ー そう思います。それとサウンドで言えば2番に入る前に一瞬、アコギが入っていますよね。
常田:ジャジャジャッて。
ー そうです!その部分がアナログっぽく聴こえたというか、ヘッドフォンのLからだけ聴こえて来た気がしたんですが。
常田:そうそう。その部分は全部ミュートをかけているんです。ディレーとかで残っている音があるんですが、それもすべて切って一瞬だけギターの音だけにしてあります。
ー それによって、2番に入る上で気持ち的に場面転換が出来ました。それと2番「でも僕はそこに価値を見いだしはしない」では左右に聴こえていた卓弥さんの声が、次の「ただ息を切らしこの瞬間を塗り替える」では上の方で聴こえるというか。
大橋:うんうん。
常田:そこは「でも僕はそこに価値を見いだしはしない」がミソなんです。僕らは大サビと呼んでいますが、声を左右二つに振られている為、真ん中に存在しないんです。ダブルで録る時ってよくみんな音を重ねるんですが、今回は重ねずに左右に開く。それで「ただ息を切らしこの瞬間を塗り替える」でシングル、つまり真ん中でひとつにするんです。
ー そういうことだったんですね!
常田:しかもディレーを少し減らして、出来るだけ浮いている感じに聴かせるよう、エンジニアの渡辺省二郎さんが考えて下さいました。渡辺さんは歌詞もすごく理解して音づくりをしてくださる方なんです。音場というんですが、何故ここだけハモっているんだうとか、何故ここだけダブルなんだろうとか、何故ここでそういうことをやっているんだろうと感じてもらえることがすごく嬉しいです。
ー 今回は、“LINE”もc/wの“ハナツ” もスケール感のある楽曲なので、曲が終わった後の秒数も丁寧に取っていますね。
常田:マニアックですね(笑)。
ー すみません(笑)。
大橋:でも曲間はマスタリング作業の時にすごく考えますね。
常田:いつも我儘言わせてもらっています。「もう一度聴かせてもらっていいですか?あ、もう一度。」って。
ー でも正直、曲間ってすごく大切ですよね。
大橋:大切だと思いますよ!
常田:1曲1曲抽出すると曲間は無くなってしまうし、曲間を無音部分として認識してカットするアプリもあるようだけど、僕らはCDで勝負したい気持ちが強いので、余計に大切ですね。
ー “ハナツ”は「第95回全国高校ラグビー大会」大会テーマソングですが、色々な高校の合宿にも行かれたんですよね。映像を見させて頂きました。
大橋: ありがとうございます。長野県の菅平高原に行ってきました。ラグビー合宿の聖地と呼ばれている場所なのでラガーマンばっかりなんですよ!高校生だけでなく大学生もいるし、グラウンドが100面程あるらしくて。そこでいくつかの高校の合宿におじゃましました。大会テーマのお話を頂いた時も、2人ともラグビー経験者ではないので、そんな僕らが担当して良いのか不安もありました。でも「実際に選手の話を聞いて、そこから吸い上げたものをスキマスイッチなりの曲にしてもらいたいんです。」という企画だったので面白かったし、自分たちのスタイルにすごく合っていると思ったんです。実際選手たちと触れ合って、お互いの温度感を確かめ合いながら楽曲に落とし込んでいくというのは、スキマスイッチらしい。すごく面白かったですよ。
ー 特にどういう点が面白かったですか?
