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「しのぶさんのパートナーだったらどういう気持ちだろう」海蔵亮太、女優・大竹しのぶと夫婦愛を歌った『ありがとうって気づいていてね』インタビュー

「しのぶさんのパートナーだったらどういう気持ちだろう」海蔵亮太、女優・大竹しのぶと夫婦愛を歌った『ありがとうって気づいていてね』インタビュー

November 4, 2020 19:00

海蔵亮太

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昨年「第61回 輝く!日本レコード大賞」新人賞を受賞した実力派シンガー、海蔵亮太。ダイナミックでありながら、聴く人に寄り添うような歌声は老若男女に愛される。認知症の妻が夫の名前は忘れなかった愛の実話を作品にした「愛のカタチ」をきっかけに続けている病院や施設での慰問ライヴは、オンラインという形で続けている。そんな海蔵が11月4日にシングル『ありがとうって気づいていてね』をリリース。何と今回は女優・大竹しのぶ氏とのデュエット。長く連れ添った夫婦の愛をテーマにした楽曲をどう海蔵は歌い上げるのか。またc/wは、コロナ禍の介護・医療従事者の方々へエールを送る応援ソング「Everyday Heroes」や、Siwoo氏をフィーチャリングに招いた「素敵な人よ」を収録。今作への想いに加え、大竹しのぶ氏やSiwoo氏についても語ってくれた。


ー 今回11月4日リリースのシングル『ありがとうって気づいていてね』のタイトルん曲は大竹しのぶさんとのデュエットなんですね!

そうなんです。この曲は長年連れ添った夫婦がテーマの曲です。長く連れ添ったからこそ「ありがとう」や「ごめんね」、「好きだよ」など言えなくなってくるけど、そういう中にある阿吽の呼吸みたいなものや、家族の素晴らしさを感じてもらえたらと思えます。


ー この曲は、ラジオ深夜便「深夜便のうた」10月-11月にも起用されていますが、例えば夫婦喧嘩の後でラジオ深夜便からこの曲が流れると「言いすぎちゃったかな」とか「最近ありがとうって言ってないよな」って思わせてくれそうですよね。

喧嘩した時って結構感情的になっちゃうと思うから、一歩引いて俯瞰して自分を観ることも大切だと思うんです。そういう意味でもこの曲を聴いてそういう気持ちになって貰えれば嬉しいし、毎日の生活の中で自分のパートナーとこの曲を聴いて「ありがとう」って伝えてみようかなとか、改めて相手のことを思い返すきっかけになればと思います。

kaizo2020110402.jpgー そもそも大竹しのぶさんとデュエットするきっかけは何だったんですか?

こちらからオファーさせて頂きました。一番始めに大竹さんとお会いしたのは共通の知り合いのパーティーだったんですが、そこで大竹さんが歌う「愛の讃歌」を生で聴いてその歌声に鳥肌が立ったのを覚えています。大竹しのぶさんと言ったら僕の中では大女優のイメージだったので、もうその歌声に感動しちゃって!その頃から漠然とですが、いつか歌でご一緒出来ればと思っていたんです。その後「深夜便のうた」のオファーを頂いたんですが、以前しのぶさんがラジオ深夜便で「ママ☆深夜便」という特別番組のパーソナリティを務められていたことを知り、思い切ってオファーをしたところ快く引き受けてくださいました。


ー 大竹さんって音楽が好きで、よく色々なバンドやアーティストのライヴにいかれていますよね。私も何度かお見かけしたことがあって。

そうなんですよね。音楽の話をすると、RAD(WIMPS)が好きだったり、その他にも色々な音楽を聴かれていて。


ー レコーディングではどういうお話をされたんですか?

特に音楽の専門的な話というより、歌詞を読んで「どう思う?」って言い合いながらお互いを知っていく感じでした。でも大竹さんってすごく自然体な方で、一緒にいるだけで顔がほころんできちゃうんですよね。


ー 先程「大女優」って言われていましたが、実際そのイメージも強いから、近寄りがたいイメージがありました。

そうですよね。敷居が高いというか。


ー そうそう。

僕も最初はそうでした(笑)。でもそういうイメージって周りの人や時代が作り上げたものなんじゃないかって思うんです。勿論ご本人の演技力の高さも相まってだと思うんですが、そういうものをすべて剥がした時のしのぶさんって、本当にナチュラルで、気さくで。変な意味ではなく町中にも普通にいそうな感じ。何度かお会いしてお話させて頂いたりレコーディングさせて頂く中で、そう感じましたね。


ー この曲のミュージックビデオ(以下:MV)でのお二人のエアハイタッチがすごく可愛くて。

こういうご時世だからこそですよね。


ー 年齢差を感じさせない素敵な曲という印象ですが、あえて年齢のことに触れると、夫婦より親子に近い年齢差じゃないですか。

ええ。 僕自身はしのぶさんとの年齢差に関して後から知ったんですけどね(笑)。


ー 歌う時に意識した点は?

大切にしたのは年を感じさせないようにすることでした。やっぱり自分自身が意識してしまうと夫婦としての歌が成立しなくなるから、それは曲に対しても失礼だと思ったんです。なので一緒にデュエットさせて頂くことが決定した時は、年齢は気にせずに本当にしのぶさんのパートナーだったらどういう気持ちだろうかということを意識して歌いました。だから聴いてくださる方が、昔の記憶に浸るも良いし、しのぶさんの姿を観て、今の自分の環境に置き換えて聴くのも良いし、それぞれの想いで聴いて頂けると嬉しいです。


ー この曲をカラオケで歌うポイントを教えてください。

この曲はデュエットなので、僕がハモる部分もあれば、しのぶさんがハモってくれる部分もあるし、最後はユニゾンで歌ったりもしています。なので二人の声質や息をいかに合わせるかがポイントじゃないかなと思っています。


ー 海蔵さんのパートに「大事な記念日も忘れがちで」とあるけど、海蔵さん自身は?

(小声で)めちゃくちゃ忘れます。


ー アハハ!

もうめちゃくちゃ忘れますよ!記念日とか全然分からないですもん(笑)。そもそもそ僕、曜日感覚がおかしいし、人間が決めた24時間の中で生きてないんですよ。


ー そう言うとなんだか格好良く聞こえるけど、どこでどうはみ出して生きているんだろう(笑)。

分からないです(笑)。でもそのせいか記念日とかすごく苦手で。それこそ記念日だから祝うとか何かを伝えるということがあまり好きじゃないんですよ。記念日じゃなくても一緒にお祝いしたいとか、伝えたいと思えばそうする派です。


ー 思ったことはきちんと言うって、以前のインタビューでも言っていましたもんね。

そうです、そうです!相手にも言って欲しいけど、言って欲しければ自分も言わなきゃ駄目じゃないですか。欲しがってばかりじゃ。


ー 確かに。

だから極力言うようにはしています。例えば花を買ってあげたいなと思えば記念日じゃなくても買うし。


ー 素晴らしい!

これはかなり昔の話ですが、誕生日や記念日ではない日にただ一緒に食べたいと思ってホールケーキを買ったことがあったんです。でもその時、店員さんに「プレートつけますか?」って言われて困りました(笑)。


ー 誕生日じゃないしね(笑)。

そうなんです!「誕生日ですか?(店員)」「いいえ、違います(海蔵)」「記念日ですか?(店員)」「いいえ、違います(海蔵)」「……じゃあ何て書きますか?(店員)」みたいな感じで(笑)。だから今度「一緒にケーキを食べましょう」っていうメッセージを書いてもらって。


ー あ、でもそれ素敵かも!

そういうことを一緒に楽しんでもらうのが僕は好きですね。