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【コラム】オフィス オーガスタ特集 Vol.1

【コラム】オフィス オーガスタ特集 Vol.1

September 10, 2015 18:15

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ー なるほど(笑)。そういえばこの2008年の公式オーガスタキャンプ・スペシャルサイトで森川社長が、【Augusta Camp】のテーマは “LOVE & PEACE”と言われてましたが、麻畠さんの考える【Augusta Camp】のテーマは?

うーん…答えが難しいですね。当然「LOVE & PEACE」という考えはあるでしょうし、会議の時にも「今年のテーマは何?」って言うスタッフも勿論います。「LOVE & PEACE」や「SUMMER of LOVE」をテーマに掲げた時もあったんですが、ここまできたらテーマは最早ないと思うんです。毎年続けられる以上は続けていく。ただ、あえてクサくいえば「星のかけらを探しに行こう」じゃないですかね。だって毎回この曲で終わっているわけだし、どうやってあそこに向かっていくかがテーマといえばテーマ。それ以外にはあまり意識したことはないです。今年は山崎の20周年でありYMACの10周年でもあるので、それに寄せた形にはなると思いますが。


ー 野外ライヴやフェスというのは騒いで楽しんで…それこそ森川社長のお言葉を借りるならば、日常の戦いから解放される場だと思うんです。ただ【Augusta Camp】の場合は単に騒いで楽しむというだけでなく、ライヴを通じて音楽の力を伝えようとする、信念というか音楽へのリスペクトを根底に強く感じます。

その部分を見てくださっているのは、本当にありがたいです! 特にその音楽的感覚はアーティストから出てきていると思います。フェスみたいに時間を割り振って、「ここでやってね。」というよりはその年の音楽的な動きやアーティストの特性を考えながら、細かく構成を考えているので、ある意味ではイベントではなくライヴ。5時間くらいの1本のライヴを毎年やっているイメージの方が強いです。“適当に時間を振っておいてやれば済むでしょ。ハイ、各マネージャー決めておいて”…では絶対に動かないし、そんな形で自分は進めていけないですから!



ここは迷走です。オーガスタキャンプの迷走期(笑)。


0108320150910.jpgー 2009年の【Augusta Camp 2009 Extra】は、とうとう日本を飛び出して(?)ハワイでも開催(笑)。

アハハ。ハワイですね。日本を飛び出していないハワイ(笑)。鳥取の羽合町(はわいちょう)という語呂を取って「オーガスタキャンプがハワイに行くなんて、面白いじゃん!でも実際は日本なんだよ。」みたいな発想でした。でもここは迷走です。オーガスタキャンプの迷走期(笑)。


ー 迷走期?(笑)

正直、自分でも内容に手詰まりしていたように思うんです。フェスなら色々なアーティストの組み合わせがあった上で、上手くヘッドライナーまで持って行くようにやれば良いと思うんですが、オーガスタキャンプの場合は出演するアーティストは基本毎年同じだし。だから正直、社内からも「連続で同じような内容はどうなのか?」という意見も上がってはいたんです。10周年を機に、もう打ち切っても良いんじゃないかという意見もなくはなくって。僕もそう思った部分がありました。とはいえ、お客様は毎年楽しみに来て下さっていたので、その部分は当たり前ですが無視する事はできず…。とはいえ、もう良いだろうとっていう気持ちもあり。でも最終的に、一番思い入れが強い森川から「やれるまでやれ!」というお達しがきて(笑)。


ー なるほど、鶴の一声ですね。

そうそう(笑)。それで企画したのが2009年の【Augusta Camp 2009 Extra】でした。でも全アーティストでやるのは厳しいかなと。10年で総パッケージしちゃったから、それまでと同じことをしてもどうなんだろうということで、色々な場所を回ろうという話になったんです。お客さんに「行きたい!」と思ってもらえるような組み合わせを考えていた記憶があります。それと山さんの信念は「ライヴは呼ぶものじゃなくて、行くものだ。」なんです。それをずっと言われていて。だから東京だけではなく鳥取や三重、埼玉でも開催することになりました。


ー それぞれ内容は素晴らしいものだったと思いますが、シビアな話をすれば会場ごとに出演者が異なるということは、ファンから賛否両論あったかと思うのですが。

あったと思います。実は僕、ファン目線がすごく強いんです。多分事務所の中でも群を抜いて強いんじゃないかな。だから“自分がお客さんだったどうだろう?”って常に考えますし、この時もそうでした。出演者と会場がバラけるということで、確かに否定的なご意見も頂きましたね。でも実際終わってみると実は行きやすかったり、地方の方が観に来やすいという「賛」の意見もかなり多くあったんです。初めて観に来られるお客様にはボリューム的に、そして常連のお客様にはリフレッシュという意味では正しかったんじゃないかと思います。それと、この年で言えば、スキマスイッチと秦の若手をメインで、さいたまスーパーアリーナ公演を行ったのは、結構革命的でした。あの頃からスキマスイッチと秦の3人がお兄さん核になってきて、全体を引っ張ってくれるようになりました。


ー【Augusta Camp】リハーサルの現場はいつもどういう感じですか?

和気あいあいとしていますよ。ただアンコールセッションは一大イベントなので、最後のリハーサルでは大きなスタジオに全員揃って「星のかけらを探しに行こう」や、セッションする部分を毎年ほぼ最後に持っていく、そこが大頂点ですね。その時は「オーガスタ食堂」試食会の最終があったり、他にも色々な確認事があったり、コメント撮りがあったり…。スタジオ中ありとあらゆるセクションの人が動いています。そういう動きの中で、どれだけ効率よく全員を帰していくかがポイントです。現場もバタついているし、みんなは各々喋っているし。だからその時ばかりはマイクを持たせてもらって「山崎黙れ!」くらいの勢いで、ギャグをかまして現場を笑わせて進めるんですよ(笑)。


ー かなり大変そうですよね(笑)。

そういう時に力を出してくれるのが杏子なんです。味方というのも変ですが、杏子には先に「これこれこういう風にリハをやっているから、僕がこう言ったら杏子さんはこう動いてくれませんか?」って言っておくと、ちゃんとまとめてくれるので、本当に助かっています。彼女は凄いです。だから正直、毎年杏子頼りのところもあります。やる気も強いですしね。


ー やはり長女ですね!会場から観ていてもやはり杏子さんが出演者や、ステージをまとめているのが伝わってきますもん。

スタッフのマインドというか考え方やあり方、アーティストの雰囲気など、杏子の影響が強いです。


スキマスイッチに関してはデビューからずっと担当しているということもあって、思い入れも強かったと思うんですが、彼らの向かう姿勢や完成形が半端なかった。

2012amami20150910.jpgー 本番中のステージ裏は?

もうぐっちゃぐちゃですよ(笑)。ただ年々整備はされてきています。オーガスタキャンプはゆったりやっているように見えて、秒単位の戦いなんです。20時30分のフィニッシュに向けてどうやって時間調整していくか。僕らはよく「貯金」って言ってるんですが、実は僕ら舞台チームの中では「裏タイムテーブル」があって、この人ならこれくらい押すだろうとか、実際はこうなるだろうという想定の下に構成していくんです。PAの転換でも色々変わっていくので、実はすごくトラブってる時もあるし、特に毎年アンコールの時は大変です!

 

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