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MISIA 星空のライヴX Life is going on and on 7月7日 東京国際フォーラム ホールA ライヴレポート

MISIA 星空のライヴX Life is going on and on 7月7日 東京国際フォーラム ホールA ライヴレポート

July 12, 2018 19:30

MISIA

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4月28日に横浜アリーナで観た【20th Anniversary THE SUPER TOUR OF MISIA Girls just wanna have fun】の興奮も冷めやらぬまま、7月7日、【20th Anniversary MISIA 星空のライヴⅩ Life is going on and on】(以下:『星空のライヴⅩ』)に熱狂した。今年デビュー20周年を迎えたMISIAの勢いは止まらない。6月17日、台湾の台北国際会議センターを皮切りにスタートした『星空のライヴⅩ』は来年2月、東京・NHKホールにてゴールを迎える。筆者がレポートする東京国際フォーラム ホールA公演は日本に戻って2本目。つまりまだまだネタバレは出来ない。特に新旧織り交ぜた今回のセットリストでは、自分の愛する楽曲が流れた瞬間の喜びや驚きも大切なエッセンスなので、構成も含めて細かい内容は伏せておく。

昨年の【THE TOUR OF MISIA LOVE BEBOP all roads lead to you】でもオープニング・アクトを務めたLittle Black DressのRYOが今回もオープニング・アクトを務め、定刻を少し過ぎた頃にライヴはスタート。バンドメンバーはバンドマスターの重実徹(Key)と、弦一徹ストリングス、TOMO Kanno(Dr)、日野JINO賢二(Ba)、吉田サトシ(G)、鈴木明男(Sax)、佐々木久美(Org,Cho)、Geila Zilkha(Cho)、ASA-CHANG(Per)。

MISIAがリズムに合わせ「今年はMISIAの20周年イヤーの年でもあり、そして今夜は私ごとではありますが二度目の成人式を迎えさせて頂きました(笑)」と挨拶すれば、オーディエンスは祝福の大歓声を上げる。そう、7月7日のこの日はMISIAの誕生日。会場からも「誕生日おめでとう!」の声が飛ぶ。20年歌い続けられたことへ「こうしてMISIAの歌を、音楽を聴いて、そして愛してくださる皆さんがいるからです。今年もこんなに暖かい誕生日を迎えることが出来ました。心からありがとうございます。」真剣な眼差しで感謝を述べた。誕生日を迎えたことで大人になりつつも「まだまだ油断出来ないところがありますので(笑)」と茶目っ気を見せるMISIAに油断ならない状況はすぐさまやってきた。

この日、歌ってきたここまでの曲がどのアルバムに収録されているかの説明中、「あれ?6枚目の『SINGER FOR SINGER』っていうアルバム、何年に出しましたっけ?」とど忘れ。会場から「2004年!」と声が飛ぶと「ああ、やっぱりみんな知ってるな。」と汗を拭く。ファンキーで格好良い女性をテーマに書いた“LADY FUNKY”について語る最中も「あ、良かったら皆さんお座りになられませんか?すいません、気づかなくて(笑)興奮しちゃって、興奮しちゃって…。」と、あまりに気さくな口調で着席を促したため、客席からも「何だか可愛い人なんだね(笑)」と聞こえてくる。筆者も思わず心の中で頷いてしまった。

20180707_172413_AK0247.jpgMISIAは現在アルバム制作に向け、レコーディングも進行中。NHK-FM「MISIA 星空のラジオ」にゲスト出演した米倉利紀氏提供による未発表曲をはじめ、“LADY FUNKY”や、同じく米倉氏による“LOVED”、偶然の幸せな出会いを意味する“SERENDIPITY”など、未発表曲も次々披露。実は“LADY FUNKY”にはモデルがいる。MISIAが、「男女問わずウィットに飛んだ表現で同じように意見が言え、遊びも仕事も恋愛もすべてを楽しんでいる女性」だと語る、東京・丸の内のアンティカ・オステリア・デル・ポンテ東京店の女性オーナー。そんな素敵な女性オーナーとの縁で繋がれ誕生した「MISIA’S DINNER」(MSA会員限定)がアンティカ・オステリア・デル・ポンテ東京店で、この日より同コース料理(有料)として楽しめるらしい。【20th Anniversary THE SUPER TOUR OF MISIA Girls just wanna have fun】でも演奏された“LADY FUNKY”のファンキーなリズムは実に印象的だった。

