【レビュー】堂珍嘉邦『BETWEEN SLEEP AND AWAKE』
October 31, 2024 08:00
堂珍嘉邦
11月6日(水)に5曲入りシングルとしてリリースされる、堂珍嘉邦のニューシングル「BETWEEN SLEEP AND AWAKE」のタイトルナンバーの先行配信が、10月25日(金)よりスタートした。ライブで披露していたこの曲の音源化を切望する声も多く(筆者もそのひとり!)ファンのSNSにも喜びの声が並んだ。
この楽曲は、エレクトロミュージックアーティスト“speedometer.”の楽曲を移動中の車中で偶然耳にし、“こんなアーティストとコラボレーションしてみたい”という想いから実現した。speedometer.といえば、6月に自身が生まれ育った「郊外」の心象風景をテーマにしたアルバム『suburbs』をリリース。90年代から活躍する彼の音楽は、時にテクノであり時にアンビエントであり時にヒップホップであり……。そんなspeedometer.が作り上げた「BETWEEN SLEEP AND AWAKE」は、堂珍嘉邦というアーティストに絶妙なバランスで食い込み、新風を吹き込んだ。パーカッションやストリングスは切なさの奥にある感情を呼び起こし、リズムやメロディは90年代のネオソウル彷彿とさせる。少し甘美で憂いある堂珍の歌声は、そんな楽曲の世界に溶け出し聴く人を魅了する。
この曲が収録されるシングルのジャケットは、SPITZ、奥田民生、Rhymester、サザンオールスターズなど多数の国内アーティストのジャケット写真を手がける浅川英郎氏を起用。カップリングには、2019年より定番となったコニカミノルタ主催プラネタリウムライブ『LIVE in the DARK』にてカバーしてきた「HEAVENLY / ohana」を収録。Dr.kyOnを中心とした堂珍バンドに加え、吉良都アレンジにてストリングスもレコーディングした未発表アレンジとなる。エンジニアには渡辺省二郎(fabrik)を起用し、クールなトラックメイキングとオーガニックな演奏が2曲並ぶ作品となっている。また、既出のバースデーワンマンライブのアンコールを締めた、堂珍嘉邦の初ソロ楽曲「She knows why ?」の壮大にアレンジされたライブバージョンに加え、先の2曲のREMIXを収録。
2023年、有楽町 I’M A SHOWにて初の有観客公演開催となったクリスマスコンサート『Now What Can I see? 〜Holy Garden〜』のBlu-ray付き(配信音源無し)の初回生産限定盤も見逃せないところだ。