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松室政哉、ニューシングル『Theme』インタビュー

松室政哉、ニューシングル『Theme』インタビュー

September 14, 2016 00:00

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ー そうですよね。フチタさんと松室くんが一緒に歌っている“Requiem-レクイエム-”も、イントロの泡の音からして、一番ホラーっぽいというか。

これから何が始まるか分からないっていう感じでしょ。


ー そうそう!

映画も「水」がテーマになっているので、最初にこのパチンコ機のお話を頂いた時、サントラのテーマも「水」にしようと思ったんです。だから全体的にそういうワードは多いかもしれません。でも確かに今お話をしながら改めて思い起こすと、ホラーが怖くて仕方ない人は、ひとつひとつが怖いかもしれない。


ー 本当に怖かった!(笑)例えば先ほど伺った“Take My Hand”の細かく震える声も、ホラーならではの、首がありえない速度で左右に細かく揺れる感じを勝手に想像しちゃって勝手に怖くなってるし(笑)。

アハハ、なるほど!でもそう感じてもらえたら僕としては本望ですね。


ー そういう中でも、”水無月の君”は松室くんらしいメロディで、改めてシングルカットして欲しいとさえ思いました。

ああいうバラードも、今までだとバンドサウンドか弾き語りにしていたと思うんです。でもそこをあえて打ち込みにしたのは自分の中でも新鮮でした。あの曲では戸塚泰貴がガットギターを弾いてくれたことで、違う温かみも出ていると思います。アルバムの最初と最後がミディアムバラードなので、もっとジトっとしたバラードが欲しかったんです。あまりドライすぎないエモーショナルなバラード。そこで”水無月の君”がそういう役割を担えれば良いと思い、作りました。


ー そういう中でやはり一番驚いたのは、“Strange World”。

確かに。僕もびっくりしましたもん(笑)。


ー アハハ。

最初のフレーズをアレンジしている時は、さすがに僕も「これ、大丈夫かな?」って思いました(笑)。でも櫛野啓介さんのギターで生音が入ることによってまた変わってきたし、いまぜきさんのMIXの技術もあって、最終的にはすごく面白い楽曲に仕上ったと思います。ライヴでもやってみたいですね、あの曲。


ー あ、いいですね!でもこのサントラを聴いていない人は驚くかも。

確かに(笑)。 あの曲はある意味、新しくはないんです。


ー というと?

ひと昔前の打ち込みみたいな感じをイメージしながら作ったんです。


ー あ、それは感じました!

“Take My Hand”も同じで、少し前に流行ったミクスチャーロックをイメージしたんです。でも僕はそういうアプローチをリアルタイムで表現していなかったので、あえて今挑戦するのも面白いかなと思って。映画自体も10年以上前の作品なので、そういう時代感のリンクも含めて、現在流行っているアレンジではなく、少し昔の質感に仕上げてみました。松室政哉としての作品とは違うアプローチや挑戦をさせて頂けたのも有り難かったし、今後作っていく作品の広がりにも繋がると思います。


ー 松室くんの中では元からあった要素だと思うけど、EDM的な楽曲のセンスもここまであるとは本当に驚きで。そういう曲も聴いてきたの?

今でも最新のEDMとか聴きますよ。でもご存知の通り、自分の音楽のルーツはやっぱり桑田(佳祐)さんなんです。サザン(オールスターズ)って、ひとつのアルバムの中で何でもあるんですよ。こんなに振り切りまくって大丈夫?と思うくらい。でもそれも含めて「これがサザンオールスターズです」って言えることに憧れているし、そういう作品たちをずっと聴いてきたので、僕もそこを入り口に「こういう打ち込みの音楽があるんだ。じゃあ打ち込みだけをしているミュージシャンってどんな感じなんだろう?」って、他のミュージシャンの作品へも興味が枝分かれしていくんです。


ー それってすごく大切だし、個人的には音楽を聴く上で一番面白いことだと思っているんです。

本当にそう思います。まぁ僕も今回はあそこまでやったから、もう大丈夫かな(笑)。


ー ファンの人も免疫がついたかも(笑)。

そうそう!このサントラで免疫つけてもらえば、もう大丈夫!


ー アハハ。

楽しかったですし、こういう機会を与えていただけて感謝しています。


ー では改めてニューシングル『Theme』の話へ。タイトル曲は、クラレ企業CM「髙梨沙羅 ときめき」篇として既にかなり耳にしています。

僕もCM、めっちゃ見ました!勿論映像としても素晴らしいので、今回曲を作らせていただけて光栄です。


ー このCMの為の書き下ろしだとか。

そうです。まだ撮影前だったので、まず絵コンテで大まかなイメージを監督さんから伺って作りました。きっと、すごく壮大で感動的な曲も合うとは思ったんです。でも監督さんと僕の中で「そうではないだろう」という意見が合致して、あまりエモーショナルにいきすぎないようには気をつけました。あとメロディを詰め込みすぎない。今まで自分の作品でもあまりやってこなかったんですが、アレンジを含め、余白を大切にすることを意識しました。ただ印象に残る部分もきちんと作らないと、余白だけで終わってしまう可能性があるじゃないですか。CMという限られた時間なので。