大橋:プレイしている時は「この子たち、本当に高校生かな?」と思う位に大人っぽく見えるんだけど、食事中に実際に話をしている感じや、練習試合後にグラウンドを出てくると「あ、スキマスイッチだ!」って賑やかになる様子は、普通の高校生でしたね。僕らルールも分からずに見に行って、選手の方に色々と解説をしてもらいながら見学をさせて頂いたんですが、ラグビーボールを繋いで、自分のチームメイトに託す。託された方はまた責任を持って次の人に繋いでいく。話を聞いたり練習や試合を見て、「それがラグビーだ!」ということがすごく良く分かりました。どんな気持ちで選手がプレイしているのかが分かって、すごく面白かったです。どんな競技も信頼関係はあるし、それがないとチームは強くなっていかないと思うんですが、ラグビーは更にその部分が強い競技だと感じました。
常田:一番面白かったのは、ボールを落としたらどこにいくか分からないということでした。それが故に絶対に落とせないというのが、他のどんな競技よりも強いんだろうなと思って。バレーボールやバスケットのように、両手を使うスポーツでも片手で処理したり、何とかなる場面はあるじゃないですか。
ー ええ。
常田:でもラグビーの場合は、その確立がすごく減ると思うんです。軌道や弾道がすごく変わるので落とせないし、それがさっき卓弥も言った繋ぐことへ結びつく。歌詞にも書きましたが、それって卵みたいだなと思って。
ー 確かにそうですね。
常田:でも、もしボールを落とした場合は両チームが一斉に飛びついて入り乱れる、すごくパワフルなスポーツだし、攻めと守りで役割分担はハッキリしているけど、誰でもゴール出来る。不規則な動きをしたボールが自分の元に飛んで来たらゴールへ向かう。それも考えたら珍しいスポーツだと思うんです。「全国高校ラグビー大会」大会ハイライト番組のメインキャスターを努める大畑大介さんとお話する機会もあったんですが、大畑さんはエースが居ないチームが強くなると言っていました。でも自分がエースになりたい気持ちは大切。ある意味矛盾しているんですが、そこが面白い。自分一人が怠けてはいけないし、一番頑張らなければいけない。そして全員で頑張らなければいけない。こういうスポーツってなかなかないんじゃないかな。
ー 本当ですね。そういう部分はダイレクトに歌詞へ反映されていますね。しかも「僕たちは待っているばかり」という歌詞の後に続く言葉が1番は「で」、2番は「じゃ」、たったこれだけの言葉の違いで、気持ちの動きが変わるんだと気付かされました。
大橋:自分がヒーローになりたいという気持ちと、みんなで頑張るという気持ち。選手の人たちの気持ちを僕らが完全に代弁出来ているかは分からないですし、きっと歌詞では伝えきれていない想いはあると思うんです。でも折角お話もして、選手の気持ちや想いを吸い上げる機会を与えて頂いたので、それらを僕らなりに解釈して上手く吐き出せたら良いなと思っています。 “ハナツ”は二人ですごくディスカッションしながら歌詞を書いたので、かなり時間がかかりました。僕たちが作るんですが、僕たちだけの想いじゃないという気持ちがすごく強くて。そうすると「こうするよりああした方が良いんじゃないかな。」ってディスカッションしなければいけないことが増えるんです。
ー なるほど。
常田:自分たちも高校時代に部活をやってきたので、その想いや経験も歌詞に入れたかったんです。重ね合わせる部分と違う部分。僕と卓弥の間でも相違点はあるのでそれを寄せていく感覚は面白かったし、研ぎ澄ましたかったんです。実はこの曲は詞先なんですが、詞先で残っている部分はそんなになくて。
□ 初回生産限定盤 / 通常盤共通
M1. LINE ~ テレビ東京系アニメーション「NARUTO -ナルト- 疾風伝」オープニングテーマ~
M2. ハナツ ~「第95回全国高校ラグビー大会」大会テーマソング~
M3. スキマスイッチのミッドナイト・グッドモーニン!! -2-
M4. LINE (backing track)
M5. ハナツ(backing track)
*M3はラジオ番組風のトーク・コンテンツ。番組内で「星のうつわ」弾き語りバージョンを収録。
□ BONUS DVD(CD+DVD 初回生産限定盤のみ)
スペシャル・コンテンツ
「スキマスイッチのミッドナイト・グッドモーニン!! -2- THE MOVIE」収録!(約27分)
*CD収録のラジオ番組風トーク・コンテンツの映像版(CD未収録トークも収録)
□ アニメ盤・期間生産限定盤 ※2016年3月31日までの期間生産限定
M1.LINE ~ テレビ東京系アニメーション「NARUTO -ナルト- 疾風伝」オープニングテーマ~
M2.ハナツ ~ 「第95回全国高校ラグビー大会」大会テーマソング~
M3.スキマスイッチのミッドナイト・グッドモーニン!! -2-
M4.LINE(anime ver.) *アニメ盤のみTVアニメ・オープニングVer.を収録
M5.LINE(backing track)
M6.ハナツ(backing track)
スキマスイッチのミッドナイト・グッドモーニン!!-出張編-
※トーク&ミニライブ
■ 東京
日時:2015年11月11日(水)開演 19:00
会場:ゲートシティ大崎ウエストタワーB1アトリウム
入場/観覧フリー ※前方に優先観覧エリアあり
当日CD販売、優先エリア抽選会/9:00~
問合わせ:ゲートシティ大崎イベント事務局 03-3287-1500
■ 大阪
日時:2015年11月14日(土)開演 14:00
会場:あべのキューズモール3Fスカイコート
入場/観覧フリー ※前方に優先観覧エリアあり
当日CD販売、優先エリア抽選会/10:05~
問合わせ:ソニー・ミュージックマーケティング 大阪オフィス 06-4795-8500(平日:10:00~17:00)
□ 優先エリア抽選会等、イベント詳細はスキマスイッチオフィシャルHPへ
http://www.office-augusta.com/sukimaswitch