POPSCENE - ポップシーン
POPSCENE - ポップシーン

THE BAWDIES、約8ヶ月ぶりの再会!中野サンプラザ公演オフィシャルレポート!

November 3, 2020 12:00

THE BAWDIES

0
シェア LINE
THE BAWDIES、約8ヶ月ぶりの再会!中野サンプラザ公演オフィシャルレポート!

THE BAWDIESが10月30日(金)に、有観客&配信のワンマン公演”Rock, Re-unite, and Roll!!”を中野サンプラザで開催した。新型コロナウイルスの影響により、昨年12月より4月まで予定していた「Section #11 Tour」の2月末以降の公演が中止、また振替公演も中止となってしまったため、観客を動員してのライブは約8ヶ月ぶりとなった。ツアーを完走できなかった悔しさを胸に、最新アルバム「Section #11」からの楽曲はもちろん、この8ヶ月間に作り上げた新曲を交え、最新のTHE BAWDIESの生のロックンロール・ショウを生配信で全国にお届けした熱い公演の模様をレポート!

なお、この公演はPIA LIVE STREAMとローチケ LIVE STREAMINGの2プラットフォームで生配信されたが、11月8日(日)までアーカイブ配信されている。また、ライブ直後の楽屋よりお届けした”オンライン打ち上げ”はPIA LIVE STREAMで同じく11月8日(日)までアーカイブ配信中。まだ観ていない方、会場で参戦した方も今度は配信で、ぜひチェック!

また、本日11月3日は”レコードの日”。THE BAWDIESは7inch盤「SKIPPIN’ STONES / LET’S GO BACK」をリリース!”Rock, Re-unite, and Roll!!”でももちろん披露している。ぜひドーナツ盤でも堪能しよう!

昨年11月にデビュー10周年、結成15周年のアニバーサリーイヤーを締め括るアルバム『Section #11』をリリース。その後、予定していた全国32公演のアルバムツアーが道半ばにして新型コロナウィルスの感染拡大の影響で公演中止となったTHE BAWDIES。絶対的なライブバンドである彼らがその先のキャリアを研ぎ澄ませたパフォーマンスによって果敢に切り開こうとしていたツアーの中止は、ファンはもとより、彼ら自身、どれだけ悔しかったか。しかし、その無念さを胸に、想定外の空白時間を更なる前進のため、断続的な楽曲制作の期間へと転換した彼らは、7月11日に新宿red clothで行った初の無観客配信ライブを経て、10月30日、オーディエンスが待つ中野サンプラザのステージに遂に帰ってきた。

実に8か月ぶりとなる有観客+生配信ライブ、その名も『Rock, Re-unite, and Roll!!』は、ロックンロールの元で、バンドとファンが再会を果たす一夜だ。感染予防対策が万全に敷かれた会場は、動員数が定められ、距離を取った客席は歓声が封じられるなど、まだまだ、平常時のライブ環境とはいえなかったものの、これから始まろうとしている声にならないライブへの期待感が濃密に感じられた。そして、ステージに登場した4人がヴォーカルROYの「また、いちから始めていこうと思ってます」という一言と共に始めたオープニングナンバー「I BEG YOU」は客席から宙に向かって一斉に上がった両腕が、オーディエンスの解き放たれた感情、その喜びの大きさを物語っていた。熱いソウルを放つシャウトと共に楽曲を牽引するROYのベースとそれに寄り添うMARCYのドラム、そして、TAXMANとJIMによる2本のギター。全てがユナイトした演奏は、時代を超えたロックンロールの普遍的な魅力をラウドに増幅させ、瑞々しいままに伝えてみせた。

