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CRAZY KEN BAND、デビュー20周年記念オリジナルアルバム「GOING TO A GO-GO」インタビュー

CRAZY KEN BAND、デビュー20周年記念オリジナルアルバム「GOING TO A GO-GO」インタビュー

August 1, 2018 21:00

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ー ハマっ子でありながら江戸っ子のような心意気ですね。

そうそう(笑)。今、スパークするものをやる心意気の方が、その2、3年後は辛いけど20年くらい経てばレア・グルーヴになるから(笑)。


ー ではアルバムの曲についてもお伺いしたいのですが、“ZZ”は爽快なメロディも素敵ですが、ZZとはおじいちゃんを表す言葉で良いんですよね?

そうです。ZZ=ジジイです。今、格好良い70代って沢山いるから面白いですよね。生沢徹さんというレジェンドドライバーがいるんですが、先日も僕も参加した耐久レース「Festival of SIDEWAY TROPHY」で未だに優勝しちゃうんですよ!考え方も今のセンスだし、加山雄三さんは通信ゲームで世界的レベルの成績を出すし、本当に凄いですよね。そういうスーパーZZが沢山いるから、自分も夢は格好良いZZ。歳を重ねることをポジティブに捉える。ポルシェが本当に似合うのってZZだと思うんですよ。


ー ハーレーダビッドソンとかもそうですよね。

そうそうそう!ハゲオヤジがまた合う!うちは父親もおじいちゃんも禿げていたから自分もそうなるかと若い時はすごく気にしたけど、今は全然気にならない。


ー 案外禿げているのがセクシーだったりしますし。

でしょ。イタリア人のハゲ親父なんか最高にカッコイイですからね。


ー 助手席に乗せたいと妄想するSexy Girlは、BBA(ババア)に変わって(笑)。Sweet Soul MusicがMy Sweet Wifeになる歌詞も素敵です。

雑誌には金持ちのハゲオヤジがモデルの若い女の子を助手席に侍らせている姿が載っている。でも、現実の助手席はBBA(笑)。でもそれも良いじゃないかってね。まあMy Sweet Wifeと書いたのは、添い遂げるという意味もありますが。


ー ロマンチックですね。それとラテンなリズムの“GARDEN”は、パーティーシーンの描き方が個人的にも好きで。

元カレ、元カノ、元なんとか!


ー そうそう(笑)。 この曲は、「デルモンテ リコピンリッチ トマトケチャップのCMソングですね。

はい。決定的瞬間の前にコマーシャルが入ることって良くあるじゃないですか。


ー ええ。

それでCMに入ったらデルモンテ リコピンリッチ トマトケチャップのCMが流れているかのようにCMで使った部分をそのまま貼ってサンプリングしました。


ー だからワードが最後に凝縮されているんですね!

そういうことです。


ー でもその最後の部分でブルースに変わって、エンディングのギターも格好良いですよね。痺れました!

ありがとうございます!あの部分は僕の大好きなThe Metersというバンドのムードを入れたかったんです。


ー 今回はNHK「あさイチ」金曜エンタメテーマ曲の“オハヨウゴザイマス”など書き下ろし曲も多いですね。

そうですね。この曲は「あさイチ」の生放送中、即興で鍵盤を弾いて出来た曲をベースにしています。


ー 横山さんが書き下ろしで大切にするのはどういう点でしょうか?

作為よりも天然。作るのではなく出す!これが一番大切にしている点です。作為があるとどうしてもあざとさだけがハナについたり、自分でもいやんなっちゃうんですよね。


ー でも作ると出すのは確かに似ているようで全然違いますね。

そうなんです。


ー『香港的士- Hong Kong Taxi -』の時には、“欧陽菲菲”というタイトルの曲もありましたが、“LOCOMOCO”は冒頭でハワイ出身力士の名前が出てきて、思わずそれだけで耳に止まります。

そうですよね(笑)。ハワイのISRAEL KAMAKAWIWO'OLEというシンガーの曲に“天国から雷”という曲があって。「AKEBONO,MUSASHIMARU and KONISHIKI~」っていう…。


ー ああ、わかりました!

