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高橋優、15thシングル「光の破片」インタビュー

高橋優、15thシングル「光の破片」インタビュー

August 29, 2016 12:00

高橋優

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3月には初の桜ソング『さくらのうた』、6月には初のウエディングソング『産まれた理由(わけ)』をリリースした高橋優。新しいことに挑戦しながら、ぶれることのない彼の音楽はドラマや映画制作の現場でも指示されてきた。そんな高橋のニューシングル『光の破片』(8月31日リリース)のタイトル曲は、TVアニメ『orange』のオープニングテーマして書き下ろされた。原作者「高野苺」さんからのリクエストでもあったこの曲は、キラキラ光る風景、いびつでも欠けていても集まると輝く美しさと、その人間模様が『orange』の世界観を絶妙に映している。今回は6月にリリースしたシングル『産まれた理由(わけ)』についても伺いつつ、今作のc/wも含め色々と伺ってみた。


ー 今シングル『光の破片』の前に、6月にリリースしたシングル『産まれた理由(わけ)』についても少し教えてください。この曲はずっと優くんがデビュー前から優くんと歩んで、その後も担当をしているスタッフさんの結婚がきっかけで生まれたんですよね。

PAさんなんです。PAって、お客さんが聴く音を調整する外音のPAと、僕らが聴く中音のPAという2種類あるじゃないですか。


ー ええ。

その、中音のPAを担当してくれていた人なんです。年齢は僕より少し下なんだけど、2011年から全国ツアーを回らせて頂くようになって、ライヴハウスツアー、ホールツアーとやっていく中で、一生懸命に僕の音響を作ってくれて、いつも本当にお世話になっている人なんです。こういう活動をしていると個人的な友達と騒いでお酒を呑む機会より、ライヴチームといる機会の方が多くて。


ー 確かにそうかも。

打ち上げで色々と語らったり、勢いでボーリング行ったりゲームセンターに行ったりしながら、ライヴの後を楽しむんです。何なら小学校時代の同級生とかよりも密に仲良かったし(笑)。


ー いいね!

だからその人が結婚することを知ってすごく嬉しかったんですよ!「やったー!」って。それで「おめでとう」に変わる言葉はないかなと考えていた時に、ひとつのきっかけとして、これなら今まで書いたことのない曲、ウエディングソングを書けるかもしれないと思ったんです。それで“産まれた理由(わけ)”を作りました。


ー 初めてのウエディングソング、書いてみてどうでしたか?

いざ書いてみると自分の想いも相まってきて。


ー 自分の想い?

こういうご時世にこういうことを言われていて欲しいなって。ともすると僕の歌って、“こどものうた”みたいな世界もあるじゃないですか。学校の先生からセクハラされたり、DVが尽きない家庭があったり。


ー ええ。

それらは現実に起こっていることだし、逆に子供が親を殺めることもある。こういうご時世の中で、普通にお父さんやお母さんに「自分が産まれるきっかけを教えて?」という話をしているような微笑ましい会話がされることって良いなと思って。自分のスタッフもそうだけど、これから結婚する人たちの間に子供が産まれた時、こういう景色が広がれば良いなと思ったんです。だからそういう気持ちを込めてこの曲は書きました。


ー 確かにこのご時世、家族=幸せではないから。今、優くんの話にもあった曲の冒頭、両親へ結婚を決意したきっかけや自分が産まれることが分かった瞬間の気持ちを問う部分は実際、優くんのご両親に聞いてみたりしたの?

絶対聞けない!気持ち悪い!


ー 気持ち悪いって!酷い息子だなぁ(笑)。

アハハハハ。だって自分のお父さんとお母さんが好きあって付き合った話って、リアルすぎて(笑)。


ー まぁ確かに(笑)。

ただ知れたら微笑ましいですけどね。例えばお父さんとお母さんがデートした昔の写真が出てくるとか。そういうのは実際あったんですよ。


ー というと?

うちの親が結婚40周年で、姉二人と僕とで何か結婚記念日祝いをしようという話になって、アルバムを作ることにしたんです。僕らが一緒に写っている家族旅行の写真もあるけど、折角の結婚記念日だから二人の若かりし頃の写真を選ぼうって、家の奥から沢山の写真を引っ張り出して。それをプリントアウトしてアルバムにしてもらったんだけど、その時、いつか分からないけどまだ僕らが産まれる前、どこかの階段で母親が座っていて、親父が後ろから母親の肩に手を添えて写っている写真があったんです。


ー ラブラブじゃん!

そう、ラブラブじゃんって思った(笑)。それを見た時は微笑ましいというか、親父とお袋も、今でこそ六十歳過ぎて僕らにとっては“お父さん”と“お母さん”だけど、当然こういう時代もあったわけで。そういう意味ではいい写真だなと思いました。


ー うんうん。

でも今こうやって話しながら思い出したんだけど、結婚記念日でアルバムを作ったのと、“産まれた理由(わけ)”を書いた気持ちはかなりリンクしていますね。写真を探すあの作業がなかったら、“産まれた理由(わけ)”という発想にもならなかったかもしれません。


ー それは大きなことかもしれない。そういえばミュージックビデオ(以下:MV)の制作では、“あなたにとっての人生の名場面~結婚編~大募集”と題して写真を一般募集して2000通を超える応募写真の中から、優くんとMV監督の池田晶紀氏がセレクト。更に実際、京都・大阪・沖縄で結婚式にサプライズで登場したりしたじゃないですか。

はい。


ー そういう様々な人の人生の岐路となる「結婚」という場面を見たり体験して、どういう感情が一番強く沸き上がりました?

哀愁。


ー 哀愁?

娘を手放すお父さんの哀愁。


ー なるほど、そっちね。

僕自身独身なので偉そうなことは言えないけど、うちは姉二人が結婚しているので、姉の結婚式を自分目線で見ると、親父がやっぱり寂しそうだったんですよ。自分が一生懸命育てた娘だし。

 

Information

Release

高橋優
「光の破片」

2016年8月31日発売

-収録曲-

1. 光の破片(MXTVアニメ『orange』オープニングテーマ)
2. TOKYO DREAM
3. 誰かの望みが叶うころ
4, 視力検査 / メガネツインズ(高橋 優&亀田誠治)

光の破片

通常盤(CD)

WPCL-12418 / 1,200円(税抜)

光の破片

期間生産限定盤(CD+DVD)

WPZL-31208 / 2,000円(税抜)