【レビュー】三浦大知『Horizon Dreamer / Polytope』
June 26, 2025 17:00
三浦大知

三浦大知の全国ツアー【DAICHI MIURA LIVE TOUR 2025 太陽に焼かれて踊りましょう ⾬に打たれ歌いましょう】が大阪城ホールにてファイナルを迎えた。ツアー名でもある“太陽に焼かれて踊りましょう ⾬に打たれ歌いましょう”という印象的なフレーズ。これは6月25日にリリースされた両A面シングル『Horizon Dreamer / Polytope』の「Horizon Dremaer」のリリックだ。この言葉通り、ツアーでは太陽に焼かれるかのような激しいダンスと、雨に立ち向かうような歌声がオーディエンスを魅了し続けたことだろう。
PlayStation 5ゲーム『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の挿入歌でもある「Horizon Dreamer」は、アコースティックギターから始まり、キック、クラップ、コーラスが徐々に力強さを増す。アコースティックギターと言っても実際は、アコギ19本、DOBROギター2本、バンジョー1本という驚きのアレンジ!
更に三浦の伸びやかなファルセットやシャウト、絡み合うアドリブのグルーヴ含め、大地の力(決してダジャレではない)を感じるダンサブルなサウンドとなっている。
今作のプロデューサーは名盤『球体』でタッグを組んだNao’ymt。両曲に言えることだが、ジャンルや要素の違いを絶妙なバランスで結びつけるあたりはNao’ymt氏の妙だろう。
やはり同ゲームの挿入歌として書き下ろしされた「Polytope」は、「Horizon Dreamer」から派生し、“別の宇宙にも同じように一人で旅をする人がいる”という着想から作られた作品とのこと。楽曲してのカラーは全く違い、力強さと儚さが背中合わせの三浦の歌声は深く壮大に“命と愛”を歌い、その歌詞の美しさにも息を飲む。そんな“別の宇宙”は、現代美術家 諸角拓海氏のアートワークにも表現されている。余談だがふと「球体プロジェクト」を思い出した。
サウンドのカラーは違えど、『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』が繋げる世界観に酔いしれて欲しい。