そして、「IT'S TOO LATE」、「NO WAY」といったお馴染みのTHE BAWDIESクラシックを前のめりに演奏した後、MCで「『Section #11』という最高のアルバムを伝えきれずに終わって……」と中止になってしまったツアーについて語りながら、ドンと地団駄を踏むROY。「ただ、今日、その機会ができたということで、もう少しその続きをさせて頂きたいと思います」という言葉と共に、彼らがツアーで見せたかったであろう“現在から未来に向かっていく”バンドの姿がステージ上で体現された。60年代のビートバンドが持っていた荒々しさとサイケデリックな色彩感覚が共存した「DON'T SAY NO」やハードなギターサウンドがコーラスのキャッチーさを際立たせた「LET'S GO BACK」、甘酸っぱいモータウンソウルをファストに、ラウドにチューンアップしたTAXMANのボーカル曲「EASY GIRL」、作品ではストリングスをフィーチャーし、壮大な広がりを見せる「HAPPY RAYS」。ベストアルバムを超えるべく制作された最新アルバム『Section #11』収録曲は、彼らにとって不動の軸であるロックンロールに、サイケデリックロックやサザンロック、ハードロック、ディスコやファンクといった新たな要素を加え、ライブにおいてもその表現の幅の広がりを強く印象づけた。

さらに、バンドの進化を推し進めているのが、続々と生まれつつあるという新曲の数々。この日はそのなかから3曲が披露されたが、10月21日に配信リリースされた最新シングル「SUN AFTER THE RAIN」は、この日のライブに向けてレコーディングされたスペシャルな1曲。エッジの効いたバンドサウンドとコントラストをなすリリック、そこに込めたウィズ・コロナ時代を共に生きるリスナーに向けた思いがあたたかく会場を満たした。緩急をつけ、「KICKS!」から「LEMONADE」、「KEEP YOU HAPPY」を繋いだメドレーや恒例の小芝居と共に届けられた「HOT DOG」、「JUST BE COOL」といったライブ定番曲を織り交ぜながら、「BLUES GOD」、「SKIPPIN' STONES」といった最新アルバム収録曲を通じ、変わりゆくバンドの姿を見せつけた彼ら。ただし、新たな道を切り開きながら、THE BAWDIESがリスナーと共にあることは、ROYのピアノ弾き語りによって歌われたソウルバラード「STARS」を紹介する言葉からも見て取れた。

「「STARS」という曲は新曲の「SUN AFTER THE RAIN」と同じような気持ちを歌った曲。どうしたらいいか分からないとか、前に進めないとか、そういう時は誰にでもあると思うんですよ。そんな時は立ち止まって、上を見上げたら、昔と変わらない夜空がある。その星たちを見れば、肩の力が抜けて、普段の力が取り戻せるんじゃないか。その星たちが次に進むべきところに押し出してくれるんじゃないかって」

アンコールなしの全17曲を1時間半で一気に駆け抜けたこの日のライブは、動画配信限定の楽屋でのアフタートークで大団円を迎えた。ライブを楽しむ環境としては、コロナ以前の状態に戻ったとは言い難いが、困難な時だからこそ、彼らにとって爆音でロックンロールを楽しむというTHE BAWDIESの原点回帰をオーディエンスと共有したかったのだろう。そのステージの背後で輝いていたのは、2010年10月11日の渋谷AXでのワンマンライブで使用された電飾のバンドロゴだ。そのライブとは、バンドが大きく飛躍していく重要な時期に起きた自動車事故によってツアーの中断を余儀なくされた彼らが劇的な復活を遂げた夜。彼らの長い歴史において伝説と呼ばれるライブに現在の心境を重ねながら、「ウィズ・コロナの時代を必ずやサバイブしてみせる」という無言のメッセージが強く感じられた。活動の存続を脅かす逆境に直面しても、逆にそれを糧に大きく成長してきたTHE BAWDIESは、雨の後に差す、暖かく眩しい日の光を目指して、今後も歩みを進めてゆく。

text:小野田 雄
photo:山川 哲矢



Rock, Re-unite, and Roll!!
10月30日(金)中野サンプラザ公演
アーカイブ配信:11月8日(日)23:59まで


□ ライブ本編
購入期間:~11月8日(日)21:00
PIA LIVE STREAM:https://w.pia.jp/t/thebawdies-of/
ローチケ LIVE STREAMING:https://l-tike.com/thebawdies/
視聴チケット:3,000円

□ オンライン打ち上げ
購入期間:~11月8日(日)21:00
https://w.pia.jp/t/thebawdies-of/
会費:696円(Rock and Roll!!)

Related Images