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2016年のJ-POP界は歌唱力指向?!生歌重視の超大型新人anderlustのヒットの秘密に迫る!

April 9, 2016 18:00

anderlust

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2016年のJ-POP界は歌唱力指向?!生歌重視の超大型新人anderlustのヒットの秘密に迫る!

多部未華子主演・水田伸生監督の映画『あやしい彼女』の主題歌に起用された「帰り道」がiTunesチャートで最高5位を記録するなど配信を中心に大ヒット中のanderlust(アンダーラスト)。

キャッチフレーズに「空を突き抜けるような、伸びやかな歌声」とあるように、ギター&ヴォーカル、越野アンナの美声がSNS上で絶賛されており、配信開始以降世間の注目を集めていた。4月2日から行われたデビュー記念フリーライブには、いよいよその美しい生声を聴ける機会とあって多くの観客が集まり、その最終日を迎えた4月8日、会場となった東京ららぽーと豊洲は大勢の人で賑わった。

雑誌『NYLON JAPAN』とソニーミュージックがタッグを組み、新感覚のクリエイターの発掘を目指したオーディション『JAM』のミュージックパフォーマンス部門で、秀逸なギターの弾き語りを披露しNYLON賞を受賞した越野アンナ。そんな彼女が都内ライブハウスで地道にライブ活動を続ける中で、新しい音楽表現を行うための同志として自身で発掘したと言っても過言ではない、ベース西塚真吾とともに結成したユニットが“anderlust”である。

多くのアーティストが彼らのプロデュースを希望する中、その多忙さゆえ新人を手掛ける事は非常に稀と言われる、日本を代表する音楽プロデューサー小林武史をも魅了。その後、正式に彼をプロデューサーに迎えて制作されたシングル『帰り道』でデビューを果たすこととなった。

海をバックに開放的な雰囲気を持つららぽーと豊洲のステージに現れた2人が簡単なリハーサルの後に披露したのは、デビュー曲「帰り道」のアコースティックバージョン。越野自らのギターと、西塚のベース。2人が紡ぐ音のみで構成されたシンプルそのものと言える演奏は、新人アーティストとは思えない自身に満ち溢れ、その歌唱力・演奏力の高さに驚きを隠せない観客をどんどん魅了していく。その姿は、まさにミュージシャンというにふさわしい佇まいだ。

近年アイドルが席巻し、歌唱力そのものというよりは総合的な演出も含めた商品的魅力で人々を惹きつけてきた傾向にあるJ-POP界において、それに迎合せず、ある種愚直な真っ向勝負をかけているようにも見えるanderlust。聞くところによると、プロモーションでラジオ等に出演する際も出来る限りアコースティックでの歌唱を行っているという。

テクノロジーの発達により、音源上では歌唱力に差が出にくい傾向がある中で、全くごまかしの効かない完全生歌という形で音楽を届けようとする彼女たちの姿勢に、まるで原点回帰するかのように音楽の魅力を再発見するリスナーが後を絶たないという構図が見て取れる。

その後、長年の海外生活経験から英語も堪能な越野アンナが得意とする洋楽カバーなどを交え、約30分のライブの終盤には、足をとめた通りがかりの多くの買い物客を巻き込み、大いに盛り上がったこのデビュー記念フリーライブ。2016年、ブレイク最有力アーティストと評されるanderlustの、ただただストレートに音楽を届けようとしているこの姿こそが、今求められるJ-POPのあるべき姿を象徴しているのかもしれない。


■ Official Site
http://www.anderlust.jp/

Release

debut Single
「帰り道」

2016年3月30日発売

帰り道

初回生産限定盤 CD+DVD(Music Video + Music Videoメイキング映像)

SRCL-9013〜9014 / \1,500+tax

帰り道

通常盤 CD

SRCL-9015 / \1,204+tax

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