スキマスイッチ、アルバム『A museMentally』を引っ提げたホールツアー全35公演を完走!
April 15, 2025 19:00
スキマスイッチ

スキマスイッチが4月14日(月)、全国ツアー『スキマスイッチ TOUR 2024-2025 “A museMentally”』の追加公演をパシフィコ横浜国立大ホールで開催した。ニューアルバム「A museMentally」を引っ提げた同ツアーは昨年11月にスタートし、全国各地で充実のライブを展開。ツアーのファイナルを飾る追加公演でも、20周年を超えた最新のスキマスイッチのサウンドと、これまでのキャリアを代表する楽曲を織り交ぜたセットリストでオーディエンスを魅了した。
オープニングSEと映像とともにバンドメンバー(村石雅行/Dr、種子田 健/Ba、石成正人/Gt、浦 清英/Key、松本智也/Per、田中 充/Tp、本間将人/Sax,Flute)がステージへ。そして大橋卓弥、常田真太郎が登場すると、客席を埋め尽くした観客(チケットはソールドアウト)から大きな拍手と歓声が送られた。1曲目は、大橋がエレキギターを弾きながら歌った「ゼログラ」(アルバム「A museMentally」/☆)。さらに「ふれて未来を」(2004年)、「石コロDays」(2011年)とシングル曲を披露し、軽やかなリズムとメロディが印象的な「コトバリズム」(☆)へ。冒頭から幅広い時期の楽曲をつなげ、スキマスイッチらしいポップワールドを生み出した。
「『スキマスイッチ TOUR 2024-2025 “A museMentally”』へようこそ! 去年の11月からツアーを回らせてもらって、今日で35本目。アルバム『A museMentally』の楽曲を届けるツアーですが、新旧問わず、いろいろ混ぜながらやっていきたいと思います。今日は正真正銘のファイナル。噛みしめながらやろうね」(大橋)というMCの後は、スキマスイッチの奥深い音楽性を体感できるシーンが続いた。
クラシカルなピアノの響きと愛らしいメロディ、〈あなたが僕にくれた魔法は/消えることがなく刻まれた永遠のメロディ〉というフレーズが響き合う「魔法がかかった日」(☆)。大橋のアコギ、石成のエレキに導かれビンテージな音像が広がった「Lonelyの事情」(☆)。常田のピアノ、浦のハモンドオルガン、大橋の〈君が言うなら/どこだって会いに行く〉というボーカルから始まった「きみがいいなら」。フォーク的な歌とダイナミックなバンドサウンドが一つになった「ミスターカイト」。そして、「遠くでサイレンが泣く」(☆)。大橋、常田が生み出してきた多彩な楽曲を、凄腕のミュージシャンたちが演奏する。きわめて真っ当なやり方で、スキマスイッチは自らのライブを育ててきた――そんな手ごたえが真っ直ぐに伝わってきた。
雨の街を映した映像を挟んで届けられたのは、「僕と傘と日曜日」。そして、哀切な感情をと大スケールのサウンドが共鳴する「クライマル」(☆)へ。〈もう一歩先のステージへ 願いをかけはい上がるんだ〉という決意を込めた歌、迫力と気合いに溢れたアウトロの演奏はライブ中盤の大きなハイライトだった。
ここで恒例のトークコーナー。2月のツアーのスケジュールが立て込んでいて、体力をキープするのが大変だったという話から始まり、「選んだパートだからしょうがないけど、なんで歌うことを選んだのかな(笑)」「こんな大勢の人の前で大声出すことなんて、そうそうないよ」(大橋)と“そもそも話”へと突入。自由すぎる喋りもまた、スキマスイッチのライブの楽しさだ。
パーカッションと歌から始まった「雫」からライブは後半へ。「OverDriver」では“自分を超えていけ”というメッセージを高らかに響かせ、ライブアンセム「Ah Yeah!!」ではサビで観客がタオルを投げ、心地よい高揚感へとつながる。MVの映像を映しながら披露された「逆転トリガー」(☆)のあとは、代表曲「全力少年」。観客とのコール&レスポンスによって一体感を生み出し、後半はサックス(ツアーに参加した宮崎隆睦/Saxも登場)、トランペット、ギターのソロ演奏によって会場全体のテンションをさらに引き上げた。
ここでバンドメンバー、スタッフ、ファンへの感謝を改めて伝えた大橋。「20年以上も音楽をやれるなんて思ってませんでした。この先どれだけやれるかわからないけど、みんなが“スキマスイッチの新曲聴きたい”“ライブやらないの?”と言ってくれるうちは一生懸命続けていきたいと思います」という言葉に客席から温かい拍手が送られた。本編ラストは「Lovin’ Song」。〈たとえ命が果てようとも/歌うよ 歌うよ あぁ君のために〉というフレーズは、観客ひとりひとりの胸にしっかりと刻まれたはずだ。
アンコールも見どころたっぷり。常田がピアノを弾き、大橋が歌い始めた瞬間にどよめきにも似た歓声が生まれたのは、「桜夜風」。1stアルバム「夏雲ノイズ」に収められたこの曲は、ファンの間で根強い人気を得ている知る人ぞ知る名曲。この季節にぴったりの歌が広がり、豊かな感動へと結びついた。曲の途中で大橋と常田のトークを挟む演出も楽しい「ごめんねベイビー」を披露した後、最後のMC。このバンドメンバー、このチームだからこそツアーを続けられること、恵まれた環境で音楽を続けていることのありがたさ、そして、自分たちの音楽を聴いてくれるリスナーに対する思い。「僕らはできるだけ長くやっていくので、みなさんも元気でいてくださいね」(大橋)と語り掛け、名曲「奏(かなで)」へ。全身全霊で声を響かせる大橋。歌をしっかりと支え、楽曲の世界をダイナミックに奏でる常田とバンドメンバー。この日のライブの充実ぶりを象徴するような演奏によって『スキマスイッチ TOUR 2024-2025 “A museMentally”』は幕を閉じた。
アルバム「A museMentally」とキャリアを代表する楽曲によって、“今”のスキマスイッチを伝えた大橋卓弥と常田真太郎。J-POPの中心的存在となった彼らの音楽は、ここからさらに広がっていくことになりそうだ。
Text:森朋之
Photo:岩佐篤樹
■ スキマスイッチ HP
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