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上北健『花さわぎ』インタビュー

上北健『花さわぎ』インタビュー

March 23, 2018 18:30

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ー 前回はコンテンポラリーダンスの方とコラボレーションでしたが、第一回目からコラボレーションをされていたんですか?

コンセプトライヴであることにかわりはないんですが、他の方を招いたのは前回が初めてでした。もともとKKから上北健に名義を変えるタイミングで、いわばお披露目みたいなイメージでスタートしたライヴだったんですが、それを二年目、三年目と続けていくのは面白いんじゃないかと思ったんです。二年目は普通のライヴと差別化しようと思って映像を入れたりもしました。


ー 三年目はコンテンポラリーダンスの他に、ご自身でポエトリーリーディングにも挑戦されていましたよね。

ええ。それまでにないライヴを観せたいという意識は第一回から変わらずにあったんですが、その第三回公演を作る際、曲や内容において、この公演のためだけのものを何か作ろうと考えたんです。それに伴って表現の仕方も変えてみたんです。だから、ポエトリーリーディングをしようと考えたというよりは、その公演にマッチする物語…曲を書くというより物語を書こうというスタンスでした。


ー その結果がポエトリーリーディングだったと。

そうです。物語というか、脚本や舞台の台本みたいなものかな。なので台詞として伝えたい部分はリーディングという形をとりました。


ー 話は変わって、詳細情報は近日解禁とのことですが、今年6月には日本で舞台にも出演するそうですね。それはそうやってライヴで台本を書くようなことをして、お芝居にも興味が出たということですか?

これに関しては僕発信ではなく、コンセプトライヴを演りはじめて以降、僕のライヴを観てくださった「Atoa.」という和太鼓グループの方にお誘い頂いたんです。きっと「普通のライヴをする人間じゃないな、こいつは。」と思って下さったんだと思いますが(笑)、きっと彼らが表現したいこととマッチングしたんだと思います。


ー では今は頭の中に台詞が入りはじめている状態ですか?

いいえ。お芝居というよりは舞台芸術みたいな感じなんです。だから基本的に台詞ではなく、動きや歌、それからポエトリーリーディングで構成されます。あくまでも上北健の表現方法を舞台に組み込んで頂く形。Atoa.の和太鼓の他に、阿部一成さんという篠笛演奏家の方と、林 広さんという藍染家の方も出演されます。Atoa.の公演では、今迄能やバレイダンサーが入ったり連弾のピアニストが入ったりと、舞台芸術として垣根のない表現をされているんです。他分野の方とコラボレーションする上での価値観が一致したので、今回挑戦させて頂くことになりました。


ー 今迄の上北さんの表現を取り入れつつ、新しい上北さんも観れそうなのでそちらも楽しみですね。

これから大変にはなると思いますが、今はまだ僕自身、楽しみの方が大きいです。


ー では【僕と君が、前を向くための歌】の話に戻りますが、第四回となる今回は『花さわぎ』と題して華道家・塚越応駿さんを迎え、生け花パフォーマンスと楽曲のコラボレーション。塚越さんと共演するきっかけは何だったんでしょう。

昨年の6月に、生け花のライヴパフォーマンスで対戦するイベントを開催しているチームがあることをたまたまインターネットで見つけたんです。それがすごく面白そうだったので是非一度観てみたいと思ったんですが、あいにく東京での公演がタイミング的になかったので、大阪まで観に行ったんです。生で観るとやはり素晴らしくて。その時はまだこの3月に【僕と君が、前を向くための歌】の第四回公演に関わってもらおうとは思っていなかったんですが、ライヴを企画する秋頃のタイミングで、昨年に引き続きコラボレーションをやりたいと思って色々と考えていたら、6月に観たその公演を思い出したんです。そこで紹介いただいたのが塚越さんでした。


ー では塚越さんともお打ち合わせを重ねて?

