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コアラモード.2ndアルバム
「COALAMODE.2~街風泥棒~」インタビュー

コアラモード.2ndアルバム
「COALAMODE.2~街風泥棒~」インタビュー

May 25, 2018 19:30

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ー それはキツイ!MVを観ている分には壮大な雪景色の中で、あんにゅさんの声が切なく響いて胸に突き刺さるけど、突き刺さっていたのは実は寒さだったんですね(笑)。

小幡:アハハ!確かに。でも結果的にあの雪景色の中で歌っている孤独感や「花、鳥、風、月 今も探しては空見上げる」という冒頭の歌詞の、探している感じがしっくり来る形になりました。

あんにゅ:チェコの話をしたらきりがないよね。エレベーターに閉じ込められたり。

小幡:あったね(笑)。


ー エレベーターに?

あんにゅ:ホテルのエレベーターに閉じ込められて最上階と再下階を行ったり来たりしながら「出して!出して!」って。

小幡:非常ボタンを押すけど、ブーブーって大きな音が鳴るだけ(笑)。

あんにゅ:飛行機の遅延でトランジットに間に合わなくなりそうになって、物凄い距離を荷物いっぱい持って走らされたこともありました。何かエピソードだらけです。


ー でもそんな色々な想い出が詰まったチェコの風景が2ndニューアルバム『COALAMODE.2~街風泥棒~』では、アーティスト写真だけでなくジャケット写真にもふんだんに用いられていますね。

あんにゅ:そうなんです。チェコの町並みでコアラの形になっていて素敵ですよね。『七色シンフォニー』の時からずっとお世話になっていてコアラモード.を知り尽くしているデザイナーの吉田直之さんに今回もデザインして頂きました。

小幡:吉田さんも一緒にチェコで寒い思いもしたんですが、大変なことをチーム全体で体験すると、一緒に戦った結束感がより生まれるんですよね。だからブックレットも素晴らしいデザインになっています。MV撮影もそうでしたが、みんなが同じ熱量で同じ方向を見ながら作った良いエネルギーが、制作からパッケージに至るまで詰まっています。


ー アルバムのことを伺う前に、あんにゅさんは角松敏生さんのアルバム『Breath From The Season 2018~Tribute to Tokyo Ensemble Lab~』で“A Night in New York”を角松さんとデュエットされましたね。

あんにゅ:そうなんです。角松さんのライヴに私達がおじゃまさせて頂いた時にお渡しした『大旋風』のCDを聴いてくださって。丁度 “A Night in New York”でデュエットする女性アーティストを探していたようで、私の声が合うのではないかとオファーして頂きました。私たちからすれば尊敬する角松さんとお話させて頂くだけで恐縮してしまうくらいなのにデュエットまでさせて頂いて、緊張したけど本当に嬉しかったです。

小幡:僕なんて、大学時代にコピーバンドで角松さんの曲をコピーしていたくらいだったんですよ。

あんにゅ:ただ最初は角松さんも私たちがどういうグループかも分からないので、正式オファーの前にスタジオに呼んで頂き、角松さんディレクションの下、歌ってみることがあったんです。


ー いかがでしたか?

あんにゅ:私は英詞の曲を殆ど歌ったことがないので自信がなかったんですが、発音もきちんと教えて頂きました。その他細かいピッチや発音、タイミングなどヴォーカリストの技術を指示してくださって、音楽って奥深いなぁって改めて思いました。特に歌。私、歌って自由に歌っていれば良いと思っていたんですが、歌もしっかり楽器なんだと勉強させて頂きました。最初は…怖い方かなと思っていたんですが、とても穏やかで、私の話も聞いてくださった上で歌へのアドバイスをして下さるんです。

小幡:丁寧なメールも頂いていたよね。

あんにゅ:「この曲はこういう歴史背景があるから、もう少し歌詞の意味を考えて悪女になりきってみたら?」とか、アイデアやアドバイスを色々と下さって。そのレコーディングの後に『COALAMODE.2~街風泥棒~』の歌録りが結構あったので、角松さんに教えて頂いたことを意識しながら歌いました。偶然ですが、角松さんとのレコーディングがあった翌日、私たちのラジオ番組でカヴァーをするコーナーがあったので、いきなり上手くなれたかもしれません(笑)。

小幡:角松さんのサウンドってグルーヴも物凄くタイトなんです。その中で技術的な部分を試されるということは、あんにゅにとってかなり成長に繋がることだったと思います。

あんにゅ:この経験は一生言えるくらい本当に有難かったです。小幡さんもスタジオに行きたかったでしょ。

小幡:そりゃそうだよ。でもアルバムの制作で缶詰だったので伺えなかったのは本当に残念でした。


ー では改めて『COALAMODE.2~街風泥棒~』の話へ。サブタイトルの「~街風泥棒~」というのが気になっているのですが。

あんにゅ:曲が殆ど決まっているのにタイトルが全然決まらなくて、レコーディング後にスタッフと下北沢の喫茶店で会議をしたんです。元々、このアルバムは風を感じるからというワードは入れたいとは話していたのですが、なかなかしっくりくるのがずっと見つからないでいたんです。いよいよちゃんと決めましょうってタイミングでした。色々と考えている時にふとお店の名前を見たら「花泥棒」(Voleur de Fleur 花泥棒)と書いてあったので「泥棒」というワードを入れてみたら、それまで納得しきれていなかったみんなも「それいいね」となって。このアルバムはどの曲を聴いても風を感じる。街の風をここに集めてきたようなイメージがあるから泥棒という言葉もぴったりかもしれないということで街風泥棒というタイトルが出来ました。


ー M1の“トライアゲイン”は、頑なな自分の心を溶かしてくれた「君」の存在がポイントになっていると思いますが、自分の変化を優しさと力強さが混在した歌詞で表現しているのも印象的でした。

小幡:世の中に存在する名曲は自分の内面との語りと自分以外の誰か、それをまた俯瞰で見ている別の描写のトライアングルが多い気がするんです。そこで僕もそういう立体的な歌詞が書きたいと思ったんです。そういう意味でも思うように歌詞を書けた曲ですね。それとイントロのギターが、スイッチが入ったようにというか、車のエンジンをかけたように一気にモードに入れる印象的なリフなので、この曲のレコーディングが終わった時に何となくみんなの中で「1曲目だね」と納得出来るものがありました。


ー 今、言われたイントロはヘッドホンで聴くと音をLRに振り分けているのが特に分かる出ているし、ベースやドラムのうねりも心地良いです。

小幡:ありがとうございます。特にグルーヴ部分は前作以上にこだわった部分なので、そう感じてくださるのは嬉しいですね。


ー 好きな人に全部合わせる乙女心全開の“恋愛定規”ですが、作詞作曲は小幡さんなんですよね。

小幡:はい。

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