松室政哉、ニューシングル『Theme』インタビュー

September 14, 2016 00:00

ー 確かに歌詞の『この旅の答えはきっと「君だ。」って　「君だ。」って』という部分も、どういう状況なんだろう？と感じました。

そうなんです。例えばこの「君」は、故郷を捨てて上京してきた人には「家族」かもしれないし、結婚式では「妻」や「夫」かもしれない。恋人同士や失恋した人の気持ちなら「彼」や「彼女」にも当てはまるかもしれない。そういう意味では本当に色々な状況によって感じ方、受け取り方は違うと思うので、この曲がそれぞれのテーマソングになれば良いなと思い、タイトルも“Theme”にしました。“オレンジ”も“ラブソング”も、情景や歌詞の内容が結構具体的なんですよね。


ー 確かにそうでしたね。

余白づくりもそうですが、人それぞれの状況によって違う解釈をしてもらうような普遍的な歌詞づくりはしてこなかったので、自分の中でも新しい試みでした。


ー「目が眩むような焦燥感も力に変えていけるんだろう」という歌詞では、ひたむきに頑張っている髙梨さんの背中も感じましたし、きっと色々な人が持つ感情かもしれないですね。

僕自身も焦燥感を感じることが結構あって。


ー 例えば？

同世代のミュージシャンが頑張っていると焦りを感じるというか。…いや、でも良い意味でね。まさに今あげてもらった歌詞そのままです。その焦りが逆にモチベーションとなって、次へ進める感じ。


ー 色々な状況によって感じ方や受け取り方が違うということですが、例えば歌詞の「人いきれ」という言葉では、松室くん自身どういう風景を描きました？

東京。


ー 東京？

上京してきてから「東京」という街は、ここ数年曲作りをしている中で一貫したテーマになっているんです。去年の年末は東京で初ワンマンも開催させていただいたし。東京に出てきて、自分のやりたいことや目指しているところへ進むのはパワーがいるというか、モチベーションを持続させることって大変だなと思ったんです。「自分はこれを目指しているから、今こういうことをやっているんだ。」と言い聞かせるけど、たまにはくじけそうになることもあるし。もしそういう感情に名前があるとしたら「東京」なんです、僕の中では。でも東京じゃないとこんな風には出来なかったと思うこともあるし。だから「人いきれ」という言葉は完全に東京という街を意識しているし、上京してきた自分だけでなく、まだ走っている途中の今の感情も、多分この曲にも入っていると思います。


ー c/wの”キャンバス”は温かい曲で、個人的には聴けば聴くほど好きになっていった曲なんです。

ありがとうございます。


ー シンプルであるがゆえに声の質感や表現が細やかな気がしました。

それこそ『CR仄暗い水の底から』サントラで振り切った反動がこの曲に来たような感じが（笑）。ものすごくシンプルなので、何回も録り直して仕上げるタイプの曲じゃないと思ったんです。それこそ家のソファに座りながら歌っているようなテンションが良いと。その部分は良い感じに出たと思います。


ー じゃあレコーディングでもそういう部分を意識して録音を？

はい。録っていると思うと、どうしても力が入っちゃうじゃないですか。


ー そうですよね。

でもあえて意識することで、本当に普段かなり力が入っていたことが分かりました。


ー そのゆったりした雰囲気からか、この曲は何度聴いていて飽きないんですよね。じわじわと「また聴きたい」という気持ちになるというか。

ありがとうございます。実はこのレコーディング中ずっと楽しくて、僕、段ボール叩いたりしていたんですよ（笑）。


ー 段ボール？！

ずっとタンタンタンって鳴っているじゃないですか。


ー ええ。

あれが段ボール（笑）。


ー えー！

今回のレコーディングでは手作り感も出したいと思ったから段ボールを使ったり、おもちゃみたいな鉄琴を自分で叩いて入れたりしたんです。大体、段ボールを叩くなんて雑じゃないですか（笑）。


ー 雑というか、あまりないというか（笑）。

そういう部分が何回聴いても飽きないとか、聴いていくうちに面白くなってくる効果へと繋がっているのなら嬉しいです。


ー それは色々試した結果、段ボールに行き着いたの？

いや、段ボールを叩きたかった（笑）。最初デモで入れていた音がすごく温かくて、それを生で録るなら段ボールかなと（笑）。だから大きさや方向はいくつか試してみたんです。大きいのが良いか、小さいのが良いか。どの方向から録った方が良いのか。それはいまぜきさんも一緒に色々と試してもらって。