はい。先日も東京・品川でそのイベントがあって、観に行ってきました。塚越さんと最初にお会いした時、僕のCDを買っていてくれて「車で聴いています!」と言ってくださったんです。それだけで、すごく良い人だなって思って(笑)。


ー でもすごいですね!ちなみに塚越さんはどういう方ですか?

今年で41歳になるので僕より10歳以上年上なんですが、精悍で素敵な方です。まず僕の曲に感銘を受けてくれたということはコラボレーションさせて頂く上で良かったと思いますし、誠実に色々と考えてくださっているので、すでに早く演りたいという気持ちでいっぱいです。


ー 歌は歌、花は花という感じではなく、まさにコラボレーションというステージになりそうで、すごく楽しみです。

ええ、僕もとても楽しみです。第三回の時に台本を書いたことをきっかけに、その後の自分のライヴスタイルも変わってきたんです。昨年もツアーコンセプトの台本を書いたり、単発のライヴでも出来るだけそういう取り組みをしていこうという形で続けているので、今回の【 僕と君が、前を向くための歌” 4th STAGE『花さわぎ』】も勿論同じ形で書いています。そのストーリーに添って塚越さんと彼の作品がどういう風に変化していくか?どの曲のどういう部分でどう変化するかをうまくリンクさせてクライマックスに向けていければ良いのかを試行錯誤しました。第三回も当然かなり気合は入れましたが、今回はそれ以上というか、今迄のライヴの中で最もと言って良いくらい、綿密に内容を考えました。特に、物語に留まらず楽曲の方にもかなり仕掛けを考えているので、個人的にはこの一日で終わらせるには勿体無いくらいの気持ちで作りました。だから早く演りたいけど、演ったら演ったで淋しいかなという感じです。


ー 先程、他分野とのコラボレーションに対しての価値観というお話がありましたが、音楽とは他分野の方とコラボレーションする醍醐味はどういうところでしょう?

上北健の音楽が好きと言ってくださる人たちが、きっと同じように好きになってくれるであろう表現者は音楽世界に留まらず、色々な世界にいるんです。それを知ってもらうきっかけがコラボレーションだと思っています。音楽のアーティストアイコンだけを使ったものだけで世に知らしめるという手法ではなく。だから決して僕だけを観てくれる必要はなくて、色々な素晴らしい表現者を知った上で、僕の曲はその中のひとつという位の在り方で良いと思っているんです。それに同じような志を持っている方と同じステージに立つことや、そのための準備をする時間って、自分は正しいんだと思わせてくれるんです。…正しいと決めつけてはいけないけれど、少なくとも正しいと思える時間なんです。作っている側からすると、お互いが持つ共有感は少なくとも安心出来るし。勿論CDを聴いて「すごく良かったです!」と言ってもらえることは、とても勇気づけられます。でも、それとはまた違った安堵というか。それを感じられる時間はたまらないものがありますね。


ー 創作において純粋に向き合う大切さって、すごく分かります。

だから本当に皆さんにも、今回の【僕と君が、前を向くための歌” 4th STAGE『花さわぎ』】は観に来てもらいたいです。


ー ありがとうございました。ライヴを楽しみにしています!



interview&text:秋山雅美


■ 上北健オフィシャルサイト
https://kamikitaken.com

■ 上北健「ビューティフル」セルフライナーノーツ
http://popscene.jp/foundit/039306.html

■ 上北健 プレイリスト "My favorite songs"
http://popscene.jp/playlist/039363.html

  インフォメーション

上北健 HALL LIVE IN TOKYO “僕と君が、前を向くための歌” 4th STAGE『花さわぎ』
2018年3月25日(日)
東京・渋谷マウントレーニアホール
チケットプレイガイド:http://w.pia.jp/t/kenkamikita/(チケット発売中)
特設サイト:http://smarturl.it/kamikita.hanasawagi


韓国ソウル単独公演
2018年6月2日(土)・6月3日(日)
公演内容、チケット情報は後日解禁予定。

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