POPSCENE

WEB FANZINE

POPSCENE

【コラム】オフィス オーガスタ特集 Vol.4 後編

【コラム】オフィス オーガスタ特集 Vol.4 後編

February 17, 2016 21:00

music_label
0
0
シェア LINE

ー 前回、冒頭で肩書きの話をさせて頂きましたが、現在はタイアップ&キャスティングプロモーションというお仕事もされているとか。

楽曲は作るだけでは駄目で、それがビジネスである以上、どう広めたら良いか、どう届けたら良いかという部分を考えなくてはいけないじゃないですか。


ー ええ。

キャスティングプロモーションはそこをより強化すべく、部署ではなくチームとして組まれたものなんです。僕は制作の立場でそのチームに関わっていますし、他にもマネジメント、デスク、その他色々な立場のスタッフが参加しています。それぞれの立場から楽曲をどうプロモーションしていけば良いか、客観的に意見を出し合って、代理店や関係各社へプレゼンしていきます。


ー 制作やディレクションとはまた違う仕事内容ですよね。

全く違いますね。まず制作ディレクターって、ミュージシャンやエンジニア以外の人間とほとんど会わないですから。それが今やスーツをビシッと着こなした人たちと会議室で打ち合せをしている状況で(笑)。でも個人的にはこのタイミングでそういうことが出来て良かったと思っています。


ー というと?

語弊があるかもしれませんが、例えば山崎まさよしやスキマスイッチ、秦 基博のように、すでに世の中に認知されているアーティストや作品を売り込むのは、そんなに難しいことではないんです。ただ新人は当たり前ですが難しくて。そんな時に、制作の立場、マネジメントの立場、色々な立場からそのアーティストや楽曲に関してプレゼンテーションすることができたら、より魅力を伝えることができますよね? 僕は実際に新人を担当していて、制作という、ある意味で一番音楽に近いと言われるところに関わっていますが、仮に打ち合せでクライアントから「この楽曲の魅力は何ですか?」という質問をされたとしたら、制作ディレクターである僕からすればとても話し易いんです。アーティストのその楽曲に込めた思いを一番近くで見て、聞いて、知っているわけですから。それを武器にこちらが深い話をすれば、クライアントも興味を持ってくれる。これから、僕の担当している松室政哉はじめ、NakamuraEmiなどの新人をきちんと根付かせ、認知させていく上で、今この仕事が出来ているのはすごく良いことだと思います。


ー あえてアーティストを「商品」という言葉で表現させて頂きますが、商品そのものの魅力は勿論のこと、売り込むスタッフの方の力や魅力、立ち居振る舞いはとても大切になってくると思うんです。熱心に丁寧な仕事をする人もいれば、いい加減だったり雑な対応や仕事をする人もいる。プロモーションをする上で、半田さんが考える最も大切な点は何だと思いますか?

今、秋山さんが言われたように、言ってしまえば「商品」なんです。仕事を除いたところで言うと…例えば自分が一人のお客さんだとすれば、やはり好きなものを使いたいし、好きなものを身の回りに置いておきたいじゃないですか。


ー そうですよね。

それは仕事になっても、きっと同じだと僕は思うんです。例えば松室政哉の『ラブソング。』という曲が出来ました。僕は売り込む人間としても制作を担当している人間としても、アーティストや作品が好きです。じゃあこの曲を秋山さんに聴いてもらいたいと思ったら、この曲の良さはどこにあって、こういう部分を聴いてもらいたいかきちんと説明をして、秋山さんにも好きになってもらいたいんです。結果好きになってもらえたら、おのずとその人は応援してくれるんです。


ー 本当にその通りだと思います!

勿論仕事なので、金銭面やその他色々なことが付きまといますが、僕が音楽を扱う上で大切にしていることは何かと言われるなら「好きになって欲しい。」ということですかね。


ー それって難しくもありますが、とても大切な点ですよね。

そう思います。


ー 制作の話になりますが、前回のお話で半田さんは、スピッツ以外だとひたすらヒットチャートを聴いてきたということでしたね。そういう聴き方って、実はヒット曲を生み出そうとした時にプラスになるのではないですか?

まさにそうなんです。曲を作ったりアレンジをしている時に「あの曲のあの感じ。」ってあるじゃないですか。


ー ええ。

そういう時に、やっぱり普通は自分の好きなアーティストのライブラリーから参考音源を出してくると思うんです。例えば弊社の代表であればTHE BEATLESや(忌野)清志郎さん。これがまたすごく的確なものを出してくるので、本当にいつも勉強になるんですけど(笑)。僕の場合はそう言った突き詰めたものがあるわけじゃなく雑食なので、手元にすぐに引っ張り出せるCDがあるわけでもなく…。ただ、音楽を意識し始めてから今に至るまで聴いてきた膨大なヒット曲の印象的な歌詞やフレーズは確かに記憶に残っているんです。それを頭の中のライブラリーから引っ張り出して、自分なりに咀嚼してから「こういうイメージはどう?」って提案したりします。真似事はしたくないので、その音源や歌詞そのものを提示するのではなく、あくまで自分の頭の中にあるものを「なんとなくのイメージ」として伝える。この感覚は自分の武器だと思っています。今でも頭の中ではヒット要素のキャッチ&リリースが続いています。

  ピックアップ

  SEARCH

  FIND OUT MUSIC!

FIND OUT MUSIC

  SPECIAL

オフィスオーガスタ特集 アーカイブ

  iTunes Chart