ー 確かに。

だからその部分も意識しました。歌詞もなかった段階から、サビでは三声のコーラスが良いかもしれないとか、コード進行もいわゆるJ-POP的においしいコードみたいなものはあえて使わないでおこうというイメージは持っていました。もっと大味な方が良いかなと。それでAメロもサビも同じ進行で、少し洋楽っぽいサウンドに仕上げました。余白に関してはバンドメンバーにも伝えて、特にベースの植松慎之介やドラムの坂本暁良には、いつも手数を多く動いてもらうのが結構好きなんですが、今回は出来るだけ我慢して我慢して、最後にガッと表現する形にしてもらいたいとお願いしたんです。


ー 良いサウンドですよね。

ありがとうございます。出来上がった音を聴いた時、最近ああいうサウンドって日本ではあまり聴かないなと思いました。

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ー 最近のJ-POPは余白より詰め込む方が多いかも。

そうなんです。埋めて埋めて。勿論僕はそういう楽曲も好きなんですが、今回はそうではないと思ったんです。僕の中での音的な裏テーマは西海岸!


ー西海岸?

ギターもガーン、ガーンって感じ。重いけど爽やかなサウンド。その方が、歌詞の想いとはちょっと対照的で、新しい雰囲気が作れるんじゃないかと考えたんです。


ー 歌詞にはどういう想いを込めましたか?

スポーツ選手のように、極限の精神状態で挑んでいる人の気持ちって簡単に分かるはずないんですよ。ただでさえ僕はスポーツをかじったこともないから(笑)、想像もつかないし。そこに歩み寄ろうとするのは間違っていると思ったんです。だから誰か一個人の気持ちを代弁するとかではなく、もっと普遍的なことを歌いたかったんです。聴いてくれた人がそれぞれ解釈してもらえるように。

  リリース情報

松室政哉
「Theme」

2016年9月14日発売

-収録曲-

1. Theme(クラレ企業CM「髙梨沙羅 ときめき」篇タイアップソング)
2. キャンバス
3. 途切れたメロディ(「CR仄暗い水の底から」搭載楽曲)

Theme

CD

XNAU-00019 / ¥1,200-(税込)

  インフォメーション

Augusta Camp 2016 ~produced by 秦 基博~

2016.9.17(土)
会場:山梨・富士急ハイランド コニファーフォレスト
開場 12:00 / 開演 14:00 / 終演 19:30(予定)
全席指定 ¥7,560(税込)※小学生以上有料
出演:秦 基博 / 杏子 / 山崎まさよし / 岡本定義(COIL)/ あらきゆうこ / 元ちとせ / スキマスイッチ / 長澤知之 / さかいゆう / 浜端ヨウヘイ / 竹原ピストル / 松室政哉 / NakamuraEmi
※このライブの取り置き予約は受け付けておりません。
※チケットなどの詳しい情報はイベントHPをご確認下さい。



SOGO PR.1207

2016.12.7(水)
会場:東京 渋谷 STAR LOUNGE
開場 18:00 / 開演 18:30
前売¥1,000-(1D別)
出演:AIMI / キクチリョウタ / チロル / 松室政哉
http://w.pia.jp/t/sogo-pr/
※このライブの取り置き予約は受け付けておりません。
※チケットなどの詳しい情報はイベントHPをご確認下さい。



『Theme』の発売記念インストアイベント

2016年10月22日(土)①15:00 ②18:00
場所:(香川)タワーレコード 高松丸亀町店前イベントスペース
イベント内容:ミニライブ+サイン会
イベント参加券配布対象店舗:タワーレコード 高松丸亀町店
問い合わせ先:タワーレコード 高松丸亀町店(087-821-6051)

2016年10月24日(月)18:00
場所:(岡山)イオンモール岡山 1F 未来スクエア
イベント内容:ミニライブ+サイン会
イベント参加券配布対象店舗:HMVイオンモール岡山店
問い合わせ先:HMVイオンモール岡山店(086-803-6230)

2016年10月27日(木)18:00
場所:(福井)ラブリーパートナーエルパ 1F 西口エルパスペース
イベント内容:ミニライブ+サイン会
イベント参加券配布対象店舗:ラブリーパートナーエルパ 松木屋CDショップ
問い合わせ先:ラブリーパートナーエルパ 松木屋CDショップ(0776-57-2505)
住所:〒910-0836 福井県福井市大和田町2丁目1212番地

2016年10月30日(日)15:00
場所:(北海道)タワーレコード 札幌ピヴォ店イベントスペース
イベント内容:ミニライブ+サイン会
イベント参加券配布対象店舗:タワーレコード 札幌ピヴォ店
問い合わせ先:タワーレコード 札幌ピヴォ店(011-241-3851)

□ 詳細はオフィシャルホームページをチェック
http://www.office-augusta.com/atsugua/artist/matsumuro.html


『CR 仄暗い水の底から』
サウンドトラック
全9曲収録
¥2,000-(税込)

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□ iTunes独占配信中
https://geo.itunes.apple.com/jp/album/cr-ze-ani-shuino-dikara-saundotorakku/id1133478899?at=10lc6U&app=itunes

□ CDはライブ会場限定販売

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