ー すごい発想だね（笑）。でも面白い！面白いと言えば今回ジャケットが今までと違う独特な雰囲気で。

すごく良いですよね。最初はまだ“Theme”の歌詞も完全に出来ていなかったんですが、自分の中で最終的な曲のイメージやジャケットのイメージはあったので、ざっくりではありますがデザイナーさんに伝えたんです。


ー それはどういうイメージ？

自分がやっていることが、実は自分の気付かないところで他の人へ影響を及ぼすことってあると思うんです。人生のこともそうかもしれないし恋愛のこともそうかもしれない。何気ない言動が何かしら影響を及ぼしているような気がして。日常の中で分かりやすい例としては「影」。


ー 影？

そう。自分の影ってまぎれもなく自分だけど自分本体ともまた違う。自分の横にいる影が違うものになっていたら、それがひとつのメタファーとして面白いんじゃないかというのを伝えたんです。ただそれがこんな素晴らしいものになるとは思いもしませんでしたが。

Augusta Camp 2016 ~produced by 秦 基博~

2016.9.17（土）
会場：山梨・富士急ハイランド コニファーフォレスト
開場 12:00 / 開演 14:00 / 終演 19:30（予定）
全席指定 ¥7,560（税込）※小学生以上有料
出演：秦 基博 / 杏子 / 山崎まさよし / 岡本定義（COIL）/ あらきゆうこ / 元ちとせ / スキマスイッチ / 長澤知之 / さかいゆう / 浜端ヨウヘイ / 竹原ピストル / 松室政哉 / NakamuraEmi
※このライブの取り置き予約は受け付けておりません。
※チケットなどの詳しい情報はイベントHPをご確認下さい。


SOGO PR.1207

2016.12.7（水）
会場：東京 渋谷 STAR LOUNGE
開場 18:00 / 開演 18:30
前売￥1,000-（1D別）
出演：AIMI / キクチリョウタ / チロル / 松室政哉
http://w.pia.jp/t/sogo-pr/
※このライブの取り置き予約は受け付けておりません。
※チケットなどの詳しい情報はイベントHPをご確認下さい。


『Theme』の発売記念インストアイベント

2016年10月22日（土）①15:00 ②18:00
場所：（香川）タワーレコード 高松丸亀町店前イベントスペース
イベント内容：ミニライブ+サイン会
イベント参加券配布対象店舗：タワーレコード 高松丸亀町店
問い合わせ先：タワーレコード 高松丸亀町店（087-821-6051）

2016年10月24日（月）18:00
場所：（岡山）イオンモール岡山 1F 未来スクエア
イベント内容：ミニライブ+サイン会
イベント参加券配布対象店舗：ＨＭＶイオンモール岡山店
問い合わせ先：ＨＭＶイオンモール岡山店（086-803-6230）

2016年10月27日（木）18:00
場所：（福井）ラブリーパートナーエルパ 1F 西口エルパスペース
イベント内容：ミニライブ+サイン会
イベント参加券配布対象店舗：ラブリーパートナーエルパ 松木屋CDショップ
問い合わせ先：ラブリーパートナーエルパ 松木屋CDショップ（0776-57-2505）
住所：〒910-0836 福井県福井市大和田町2丁目1212番地

2016年10月30日（日）15:00
場所：（北海道）タワーレコード 札幌ピヴォ店イベントスペース
イベント内容：ミニライブ+サイン会
イベント参加券配布対象店舗：タワーレコード 札幌ピヴォ店
問い合わせ先：タワーレコード 札幌ピヴォ店（011-241-3851）

□ 詳細はオフィシャルホームページをチェック
http://www.office-augusta.com/atsugua/artist/matsumuro.html


『CR 仄暗い水の底から』
サウンドトラック
全9曲収録
¥2,000-（税込）



□ iTunes独占配信中
https://geo.itunes.apple.com/jp/album/cr-ze-ani-shuino-dikara-saundotorakku/id1133478899?at=10lc6U&app=itunes

□ CDはライブ会場限定販売