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DREAMS COME TRUE、初の配信イヴェントがついに詳細解禁!

September 1, 2020 10:00

DREAMS COME TRUE

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DREAMS COME TRUE、初の配信イヴェントがついに詳細解禁!

10月から予定していたツアーの中止を発表したのは、4月半ばのことだった。まだ半年以上の猶予がある中で、さらに、新型コロナウイルス感染の状況が良くも悪くもどうなるかわからないという中で、異例ともいえる素早い決断にエンタメ業界でも驚きの声が上がったほどだった。結果論になるが、夏場になっても一向に収まる気配の見えないコロナ禍の現状では、その決断の正しさが証明された格好だ。ただ、彼らの苦渋の決断は、そうした少し先の未来を予見して下したものでは決してない。ステージセットのプランニングや演出のクリエイティヴ、そしてパフォーマンスのリハーサルなど、ドリカム ・クオリティーをクリアして本番を迎えるまでに半年ほどの期間を要することを考えれば、すぐにでも答えを出さなければいけなかった。つまりそこには、常に100パーセントのものをオーディエンスに届けるというアーティストとしての信義に基づいての決定があったということだ。そこにこそDREAMS COME TRUEのエンタテインメントへの覚悟とファンへの誠実さを感じとることができる。

そして7月に入って発表されたのが、『DREAMS COME TRUE WINTER FANTASIA 2020 ‒ DOSCO prime ニコ生 PARTY !!! ‒』だ。各アーティストがライヴの生配信へチャレンジしている昨今、ドリカムが立ち上げるのは、オンライン・イヴェントだ。しかも、もともと実施する予定だったツアー日程の各土曜日に開催される。なぜライヴの生配信ではなかったのか、そしてどうして”ツアー”である必要があったのか。それは、リアルのツアーを中止にした決断と根っこは同じ理由による。つまり、100パーセントのショーこそがライヴだという基本姿勢と、楽しみにしていたツアーの中止を受け入れてくれたファンへの想い、その両方を汲み取った最適解がもともと巡るはずだった各地を意識したオンライン・イヴェントだったというわけだ。

ドリカム32年目にして初となるオンライン・イヴェント。当然ながらどんなコンテンツが用意されているのか気になるところだ。この時点で判明しているものを挙げると、「ドリカムアコースティックライヴニコ生PARTYヴァーション」「各エリアDJコーナー」「P→★(TEMPURA KIDZ)のDJコーナー」「『DREAM CATCHER 3』よりS+AKS新パフォーマンス」などなど、となっている。とにかくコンテンツ山盛りのワクワク感が今から止まらない。中でも気になるのが、オンライン・イヴェント・ツアーに合わせてリリースされる作品『DOSCO prime』がキーになってくるコンテンツだ。まだまだブラッシュアップ段階の情報なので詳細は今後の発表を待ちたいが、イヴェントの制作と並行して作業が進められている同作は、ドリカムのヒットソング12曲にリアレンジを施してコンパイルした1枚だ。昨年、30周年記念イヴェントとして実施された『ドリカムディスコ』、通称『DOSCO』は、P→★(TEMPURA KIDZ)やKEITA(S+AKS)、それに各エリアのDJがそれぞれのスタイルでミックスしたドリカム楽曲をスピンするというディスコ・イヴェントだった。そこでの盛り上がりを受けて、ドリカム自身がドリカム楽曲をディスコ・チューンにリアレンジして世に放つという野心的な作品だ。アレンジも含めてDREAMS COME TRUEなんだ、というこれまで貫いてきたポリシーをかなぐり捨ててまで今回のリアレンジ作品に挑む彼らが示すのは、常に自らをアップデートしていく勇気だ。オール打ち込み、さらにはヴォーカル・エディットまで(!)施されているというから、ほぼほぼ新作、あるいはデビュー盤、と言っても過言ではないレベルの熱量を込めたものが出来上がろうとしている。そこで鳴っているドリカムがどんなものか、実際にその耳で確かめてみる以外にはないのだが、ヒントとなるのは、7月1日に両A面シングルとしてリリースされた『YES AND NO/G』だ。とくに『YES AND NO』のリズムトラックとシンセの音色は、ジャパン・カルチャーとして逆輸入されたような不思議な土着感を漂わせている。ドリカムのようでドリカムではないような、けれどドリカムにしかできない音がそこにあるのだ。この曲の方法論が『DOSCO prime』の12曲にそのまま用いられているわけではないだろう。ただ、意識の部分においてブレなく指し示している地点は、『YES AND NO』でチャレンジしたのと同じ、自らが自らを超えていくためのサウンドメイク、ではないかと思う。外部のトラックメイカーには決して分け入ることのできないドリカムの森の最深部にまで手を伸ばし、踊るというスタイルに特化させた今回の作品。もはや”リミックス”というよりも、改造を意味する”コンバージョン”という言葉がしっくりくるほどだ。今の時代に生まれ変わったドリカム・ヒットソングがどう響くのか、興味が尽きない。

それにしても、オンライン・イヴェントにしろアルバムにしろ、32年目にして初めてチャレンジするトピックが満載のDREAMS COME TRUE。その攻めの姿勢に、彼らが時代をこじ開ける音が聴こえてきそうだ。ちなみに、『DREAMS COME TRUE WINTER FANTASIA 2020 ‒ DOSCO prime ニコ生 PARTY !!! ‒』では、MCに吉田美和も登場する。わかる人にはわかるが、ライヴ以外で吉田美和が表に出てくるのはレア中のレアだ。はっきり言って事件です。控えめに言って、絶対見た方がいいと思うんだ。そして、気になるアルバム情報は、9月15日(火)発表!!!

(谷岡正浩)


■ ドリカム中村正人 ライバーになってみた 生出演放送

□ 配信スケジュール
9月5日(土)〜10月10日(土)
毎週土曜日20:00〜生配信
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv327733684


■ Official HP
https://dreamscometrue.com/

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