【レビュー】秦 基博『Stellar Days』
October 9, 2025 17:00
秦 基博
秦 基博の新曲「Stellar Days」は、TBS系28局で10月2日から放送スタートしたTVアニメ『太陽よりも眩しい星』(毎週木曜午後11時56分〜)のオープニングテーマ。
『太陽よりも眩しい星』は、『俺物語!!』(作画:アルコ)、『高校デビュー』、『先生!』と、多くの作品でメディアミックスを果たしている河原和音の最新作で、現在『別冊マーガレット』(集英社)にて連載中だが、2025年9月時点でコミックス累計320万部を突破。
作品を読んだ上で楽曲制作に着手した秦は、まさにこれぞオープニングテーマと言わんばかりの疾走感と、10代の持つ瑞々しい感情を兼ね備えた作品を作り上げた。この曲にはイントロがほぼない。だからこそストーリーの始まりやシーンの切り替わりが想像できる。トオミ ヨウ氏によるなキラキラしつつも甘くなりすぎない爽快なアレンジもポイントのひとつだろう。
“放課後 宇宙の片隅で 一番輝く星を見つけた”というフレーズは、この曲、そしてアニメの真髄とも言えそうだ。初恋の持つ不安や諦めようとしてしまう心、それでもやはり好きと感じる心やトキメキは歌詞だけでなく、ドラムスティックが刻む心地よいテンポや、サビで広がるメロディの開放感、どこか憂いもある秦の声でも表現されている。
これはあくまで筆者の個人的な感じ方だが、10代はだいぶ昔の話になった自分が、この4分2秒の間だけそのまま当時の感覚になれる。懐かしさではなく世代を飛び越え、あのピュアな感覚に。まぁ自分がどこまでピュアだったかは置いといたとして、それだけこの楽曲にはトキメキを感じた。
秦の作品にはいつも光と影と風景が存在していると思っているが、この「Stellar Days」もそういう色彩溢れた楽曲だ。