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スキマスイッチ「全力少年 produced by 奥田民生」(11月30日発売)インタビュー

スキマスイッチ「全力少年 produced by 奥田民生」(11月30日発売)インタビュー

November 28, 2016 21:00

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ー オリジナルも好きだし曲は勿論知っているのに、初めて聴く曲のような、一目惚れならぬ一聴き惚れしました。

常田:それ嬉しいな。


ー イントロから表現が全く違いますよね。去年『LINE』のc/wとしてリリースしたオリジナルではドラムの力強さ、今回の“premium ver.”ではピアノの優しさが、卓弥さんの歌声とも結びついていてとても印象的でしたが、リアレンジで一番大切にした点はどういうところでしょう。

常田:今言っていただいたところに似ていて、詞曲を伝えることを大切に考えました。前回から手応えはあったんですが、もっとザクッと深く心に入らないかなと思っていたんです。だから過度な美化はしない。でもオーケストラで表現はしたかった。ただオーケストラを前面に打ち出したアプローチは3年前に十分やったので、そうではないオーケストラのアレンジを『スキマスイッチ 10th Anniversary“Symphonic Sound of SukimaSwitch"』から3年間ずっと考えていたんです。ストリングスだけならそれ以降も何曲かありますが、今回はピアノとオーケストラ…まぁフルオケとまではいきませんが、でもこういう形で表現しました。昔は「オーケストラやってます!」感は出したかったんです。


ー あえて?

常田:あえて。やってます感を出したかったし実際出ていたし。でも今回は詞曲を伝えることが目的でもあるので、その部分は抑えました。先ほど初めて聴く曲のように感じたと言われましたが、その点はエンジニアさんが変わったことも関係しているかもしれません。今回、普段は劇版を録るような大御所の方にお願いをしたのでストリングス録ることにかけては絶対だと思いますし、歌に対してもそう。そのまとめかたで印象が変わって聴こえたのかもしれませんね。


ー 新曲を聴けるのは勿論嬉しいけど、リアレンジの面白さはお二人から学びました。まぁ学んだといっても、私はリアレンジされたものを聴いて楽しんでいるだけなんですが(笑)。

大橋:そう言ってもらえると嬉しいです。色々な先輩がやってきたリアレンジがカッコいいと思ってきたので僕らも挑戦してみたいと思ったんですが、例えば音楽の楽しみ方のひとつとしてリアレンジというものがあり、それを知らない人に伝わったとしたら僕らとしては冥利に尽きるというか、やった甲斐はありますよね。ツアーの時もそういう意識で臨んでいるんです。オリジナルは完成形として作りましたけど、それを踏まえて「リアレンジバージョンも面白くないですか?」という提示ですね。勿論オリジナルの方が良いと言う人もいるでしょう。それは人それぞれの聴き方次第なので良いんですが、もしリアレンジで変化した点に興味を持ってもらったり、今回も「“ハナツ”はオーケストラにするとこんなに歌詞がより入ってくるんだな」と感じてもらった瞬間、僕らはニヤッとするわけです(笑)。

常田:多分自分たちでやっているから伝わりやすいのかもしれませんね。リアレンジのアルバムで高評価を受けている先輩方もいらっしゃいますし、色々な形で僕らよりすごいことをやっている人たちもいるけど、僕らは自分たちの手で自分たちの曲をリアレンジしているので、ひょっとしたらその伝わり方は少し違うのかもしれません。これは卓弥もよく言っていますが、ポール・マッカートニーのライヴを観に行った時、あの人が曲をちょっと変えてもやっぱり「THE BEATLES」のメンバーが変えているので、カバーでもコピーでもない、オリジナルの面白さがあるんですよね。「今日はこういう感じなんだ」って。同じことを違う人がやると「あ、カバーでこうしちゃったんですね」と、なりかねない。でも本人がやれば格好良かったりするじゃないですか。


ー ありますね。

常田:かつ変えすぎるとガッカリしちゃうこともあるので、常にそのギリギリのラインをいきたいと思っているんです。


ー そういうリアレンジの面白さも感じつつ、10月に東京と大阪で開催した【スキマスイッチCOVER LIVE“THE PLAYLIST”】(以下:「THE PLAYLIST」)は最高に楽しかったです。

大橋:ありがとうございます。


ー カバーだけのライヴをしようと思ったきっかけは何かあったんですか?

大橋:バンドを組みたくて。


ー その発想が先だったんですか!

大橋:そうなんです。でもそこではスキマスイッチの曲を演奏するというより、大人が集まって遊んでいるところをお客さんに観てもらうスタイルって面白いんじゃないかなと思って。


ー なるほど。

大橋:「音楽家って音を使ってこうやって遊んでいますよ」みたいなところを観てもらってお客さんと一緒に楽しむ。それもリアレンジと一緒で、音楽の楽しさを共有出来たら良いなと思ったんです。付随して、新しい曲との出会いもアプローチしたかったので、選曲もギリギリのラインを攻めようということで、知っている人もいるかもしれないけど、もしかしたら殆ど知らないかもしれない曲や、全員知っていると思われる曲をバンドメンバーと色々話し合いました。

常田:こういうのって先輩達がやっているイメージが強いんです。曼荼羅や、今はなき六本木PIT INNで「◯◯ナイト」みたいな。とんでもなく有名な方々が集まってセッションライヴをしている感じ。


ー あー、イメージ分かります!「THE PLAYLIST」でお二人が選曲した中で、特に想い出深い曲を教えて頂けますか?

大橋:僕は“つつみ込むように…”。 MISIAがデビューする時のライヴを知り合いから誘われて観に行ったんです。その時はMISIAの存在を知らなかったんだけど「何だ、この外国人みたいな人は!」と思いましたのをよく覚えていますね。


ー すごいインパクトでした。この曲は私も未だに大好きな一曲です。

大橋:ただこの曲を持ってきたのは僕じゃないんだよな。

常田:MISIAは僕が持ってきたんだよ。

大橋:あ、そうか。

常田:それでメンバーみんなで話し合って、この曲にしようということになったんです。


ー ではシンタさんは?

常田:今井美樹さんの“雨にキッスの花束を”ですね。TVアニメ版の『YAWARA! a fashionable judo girl!』をずっと観ていて。あのアニメはオープニング、エンディング、挿入歌とも、やたらと良い曲が多いんです。


ー 他には…永井真理子さん!

大橋:“ミラクル・ガール”。

常田:そうそう!あとエンディングテーマだった辛島美登里さんの“笑顔を探して”(第44 〜 81話)とか。しかも背景の絵もお洒落で、当時のファッション雑誌を見ているような感じでした。僕は小学生だったかな。一緒に見ていた姉も「こういう格好をしたい」と言っていました。しかもアニソンというわけではないじゃないですか。

  リリース情報

スキマスイッチ
「全力少年produced by 奥田民生」

2016年11月30日発売

-収録曲-

M1. 全力少年produced by 奥田民生 ~TVアニメ「ALL OUT!!」エンディングテーマ~
M2. ハナツ premium ver. ~「第96回全国高校ラグビー大会」大会テーマソング~
M3. 全力少年produced by 奥田民生(anime ver.)
M4. 全力少年produced by 奥田民生(KARAOKE)

「ALL OUT!!」描き下ろしジャケット&デジパック仕様

全力少年produced by 奥田民生

アニメ盤・期間生産限定盤[CD]

AUCL-217 / ¥1,300+税

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