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松室政哉、1st Album「シティ・ライツ」インタビュー

松室政哉、1st Album「シティ・ライツ」インタビュー

October 30, 2018 19:30

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ー 後から思い出すと他愛ないことでも、青春として残っていることはあるし。

そうなんです。でも学校に入ったのは久しぶりだったな。普通の生活では、もうなかなか入ることはないし、リアルに10代の子たちも出てくれて楽しかったです。


ー「女子高生ミスコン2017-2018」でグランプリを受賞した“めいめい”こと、福田愛依さんも出演されたんですよね。

はい。出てもらいました。


ー 福田さん始め、下関の学生とは喋ったりしました?

待ち時間もあったから結構喋りましたよ。


ー どんな話を?

どういう音楽を聴いているかとか。でも幅広いですね。僕らの頃はみんな同じ音楽を聴いていることが多かったですが、今はそれぞれ聴いている音楽が全然違って面白かったです。


ー それと先程タイトルの話で出た“群像どらまちっく”は、クビになった野球選手のドキュメントが怖くてチャンネルを変えたというところが妙にリアルだなと思ったんですが。

たまにやるじゃないですか。契約を切られた野球選手の挑戦や苦悩のドキュメンタリー番組。あえて観ようと思っているわけじゃないんだけど、やっていると何か観ちゃうんですよ。歌詞を書いている時、ふとそれを思い出したんです。他のドキュメンタリー番組やお昼のニュースでも良いんですが、やっぱりそこには色々な人のドラマが描かれているじゃないですか。


ー ええ。

それが自分とは全然違う世界に生きる人だったとしても、「自分ならどんな風に思うんやろう?」って感情移入することがよくあるんです。今回この曲の歌詞に書いた野球選手もそのひとつなんです。 家族もいてこれからの生活もあるのに、自分がずっとやってきたことを絶たれるって考えるとおっかないじゃないですか。


ー 深く想像して感情移入すればするほど、怖くなってくるね。

そうそう。でも世の中にはそうやって自分とは違う世界で悲喜交々あるんだなって。


ー このアルバムにはタイトルナンバーがないけれど、この曲がまさにそれにあたる曲な気がします。

そうですね。この曲がそういう風になれば良いかなと思って、最後のサビでもこっそりそういうことを入れました。


ー なるほど。

映画でもそうですが、タイトルになるような一番大切な言葉って、主役は言わないんですよね。


ー そうなのかな。

ちょっと出てきた脇役がボソッと言って去っていくみたいな描き方が多くて。


ー それで主役が核心的なことに気づく!

そうそうそう!主役は決して核心をつくことやタイトルに繋がることは言わないんです。そんな格好良すぎることないですもん。


ー それじゃあtoo muchになってしまう。

確実にtoo muchだと思います。だから決してこの曲が全てを表しているわけではないですが、大切なことをボソッという脇役みたいな存在になれば面白いと思ったんです。しかもそれがこのアルバムの仲で一番ミニマムな曲で。


ー それは確かに面白い。今回メジャー1stアルバムということで、なにか意識する点はありましたか?

逆にそこを意識しすぎるとベタなものになる気がしていたので、あまり意識しすぎないようにしようと考えていました。勿論1stアルバムって人生で一枚しかない大切なものだけど、その時点で出来ることをするという考え方じゃないと駄目かなとも思ったし。デビュー曲の“毎秒、君に恋してる”も、恋した瞬間だけを切り取ったような曲じゃなですか。


ー ええ。

そういう曲をデビュー曲として出せたということも僕としては良かったんですね。その瞬間その瞬間で表現出来ることを出していく方が、今後も色々な可能性を秘めている気がしています。「これがファーストアルバムになるんだって意識しすぎると、盲目的に入り込みすぎて客観性を失いそうになるから。特に僕の場合は(笑)。


ー 実際するしないは別として、松室くんが今作でMVにしたい曲は?

なんだろう。でもどの曲も頭の中に映像が浮かんでいるんですよ。例えば“アイエトワエ ”であれば、明確なストーリーがなかったとしても、抽象的で美しい映像が流れているだけでも素敵だろうし、“Matenro”であれば夜の首都高速がまず頭に浮かんだし。


ー 確かに歌を聴くと、まるでMVのように勝手に映像が浮かんできますよね。では松室くん自身がこのアルバムの中で気に入っている曲は?

気に入っているっていうこととは違うかもしれませんが、結果作ってみて思ったのは“息衝く”。さっきもお話ししたように、このアルバムは様々な人間模様を僕の視点で描いたらどうなるかを作品にしています。ただ、“息衝く”に関しては、僕が大阪から上京した時のことを書いたパーソナルな曲なので、アルバムを締めくくる曲が結果的に自分の物語になったな…と、思うことはあります。


ー この曲が音源化されたというのは1ファンとしても嬉しいし、アルバムエンディングとしてもふさわしい曲だと思いました。

ありがとうございます!この “息衝く”は小説の<あとがき>みたいな感じかもしれないです。


ー あとがき?

それまでフィクションだった世界から、いきなり作者本人として書かれるじゃないですか。実際、一番僕のパーソナルな部分が出ている曲だし。それに映画でいえばエンドロール。エンドロールで初めて役名とそれを演じた役者本人の名前が出てくるし、監督含め、このストーリーを作った人たちの名前も出てくる。“息衝く”に至るまでの映画がある感じ。そういう意味ではMVの話に繋がるけど、最後に “息衝く”のMVが流れるのって面白いかもしれませんね。


ー それ、面白い!是非松室政哉監督で撮ってほしい!

いいですね(笑)。

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