その他、TBSテレビ火曜ドラマ『義母と娘のブルース』の主題歌に決定したGReeeeNとの初コラボレーション楽曲“アイノカタチ”もこの日、初披露。MISIAは『義母と娘のブルース』を「今の時代にすごく必要なドラマ」と語る。自身が活動を行っているアフリカの教育支援などから、アフリカには血の繋がりがないが、愛に溢れる家族が沢山いることを教えてくれた。そういう活動やドラマの内容を踏まえ、MISIAとGReeeeNのHIDEは、人と人とのコミュニケーションの一番根本的な「大切な愛」を伝えようと考え、この “アイノカタチ”が生まれたと語る。

20180707_183019_AK9936.jpgオーディエンスがタオルを回し、会場を揺らすアッパーチューンであれ、“Everything”のようなオーセンティックなバラードであれ、MISIAは体全体を使いエネルギッシュに表現し、ドラマチックに歌い上げる。響き渡る歌声、グルーヴ感溢れる演奏、眩いライト、オーディエンスのクラップや歌声。曲が終わるごとに訪れる感動の嵐は拍手や歓声となってMISIAに降り注ぐ。MISIAが言う「20年間の中で培ってきた愛の形」それはオーディエンスだろう。会場を見回しながら愛情溢れる声とハグポーズで「もうね、抱きしめられるなら抱きしめたい!」。嘘偽りないMISIAの言葉にやはり会場からは歓声が湧いた。

「最近歌を歌っていてつくづく思うんです。 私がこうして大好きで歌っている音楽って、音楽そのものが七夕みたいだなって。」と七夕に生まれたMISIAは言う。天の川を挟んでいつもは離れ離れの織姫と彦星だが、7月7日はたとえ雨が降っても、鳥が飛んできて二人の間に橋をかけてそれを渡って二人は絶対に会えるらしい。その話を知らなかった筆者はライヴがスタートする前のSEに納得した。

「音楽って聴いてるとそんなとこない?」そう言うMISIAにとってライヴは、音楽は、普段会えないみんなに会える架け橋なのだ。「でもこうして会えた瞬間にやっぱりさ、嬉しい!と…思わなかった?」楽しいことだけでなく、辛いことや悲しいこともあったという20年を思い出し、MISIAは感極まって涙声に。改めてこの日こうして会えたことに感謝しながら「年々、涙もろくなってるね(笑)」と照れくさそうに涙を拭って笑ってみせたが、オーディエンスも同じように涙を拭いながら笑顔でMISIAに拍手を贈っていた。

最後に改めてメンバー紹介をすると、突然メンバーが“Happy birthday to you”を演奏し、会場も大合唱。サプライズでケーキも用意された。オープニング・アクトを務めたLittle Black DressのRYOと共にケーキを運んだ子供(ミニMISIA)の「MISIAおめでとう!」に最高の笑顔を見せながら、みんなの幸せを沢山祈りつつケーキをひと舐め。最後に恒例の、しかし新しい年齢になって初めての「最後にMISIAと呼んでくださーい!」「MISIAー!」のやりとり。「誕生日をこういう風に過ごせるって、やっぱり…幸せ!」と噛みしめるように言っていたMISIAにとって、オーディエンスの熱狂は最高のバースデープレゼントになったのではないだろうか。

『星空のライヴⅩ』はスタートしたばかり。 20周年を迎えたMISIAの新しい音楽の扉はまだまだ開きそうだ。

Photo:AKI
Text:秋山雅美(@ps_masayan

 

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Information

Release

MISIA New Single
「アイノカタチfeat.HIDE(GReeeeN)」

2018年8月22日発売

-収録曲-

M1「アイノカタチfeat.HIDE(GReeeeN)」
M2「LADY FUNKY」
M3「アイノカタチfeat.HIDE(GReeeeN)-TV size-」
M4「アイノカタチfeat.HIDE(GReeeeN)-Instrumental-」

アイノカタチfeat.HIDE(GReeeeN)

CD

初回デジパック仕様 / 1,200円(税別)