でもそのことは全然忘れていて「KONISHIKI MUSASHIMARU AKEBONO~♪」と出てきたんですけどね。この曲はハワイと日本の関係性で結びつくものがないか考えたんですが、ハワイには山口県や広島県を主に移住した人たちが沢山いて、本牧からも結構行っている人がいるんです。横浜村と言って良いほどハワイで横浜の人とよく会うし。


ー それは知らなかったです。

戦前の横浜で生まれた人たちが60年前くらいにハワイに来て、その人たちと話をすると景色が全部60年前だから「あそこに◯◯があったでしょ。」って言われるけど、生まれていないから分からないんです(笑)。そういうタイムトリップする感じは面白いです。あと日本人、日系人街のキングストリートにジャパニーズレストランがあって、きんぴらごぼうとかがすべてローマ字で書かれているんです。その雰囲気が頭の中にずっと残っていて、いつか楽曲にしたいなと思っていたのが「KONISHIKI~♪」のメロディと結びついて出来ました。実際は違うんですが、この曲ではそのジャパニーズレストランの壁いっぱいに力士の写真が貼ってあるイメージで曲にしました。それとロコモコはどんぶりだしレンゲで食べる、でもハンバーグというミスマッチ感がハワイらしいからタイトルにぴったりだと思ったんです。


ー ハワイだけどウクレレではなくイントロが尺八というのもたまらないです。

西洋の人が描く間違ったオリエンタルみたいな感じ(笑)。


ー でも村岡実さん的な感じもしつつ。

ああ、村岡実さんね!そうそう。そういう感じもありますね。何か音的なショックを入れたかったんです。あとは太平洋戦争での日系の方の複雑な立ち位置。戦争の話になるとおばあちゃんが黙っちゃうみたいなこともひっそりと書き入れようと思いました。歌詞にもあるNanakuliは小錦さんの出身地なんだけど、オアフの中でも夕日がとても綺麗。だけど昔は貧しい町で治安もあまり良くなかったんです。Nanakuliは確か、貧しいから誰が来ても何も出してあげられなくて耳を塞いで知らないふりをするというような意味を持っていたと訊きました。


ー ちょっと悲しい意味を持つ町の名前ですね。

そうなんです。能天気な曲調ではありますが、そこに色々な背景も差し込んでみたという。


ー “せつ子”はもう、「ナオミ」というワードが出る前にヘドバとダビデが浮かびました(笑)。リアルタイムではないんですが、 “ナオミの夢“が大好きで。

そうなんですか!


ー ティンパニの音もしっかり入っていますし。

“ナオミの夢”と言えばティンパニですからね。以前、宮藤官九郎さんと共演した時に、宮藤さんが“タイガー&ドラゴン”のギターを弾いてくれたんです。その時、CKBに“ナオミの夢” カバーして欲しいと言われ、この間演ったんです。でも“せつ子”を作っている最中は“ナオミの夢”のことを忘れていましたね。ただ後半のアレンジを考えている時にふとテインパニーの音を閃いたので、「あ、そういえば」と思い出して、せつ子という名前なんだけど、昔はナオミという名前だったということにしちゃえと、その場の思いつきでどんどん変わっていきました。


ー 面白いですね!ちなみにミックスでわざと同じ音を使ったりするんですか?というのも、“LOCOMOCO”と“せつ子”の最初のドラムが同一のものに感じたので。

自分でも同じだと勘違いするほどですが、実は別のテイクだったんです。アナログとハイテクを駆使してかなりハイブリッドな作り方をしているので。アナログを呼び込む為にハイテクを駆使する場合もあるし、もちろんその逆もある。欲しい音のためならそこは柔軟に何でもします。

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