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【コラム】オフィス オーガスタ特集 Vol.4 前編

【コラム】オフィス オーガスタ特集 Vol.4 前編

February 12, 2016 19:00

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ー 専門学校に行かれたんですか?

結局行きませんでした。うちの親は「18歳までしか面倒を見ないから、後は自分でなんとかしろ!」的なマインドの人だったので、本当に何のあてもなく、でも漠然と音楽業界に入りたいという気持ちだけを持って上京しちゃったんです。とは言え食べていかなくてはいけない。でも音楽と全く関係ないことはやりたくない。そこでテレビ業界でアルバイトをすることにしたんです。


ー テレビ局ですか。

テレビ局から依頼を受けて舞台美術を作る会社でした。直接的に音楽の仕事じゃなくても、そういうところからテレビ局の音声さんとかに知り合うきっかけがあるんじゃないかなと思って。 でも、すごく忙しすぎてコネなんて作れるわけもなく(笑)。


ー 辞めたいとは思わなかったんですか?

思っていました。でも何故辞めなかったかというと、『HEY!HEY!HEY!』や『MUSIC STATION』、『FNS歌謡祭』などのセットを組む仕事をやらせてもらえていたんです。だから「音楽も聴けるし、これはこれで楽しい。」と思い、しばらく続けていました。でも並行して音楽業界の求人は探し続けていて、ある日ジャニーズ・エンタテイメントが制作ディレクターを募集していて。


ー 応募されたんですか?

ええ。まぁ送るのは自由だし(笑)。それから少ししてジャニーズ・エンタテイメントと関係のあったスマイルカンパニーの方から「ジャニーズではなく、アルバイトでスマイルカンパニーに来ないか?」とお誘いを頂いたんです。だから本当の意味で音楽の仕事に就いたのはスマイルカンパニーが最初でした。それが19歳です。


ー スマイルカンパニーではどんなお仕事を?

RUI(柴咲コウ)さんの『月のしずく』や中島美嘉さんの『雪の華』の作曲をされた松本良喜さんをはじめ、いわゆる作家さんのマネジメントです。実際は半年くらいしか居なかったので、マネジメントなんて言えたものじゃないですけど(苦笑)。


ー それは何故?

マネジメントが嫌だとか、大変だったというわけではないんです。ただ10代、若気の至りというか、この業界の華やかな部分ばかりを想像していた分、ビジネスとしての駆け引きなど、今となっては当たり前のことが当時はドロドロしたものに感じて(笑)。あとはやっぱり素人だったので、考えられないような失敗も沢山してしまい…。


ー その後はどうされたんですか?

スマイルカンパニーを辞めて、音楽に携わることはもういいかなと思ってフラフラしていました。そしたら当時アメリカに留学していた姉から「もうすぐ卒業しちゃうから、私がこっちにいる間に遊びに来なよ。」と誘われて…誘われてというか、勝手に飛行機のチケットを予約されちゃって。


ー アハハハハ!

それで渋々アメリカに行き、3ヶ月くらい別に何をするわけでもなく過ごしていました。ただ、たまに姉の学校に着いていったりする中で、現地の学生さんと接する機会が沢山あって。大学に通っている人向けのラジオ番組を作っている日本人の学生と知り合って、そのラジオにゲストで呼んでもらったり。音楽をやっている学生のホームパーティーに呼んでもらって一緒に歌ったり。そうやって知り合った人達と河原でバーベキューをしたり。そういうことをやっているうちにどんどんと知り合いが増えていったんです。


ー 面白いですね。

学生ってやっぱり目標があるからキラキラして見えて、みんなと触れ合っている間に「あぁやっぱり音楽やりたいなぁ。」と思い始めるようになって。それで帰国してすぐに探し始めたら、たまたまオフィスオーガスタで制作ディレクターを募集していたんです。でも僕、実は募集要項に何一つ当てはまっていなくて…(笑)。


ー えー!

年齢も当てはまらなかったし、僕がスマイルカンパニーで担当していたのはマネジメントだったので、制作に関しては経験者でもないし。ただ、ここでもやっぱり応募するのは自由だなと思って。運良く面接に呼んでもらえたんですが、履歴書を見ればまったく募集要項に当てはまっていないし、面接なのにスーツも着ていかなかったので、普通なら「あれ、この人何しに来たんだろう?」って思うじゃないですか。


ー そうですよね(笑)。

他の方々が受けているような通常の面接や試験に加えて、恐らく僕だけだったと思うんですけど、論文…と言うかレポートの提出を宿題として出されて。それを書くことでチャンスを与えてもらった感じです。ご存知の通り、僕は喋るのが苦手じゃないですか。


ー え?

え?


ー そんなのは存じていませんが(笑)。

アハハ!おかしいな(笑)。でも本当に引っ込み思案だったから、面接が大の苦手で。だけどレポートがあったおかげで「こいつ喋れないけど、文章は面白いな。」と思ってくれたようで、今に至っています。とは言え、経験もないし最初は雑用だろうと思っていたんです。でもありがたいことに初めから制作の仕事に就かせて頂いて。

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