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【コラム】オフィス オーガスタ特集 Vol.1

【コラム】オフィス オーガスタ特集 Vol.1

September 10, 2015 17:57

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ー 毎年の人気メニューも気になります(笑)。

秦(秦 基博)が一人勝ちしてます(笑)。それと卓弥(スキマスイッチ・大橋卓弥)の、金のかかったメニュー! こだわり度で言えば卓弥が一番強いんじゃないかな。

卓弥は好奇心がかなり強いんですよ。何事にも全力投球なので。勿論他も色々考えて試食もしていますが、一番最後まで難航しているのが彼なんじゃないですかね。スタジオでリハーサルをしている時も食堂スタッフが追っかけてきて、ああじゃない、こうじゃないって本当にいつもやっていますよ。

アーティスト全体ミーティングというのが毎年あるんですが、企画が大体決まってきた本番の2ヶ月前位に全員が会議室に集まるんです。そこでその年のオーガスタキャンプの内容を全部説明して既成事実を作る(笑)。


ー 既成事実(笑)。

「話してるよね?」っていう既成事実です(笑)。その時は僕が司会を務めるんですが、本当にドキドキしますよ。さすがに今は慣れましたけど、やっぱり山さんの視線は怖いです(笑)。ミーティングの事前に試食会をするのもここ数年の恒例なんですが、試食会で何となく全体の雰囲気を柔らかくしてから会議に入り、伝えることは伝えるという流れです。


ー そういう意味でもオーガスタ食堂の存在は大切ですね(笑)。実際、オーガスタ食堂はライヴとは別に、存在が大きなものになってきていますよね。

秋山さんみたいにファン目線でも見て頂ける編集の方がそう言ってくださるのはすごく有り難いです。


ー 2007年の【Augusta Camp 2007 supproted by パナソニックオキシライド乾電池】は、 9年目で初のドーム開催。個人ごとですが、プライベートでオーガスタキャンプに参戦したのが、この年からです。

そうでしたか。西武ドーム!(2007年時:グッドウィルドーム)あれは本当に辛かった!!


ー 実感がこもっていますね(笑)。何が一番辛かったですか?

運営すべて!!!うちの事務所って少ない人数でやっている方だと思うんです。実質、制作も2人しかいないですし。ただ実際これ以上いらないとも思うんです。他のイベントやライヴを観ると制作スタッフがものすごく多いんですよね。例えばひとつの現場に、送迎だけの担当がいたり。そういう細々したスタッフはいないし、この2007年はオムニバスだったので、会場内を行ったり来たりが多くて。アーティストがこのステージに出て次のステージには出ない、というのが沢山あった上に、楽屋がステージからすごく離れてもいて。しかもひとつの道筋しかなかったんです。イベンターさんの車で往復するのをバスのダイヤみたいに組んで、遅れないように待たせないように。それをグワァーっと繰り返していました。


ー 大変ですね、それは。

この年は、アーティストがサインボールを投げるための選挙カーを借りに行って、現場でラッピングするというところから始まりました。アーティストがビクトリーロードから登場したのをご覧になりましたよね?



ー ええ。

会場が西武ドームということもあり、「野球テイスト」というのが当時のプロデューサーのアイデアだったんです。しかも前日もリハーサルをしたのに本番、ビクトリーロードを降りたところで山さんが「誰だ、この企画考えたの!」ってキレて(笑)。「サインボールを投げて、自分の出番の時に肩が抜けてギターが弾けなくなったらどうするんだ!?」って言われました。


ー アハハハハ!この年はロゴも野球チームっぽいイメージでしたもんね。

よく覚えてくれていますよね(笑)。しかもこの時は会場が雨漏りしたんです。


ー 後半、豪雨でしたもんね。

ドームなのに、天辺から雨漏りというか雨が吹き込んだんです。オケブースに雨が入るとまずいじゃないですか。だからパニくりました。しかもおっしゃったように後半だったので、駅が冠水して電車が止まって。3万人のお客様にどうやって帰宅していただくかを話し合っていた記憶があります。最後には雨も止んだので問題はなかったですが、地獄でした(笑)。





ここまできたらテーマは最早ないと思うんです。


ー 2008年は【Augusta Camp】が10周年。規模も大きくなってきて、その分プロデューサーという立場から、大変だったことも多いんじゃないですか?

アーティストが増えたことで、それぞれの考え方も増えたのは事実です。ただうちは、アーティストとスタッフに大きな線を引かないようにしている事務所だと思うんです。アーティストだから立場が上で、スタッフだから立場が下みたいな。そういうことはよくありがちじゃないですか。


ー ええ。

付き人みたいな感覚というか、うちの事務所はそれが一切ない。だからそういう意味では、フラットにみんなと話し合うことが大変なようで大変じゃないんです。逆にそれがないと進まないのがオーガスタキャンプ。特にこの2008年頃を期に全員が「今年はどうなってるの?」って意識して考えるようになったかな。その中でもスキマスイッチの二人がとても積極的なので、彼らを中心に進んでいく時もありますし。



interview20150910171737.jpgー アーティストもスタッフも同じという考えというのは、観る側としても感じられる【Augusta Camp】の魅力だと思います。

ありがとうございます。その部分はとても意識しています。だから僕がオーガスタキャンプのことで連絡をする時は、全員にメールをします。アーティストもそうですが、スタッフで言えばそれこそ著作権管理部から経理部まで。直接的に運営自体に携わる事のないスタッフにも全員見ていて欲しいし、見るのが当たり前だと思っているから。そうすることで「伝わっていない」ということが基本的にはなくなるじゃないですか。


ー そうですよね。細かいトラブルやミスも軽減出来ますし。

実際この方法を取りいれたことで、確実にスタッフの意識は変わったと思います。オーガスタキャンプ用に、社内分担表を作るのもその一つです。以前は会社のイベントにも関わらず、職務だったり、事情によって、どんな形で参加していいか戸惑っているスタッフも居なくはなかったと思うんです。だけどここ数年は全員で成功させるために、同じ方向を見て動けていると思います。


ー 名監督ですね!

いやいや(笑)。そうじゃないと実際アーティスト側からもクレームが来ることもあるんですよ。打ち上げで酒が入れば暴れたり(笑)、泣いたり、僕みたいに「もうやらねー!」って騒いだり(笑)。だから実はこの15年、一度も打ち上げには参加してないんですよ(笑)。



ー え、そうなんですか?

ステージの撤去作業もありますが、逃げもなくはないですね(笑)。それまでが大変だから、もういいだろうと。それに最近は若いスタッフも多いので、彼らに任せています。

 

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