ー 案外そんなもんかもしれませんね(笑)。
常田:出来るだけどんな時にも同じテンションでいきたいんですよ。家にいるときも、こうやっておしゃべりしている時も、ラジオやテレビのお仕事している時も。そうでないとうまくいかない気がしているので。だからそれが保てなくなった時に緊張します(笑)。
ー レコーディング中はどんな話を?
大橋:ただあんまり音楽の話をした記憶がないな(笑)。
常田:オススメのラーメン屋さんやカレー屋さんの話(笑)。
大橋:そうそう。あとその時期、広島カープが盛り上がっていたのでカープの話とか。
ー そういえば今回のアーティスト写真に使用されたラーメン屋さんは、もしかして民生さんオススメのラーメン屋さんとか?
大橋:そうではないんですが、撮影可能な都内の某中華料理屋さん。
ー「君の名は。」の聖地巡りならぬ、スキマスイッチの聖地巡り!
常田:いや、あの中華料理屋さんはなかなか見つけられないと思いますよ(笑)。
ー では作品の話に戻ります。ひとつ気にかかったのは、お二人はよくライヴなどで「スキマスイッチには”全力少年”の他にも名曲が沢山ある」と言われていますよね。
大橋:そうですね。
ー 代表曲であり、お二人にとっても大切な曲ということに変わりはないと思うのですが、でもこの曲をこういう形で再びシングルとしてリリースすることに、わだかまりのようなものはなかったですか?
大橋:わだかまりはなかったですね。ただ僕らの代表曲と言ってもらえる曲なので、逆に民生さんがやりにくいのではないか、ふと気になって軽い感じで民生さんに聞いてみたんです。でも民生さんは全然気にすることもなく「逆に知っている曲だから良かった」と言ってくださって。その瞬間にすごく恥ずかしくなりましたけどね。「僕らの“全力少年”ですけど、プレッシャーありますか?」なんて、そんな野暮な…というか、何てうぬぼれたことを言ってしまったんだ!って(笑)。
ー アハハ
大橋:確かにこの曲より、良い曲はあるとは思っています。ただスキマスイッチという名前についてくる曲なのも確かだから。それにやっぱり好きな曲ではあるし。
常田:しかも今回は民生さんがああいう感じにプロデュースしてくれたということ、それがまず嬉しかったです。
ー 実際この曲の力ってすごいと思います。無条件に踊り出したくなるし、一緒に歌いたくなる。
常田:嬉しいですね。
ー MVでは歌詞の置き方が“イージュー★ライダー”的な感じで。
大橋:そうです。あれはまさに“イージュー★ライダー”のオマージュです!
ー ライヴ感というかロック感を出しつつ、音の組み立て方が細かいですね。演奏そのものもそうだし、Aメロのドラムが入る前だけ卓弥さんの歌声にディレーがかかっているところとか。
常田:実はあの部分、他のところでもディレーはかかってるんだけど演奏が入ることで消えたように聴こえるんですよ。
ー そうだったんですか!
常田:エンジニアに宮島哲博さんというマエストロの方がいらっしゃるんですが、基本的に民生さんと宮島さんでプロデュースしていく感じで、お二人の信頼関係は見ていて勉強にもなりました。もっとエンジニアさんに委ねて良いんだって。
大橋:僕らも楽曲提供をさせて頂くなど他の現場に行くこともありますが、そのアーティストの作り方も含め、基本的に人のレコーディング現場ってなかなか見ることが出来ませんからね。だからこんな風に作っていたんだとか、それこそ民生さんが三十代前半の頃ってこうやって作っていたのかな?とか、学生時代に僕らが聴いていた作品たちはこういう作り方をしていたのかな?とか、色々想像しましたね。
ー なるほど。それと卓弥さんの声にああいう形でコーラスがしっかり乗ることも新鮮でした。
大橋:そうですよね。でも僕、聴いていて思ったんですが、どうにも民生さんの声の方が良く聴こえるんですよ!
常田:(笑)。
大橋:ボリュームは絶対僕の方が大きいのに(笑)。でもあのコーラスを聴くとやはりすごい歌声なんだなと感じます。
ー でも声が似ていますよね。普段はあまり思わないけど、コーラス部分を聴いた時に感じました。
大橋:似てますかね。というか僕がひっぱられて民生さんみたいになっていたかも(笑)。ただ確実に影響は受けていますからね。それこそ桜井さん(Mr.Children)や草野さん(スピッツ)、もっと言えば浜田省吾さんや玉置浩二さんも。やはり好きなアーティストは体の中に入ってきますよね。染み付いているというか。
ー そうですよね。シンタさんもどなたからか鍵盤のスタイルは影響を受けましたか?
常田:やはりありますね。バンドや曲のフレーズが好きで弾けるようになりたいって練習しつづけたりしました。それこそ小林武史さんの伴奏だったり、ファンキーなものではレキシの池田さん、Pファンクだとバーニー・ウォーレルとか。「このフレーズカッコいいな!」と思って何度も弾いてみるけど思うようにならなかったり。その繰り返しでしたから。ただ楽器は同じになるので、例えばオルガンであればその中の奏法のひとつになるので、 弾き方やフォームでは出るかもしれないけど、そんなに顕著な形で影響が音には出ないかもしれません。でも歌はモノマネというものが存在するだけに、その部分はダイレクトに出ると思います。
ー とはいえ、卓弥さんのモノマネをする人ってあまりいないですよね。やっぱり難しいのかな。
大橋:あんまり似ないんじゃないですか?
ー その前に歌が難しすぎて歌えないとか(笑)。
大橋:そんなことは…あるかな(笑)。でも似ないというのは良い捉え方もあるけど、モノマネされないという意味ではどうなんだろう。モノマネされるということは色々な人に浸透している証拠だと思うんです。だからちょっと残念に思う時もありますけど(笑)。 たまにいるんですけどね、僕のモノマネを動画サイトにアップしている人が。僕自身が聴いても似てるなーと思う方もいます。ずっとモノマネされている人は、もしかしたらもうやめて欲しいと思っているかもしれないけど、僕はめちゃくちゃマネして欲しいです!
ー そしてc/wが“ハナツ premium ver.”。昨年に続いて「第96回全国高校ラグビー大会」大会テーマソングですが、個人的なことを言うとこのプレミアムバージョンの方が好きです。
大橋:そうですか!
M1. 全力少年produced by 奥田民生 ~TVアニメ「ALL OUT!!」エンディングテーマ~
M2. ハナツ premium ver. ~「第96回全国高校ラグビー大会」大会テーマソング~
M3. 全力少年produced by 奥田民生(anime ver.)
M4. 全力少年produced by 奥田民生(KARAOKE)
「ALL OUT!!」描き下ろしジャケット&デジパック仕様