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松室政哉、2nd EP「きっと愛は不公平」インタビュー

松室政哉、2nd EP「きっと愛は不公平」インタビュー

February 19, 2018 18:30

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ー 2年半の謎がようやく!

そうそう(笑)。歌は今回新たに録り直したんだけど、演奏は当時の音ですからね!


ー あの時、お二人が来て間もなく私は現場を失礼したので、レコーディングの様子は見ていないんですよ。

そうでしたね。やはり同世代で…とくに啓ちゃんはお互い中学生の頃から知っているから、時にはふざけ合いながら楽しくレコーディングしましたし、すごくスムーズだった気がします。


ー 会うのは久々?

啓ちゃんは年に一度会うくらいかな。コウキくんに関しては一緒に演奏するのは初めてだったけど、もちろんOKAMOTO’Sで何度もギターの音は聴いていたし、今回一緒にレコーディング出来て嬉しかったです。事前にデモは送っておいたんですが、それを踏襲して演奏してくれる場所もあればコウキくんなりのロックンロールなテイストを織り交ぜてくれるところもあって。特にBメロのフレーズに関しては僕だけじゃ絶対に思いつかなかったと思うし。あと鍵盤で磯貝サイモンさんに入ってもらったんです。サイモンさんとは大阪時代からずっと仲良くさせてもらっていて、ライヴでよくご一緒していたんですが、19歳とか20歳かな…。レコーディングをお願いしたのは初めてで。


ー そういう時はどういう話をするの?

「感慨深いね」って話をしていました。「知り合って10年くらい経つけど一緒にレコーディングするのは初めてなんだね」って。啓ちゃんともそんな話をしたな。やはり昔から知っている音楽仲間にレコーディングを協力してもらうのは感慨深いものです。


ー このレコーディング前日は、河村”カースケ"智康 さん(Dr)や種子田健 さん(Ba)をはじめベテラン勢がメインだったけど、翌日には同世代とレコーディングというのは、松室くん自身のテンションも違ったのでは?

それはありますね。あのレコーディング合宿は本当にすごい経験でした。様々なミュージシャンと一緒に音作りをしてめちゃくちゃ頭を使ったせいか、今迄痛くなかったところが痛くなったりしましたもん(笑)。


ー アハハ!でもそれだけ濃厚だったということだよね。

結局そこなんですよ。だからそういう空気感みたいなものは入っていると思います。


ー 歌詞の話をすると、<「最近、全然会えてないって」僕は言う>の部分の音の変化は、その歌詞の意味や存在を浮き彫りにして面白いですよね。

耳の近くで聴こえる感じ。そういうのはエンジニアの方が色々と試してくださるんですよ。この曲でエンジニアをお願いした、いまぜきくにひろさんには、歌詞のこの部分でこういう音の聴こえ方にして欲しいと僕からお願いしたわけではないけれど、それをきちんと感じ取ってくれて、気づいたら他とは違う聴こえ方になっている。いまぜきさんもあえて何も言わず、僕がどういうリアクションするか見ているんですよ(笑)。でもやっぱり面白いことをしてくださる!そうやって細かい部分部分でエンジニアさんが思いつく、エンジニアだからこその発想にすごく助けられていて。それって、歌詞をきちんと分かっていたり、この曲では何が言いたいのかを理解してくださるエンジニアさんじゃないと生まれない発想だと思うんです。勿論音を組み立てる上でのテクニックもあるんでしょうが、プラスアルファとして感情的なところを音で表現してくれるというのはさすがだと思うし、そういう発想を持っているエンジニアさんとこれからも一緒にお仕事をさせて頂きたいですね!


ー かなりエンジニアさんは大きな存在ですからね。それと続く歌詞の<手放せないアプリケーションで繋がっている>という部分は現代ならではだなと。会っていないのにアプリで繋がっていることで、相手を分かっていると思う本末転倒さというか。

そうそう。本末転倒なんだけど、僕らはその世界で生きている。多分今の10代って、物心ついた時にはTwitterもあるけど、僕らよりもっと上の世代は本当にすごく大人になってからSNSが生まれたじゃないですか。


ー そうだね。

僕は今28歳なんですが、僕らの世代って半々なんですよね。中学生頃まではそれこそガラケーでEメールを打っていたけど、更に多感な時期になってTwitterが生まれたので両方を知っているハイブリッドな世代な気がしていて。だから僕らの世代は、SNSやネット上のコミュニケーションの面白さも知っているけど、実際に顔を見ることの大切さも分かっているから「実際に会わなきゃ意味ないよ」とだけ言うつもりもないし。

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ー 確かに世代によって歌詞の捉え方がかなり違うかもしれない。

この曲ってそういう前提がありつつ、両方の面白さが分かっているからこそあえて時代や社会風刺として描くのではなく、何であろうが踊ろうよ!と言ってしまう。


ー 難しいことなんて考えないでってね。

そうそう。


ー “Jungle Pop”も、あのレコーディング合宿でしたっけ?

そうです。この曲もあの時のテンションがギュッと詰まっています!


ー この曲のようなサウンドって、最近のJ-POPでは珍しいよね。

歌謡ロックではないけれど、こういうテイストのロックって僕の中では結局サザン(サザン・オールスターズ)なんですよね。


ー 物凄く感じる!

誰かをリスペクトした桑田さんの曲を僕が真似しているみたいな(笑)。例えばブラスの武嶋聡さんに曲のイメージを伝えた時は「サザン・オールスターズみたいな感じで。」とお願いしましたし。でもそういうのって世代が変わることで違うフィルターは絶対にかかるから、その面白みはあると思うんです。


ー 若い世代が演る昭和感というか。

キャバレー感もありますよね。キャバレーって行ったことないけど(笑)。イメージとしてのキャバレー。


ー 十分出てる!桑田さんのMVに出てきそうなキャバレー。

そうそうそう!本当にギラギラしている感じ。


ー 個人的にもこの曲は大好きだし、ライヴでも良い味出すよね。

ありがとうございます!

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