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佐藤竹善、時代をトリップするライブ!"日清パワステ"で至高の歌声を披露!

May 13, 2021 19:30

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佐藤竹善、時代をトリップするライブ!"日清パワステ"で至高の歌声を披露!

1980年代後半、第二次バンドブームの中、89年に開業された日清POWER STATION。通称「パワステ」。「食事もできるおしゃれなライブハウス」として多くのミュージシャンがライブをしたあの思い出多き場所が昨年、日本初の配信型ライブハウスとして生まれ変わったのをご存知だろうか。

そんな日清食品 POWER STATION [REBOOT]で2021年5月12日(水)、バンド・Sing Like Talkingでも活躍する佐藤竹善がライブを行った。タイトルは「Acoustic Vibes @日清食品 POWER STATION [REBOOT] Powered by J-WAVE」。ここでは、その模様をお届けする。今回ならではのバンドの編成、選曲の数々を文面越しに少しでも楽しんでいただければ幸いだ。

配信ライブ開始前のカウントダウンのあと、心地の良いピアノ音色が耳元で鳴り響く。クリストファー・クロスの代表曲をアレンジした「トーキョー・シティ・セレナーデ (ARTHUR'S THEME) 」からライブはスタートした。先日、58歳を迎えた佐藤だが、デビュー当初からのクリアな歌声は健在。優しい光が照らされるステージの中心で語りかけるように名曲を歌い上げ、静かに楽譜を置く。心地の良いピアノサウンド、そして佐藤の歌声の余韻に浸っていると聴こえてくるのは、小田和正が作詞作曲をした名曲「私の願い」。大切な人を思った楽曲を静かに弾き語り、MCを挟まずにチャカ・カーンの「Through The Fire」へ。佐藤の美しいファルセットが堪能できる一曲だ。原曲の雰囲気を残しつつも佐藤竹善色に昇華されたこの楽曲は、女性シンガーの楽曲をここまで完璧に歌い上げる佐藤のパフォーマンスの高さ、そして音楽に対する造詣の深さを物語っていた。

佐藤の弾き語りライブ定番の3曲を歌い上げたところで、今回のバンドメンバーを紹介。「今日限りのセットリスト、編成でお送りします。画面の前で張り付いて観てください」と話したあとに紹介されたのは、Sing Like Talkingのサポートでもお馴染みの、ギター・金澤健太、ベース・スティング宮本。そしてSing Like Talkingのメインギターであり、佐藤の幼馴染である西村智彦だ。

3人が最初に披露したのは、ザ・ビートルズのカバー曲である「I FEEL FINE」。ピアノの弾き語りの雰囲気は一変、小気味の良いバンド・アンサンブルだ。佐藤の歌声に合わせ、宮本の抜群なコーラスがステージに鳴り響く。佐藤の「今日限りのセットリスト、編成」というのはこういうことかと納得する。曲の最後には、「Hey Jude」の一節も入れ込んで、まさに今日しか聴けないアレンジを施していた。

歌い終えた佐藤は、今は亡き偉大なギタリスト・松原正樹とのエピソードを明かす。次に歌ったAmericaの「VENTURA HIGHWAY」は、松原正樹とも演奏した、佐藤にとって思い出の楽曲だ。1972年発の楽曲にも関わらず耳に届くのは新鮮かつ洗練されたサウンド。佐藤、金澤、宮本の息のあったハーモニーが重なり、「本番がいちばんうまくいったね」と佐藤自身も納得の演奏だった。

次に披露されたのは、サザン・オールスターズの「Ya Ya (あの時代を忘れない)」。佐藤自身、デビュー当時から聴いていたというサザンの楽曲であり、自身のカバーアルバムにも収録している。ノスタルジックな雰囲気の中、西村のギター・ソロに優しい目を向ける佐藤の表情が印象的だった。

佐藤が「20代のときに演っていたこの場所でできてよかった。長生きしてよかったね」と西村に投げかけると、「まだ57だよ(笑)」と仲の良さを感じられるMCも。そのあとに披露されたのが、2人のバンド・Sing Like Talkingの「Restless ~君の許へ~」。同じくメンバーの藤田千章が作詞した楽曲は27年前に制作されたもの。ミニマムな編成ならではのアレンジを新鮮と感じたファンも多いはずだ。

「高校生のときに聴いて、大人の曲だなと思った」と懐古して紹介したのは、西村智彦に多大な影響を与えたギタリストである、松原正樹が所属していたバンド・パラシュートの「SYLVIA」。西村はコード進行が難しい曲だと解説し、「ちゃんと譜面が見えるかな」と冗談まじりに話しつつも、イントロから圧巻の音色を響かせる。演奏の途中、何度も西村の手元へカメラがフォーカスする様子はオンラインライブならでは光景と言えるだろう。佐藤も、敬愛する松原の楽曲をムーディーに歌い上げた。

次の曲は、西村のギターが輝くエリック・クラプトンのカバー「Believe In Life」。巧みなテクニックと、宮本のグルーヴィーなベースに酔いしれ、最後の曲へ。「この曲はカップヌードルのCMの曲だったね」(佐藤)と披露されたのは、大沢誉志幸のカバー「そして僕は途方に暮れる」。小気味よいベースに、金澤もギターがアクセントとして光るバンドサウンドにアレンジされた同曲でライブを締めくくった。

アーティスト佐藤竹善の思い出に触れながら、音楽を楽しむ。さまざまな時代をトリップしているような気分させてくれるライブだった。

ライブ終演後には、佐藤と西村によるトークセッションも行われた。配信ライブの視聴者から続々と届く「すごかった」「全国でやってほしい!」といった感想にリアクションしながら、当時の「パワステ」の思い出を語り合う。チキンラーメンのキャラクターである「ひよこちゃん」が登場する一幕も。

ラストは「ライブをやる側、見る側が楽しめるために今後も頑張っていきたい、またお会いしましょう」と視聴者に呼びかけ、ライブは幕を閉じた。

今回、特別なライブを繰り広げた佐藤竹善率いる、Sing Like Talkingが主催する野外イベントが秩父ミューズパークで9月4日(土)、5日(日)の2日間、開催されることが決定している。30年以上に渡り、多彩な音楽を自由に取り入れ表現してきた自由さ。共に時代を歩んできた音楽仲間との出会いと、その温かさへの感謝。それらをコンセプトに開催される「Sing Like Talking presents Picnic Music ’21」には宮沢和史や渡辺美里などのアーティストが出演する。アーティストがリスナーと共に歩んできた時代を感じながら、進化した姿が楽しめるイベントになりそうだ。

取材・文:笹谷淳介
撮影:上飯坂一



■ Sing Like Talking オフィシャルサイト
https://singliketalking.jp/

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