偏見コメント>から出来た曲ですね。


ー そのコメントを見て曲を作ろうと思ったんですか?

いえ、曲を作ろうと思った時に、初めてそのコメントを見たんです。あの動画が上がったのが1年前くらい前なので、実際にコメントがどんどん増えていく途中は見ていなくて。ただ僕の周りの人たちが逆に知っていて、色々な人から「アレについてどう思う?」って言われてから「え?なになに?」と思って見るようになったんです。


ー なるほど。でも珍しいですよね。実際のコメントを交えた曲って。

そのことについてどう思うか、かなり周囲から聞かれたので「こう思っています」と一人ひとりに説明するのがちょっと面倒くさいなと思って(笑)。


ー まぁ確かにね(笑)。

「それなら曲で言いたいことを書いちゃえ!」という流れで曲にしたんです。


ー コメント欄を観た時、どんな感情が沸いてきましたか?

何とも言えない、言葉に形容しがたい感情が最初に出てきたのを覚えてますね。嬉しくもないし、悲しくもないし、怒りでもない……みたいな。だから最初は“なんと言えば良いんだろう、この気持は…?”って、モヤモヤしました。ああいうムーブメントが起きている中で、結局自分はどうしたいんだろうって分からなかったのがモヤモヤの原因なんですよね、きっと。だから歌詞として「勝手にどうぞ」という言葉で締めくくることが出来たことでモヤモヤを上手いこと昇華出来たなと思っています。


ー「勝手にどうぞ」は聴いていてもスッキリしました。

僕もなんです!勿論僕のことを気にしてくれているからこそなんですが、自分のことじゃないのに、なんでみんながこんなに気にして僕に「あれどう思った?」って聞いてくるんだろうというモヤモヤが、あのワードが出てきたことでパーッと吹っ切れたというかスッキリしたんです。


ー 今作は織田智朗さんと共作で作詞作曲を担当。作詞は以前やはり共作で作られていますが、作曲は初めてですよね?

はい、初です!僕自身音楽の知識が全然ないので、自分ひとりでいちから作曲をすることは無理だったし、面白がって一緒に作ってくれる人がいた方が良いような気がしていたんです。


ー 織田さんなら楽しんで作れそうだと。

そうですね。会ってお話した時にすごく波長が合うというか。僕はフワフワしている人間なんですが、織田くんも結構フワフワしていて(笑)。どうせ一緒に曲を作るなら同じリズムというか価値観を持っている人と作った方が面白いかなと思って、僕からオファーさせていただきました。


ー 共作とはいえ、初めての作曲。大変じゃなかったですか?

これが案外大変ではなかったんですよ。自分としては文化祭の為に即席で作ったバンドで曲も作ろう!みたいな感じがあって楽しい方に気持ちが向いていました。どういうイメージのサウンドにしようか話し合うのも、高校生が放課後にひたすら喋っている感じだったし(笑)。


ー ジャジーなサウンドは格好良いし、やっぱりああいう雰囲気の曲って海蔵さんに合っている気がします。

ありがとうございます!僕もああいう感じの曲がすごく好きなので、「折角ならこういう曲調に<サイコパス>っていうワードがあるのってオモロイんじゃない?」って、どうすれば面白くなるかばっかり考えていましたね(笑)。


ー アハハ!その発想が面白い。TikTokでこの曲を歌った映像もかなりバズっていたし。写真とかテロップの出し方はやっぱり上手ですよね。

いやもう、学生の悪ノリみたいな感じでちょっと反省してます(笑)。でもあのコメントに書いた人たちも、きっとそれくらいのテンションだったと思うんですよ。決して重い気持ちで打っているわけじゃなくて「こんな感じじゃね?面白くない?このワード」っていうくらいの。


ー 得てしてそういうものかもしれないですよね。

それに対してこっちが重々しい捉え方をするのも、ちょっと温度感が違うかなと思ったんです。


ー 確かに喧嘩売ったり病みすぎるのも違う気が…。

そうなんです。そういうところで折り合いを付けたいわけではなくて、「そう来たならこう行っちゃうよ。そうした方がお互い楽しいよね。」という感じ。自分もそうだけど、結局誰かに「面白い!」って思ってもらえたり、イイねボタンを押して欲しいからコメントを書いているところってあるじゃないですか。


ー そうですね。

多分笑いたいからコメントしたり、笑いたいからああいうコメントを見ている人が多いと思ったので、曲も笑えるものの方が良いかなと(笑)。


ー 曲調は格好良いのに笑えるって、やっぱり面白いなぁ。

そうそう。逆にこんなに真剣に音を作っているのがオモロイ(笑)。


ー 歌詞に「“勘の良いガキが嫌い”だなんて見た目で判断されちゃって」とありますが、元々海蔵さん自身が勘の良い子どもだったのでは?

どうでしょうね。自分ではわからないけど、兄や姉が怒られてきたのを見てきたからこそ自分は事なかれ主義というか、末っ子だからこその要領の良さはたしかにあったかも(笑)。


ー <オモロイ>がひとつテーマにはあったと思いますが、愛の意味や生きることを問うた後に「一体君は誰なんだい?」と言う歌詞や、“人目気にしてばかり生きていちゃ「自分」ってなんなんだい?”という部分は特にSNS時代を描いているなと感じました。

SNSって匿名だからこそ気兼ねなくみんなで情報を共有したり言いたいことを言える利点もあるんですが、それって結構諸刃の剣じゃないですか。ワイワイ言われているけど、結局誰だ?っていう(笑)。そんな気持ちを込めて書きました。それと、人目を気にすることって勿論大切ではあると思うんです。でも気にしすぎなのかなと…特に若い方たちは変に気にしすぎちゃっているのかなと個人的に思うこともあります。SNSではない、自分がリアルに知っている人たちとあの大喜利について話していくうちに、結局誰か分からない人のコメントに気を病んでいても自分の時間が少なくなっちゃうし、勿体ないと思ったんです。考えること自体が不正解というか。勿論色々考えて答えを出すのも一つの正解だと思うんですが、今回は色々考えた結果、「分からなかった」という答えを出した気がします。自分なりに。


ー それもひとつの立派な正解だし。

そうなんですよ。これもひとつの答えなんだろうなってすごく思えました。

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