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スキマスイッチ、セレクションアルバム『スキマノハナタバ ~Smile Song Selection~』 インタビュー

スキマスイッチ、セレクションアルバム『スキマノハナタバ ~Smile Song Selection~』 インタビュー

August 18, 2020 12:00

スキマスイッチ

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ー ああ、なるほど。「アーセンの憂鬱」も嬉しかったですが、自分はこんなに「時間の止め方」が好きだったんだと発見があってすごく面白かったです。是非こういう企画は今後も続けてほしいですね。

大橋:そうですね。暫くはライヴをやろうと思ってもこういう形がメインになってくると思うし、今回カメラを入れてしっかりと配信ライヴに挑戦してみて、もっとこんなことも出来るかなとか、ああいうこともやってみたいとか、色々気づいたことも多かったんですよ。いつまでこういう状態が続くか分かりませんが、次に配信ライヴを演る時は、もう一段階上の挑戦が出来ると思います。


ー それは楽しみです!今後、何の問題もなく今までのようにライヴができるとしても、無観客での配信ライヴというのは新たなひとつのコンテンツとして残っていくと思いますか?

常田:思いますね。ただどのくらいの規模でやるかなど色々条件は出てくると思うから、出来る人、出来ない人は分かれてくるんじゃないかな。それと僕は「無観客」と呼ぶのは違うんじゃないかと思ってきているんです。


ー 実際、沢山のお客さんが観ていますもんね。

常田:そう。それにその場にお客さんがいないんじゃなくて、こちらからお客さんに向けて配信するライヴだから、そこに客席がなくても良いんじゃないかなと思っているんです。


ー 大橋さんはいかがですか?

大橋:ひとつの形として残っていく……というか、僕の考えとしては“残っていっちゃう”のかなぁ…という感じです。実際ライヴというのは現場に来て、生の音を感じてもらうのが理想だし。会場に来てもらえれば会場でどんな音を鳴らすか僕たちなりに保証は出来るけど、お客さんがどういうコンテンツで聴くかによって音も変わってくるので、パフォーマンスとしてしっかりしたものを届けられるのかというと若干疑問があります。あともうひとつ。僕らは良いんですが、スタッフ的には良くないのかなと……。


ー と言いますと?

大橋:例えば僕らが50公演のツアーで全国を回ったとしたら、50本分のギャランティがスタッフに支払われますよね。


ー ええ。

大橋:でもそれが一回のライヴで1万人集まったとしても、スタッフは同じ金額で動かなきゃいけないのか?50本演ることで成立していたことが1本だけとなると厳しいと思うんです。勿論生のライヴと配信ライヴでは動きも違うし、動くお金も変わってくるので一概には言えませんが、そういう部分って今後考えていかなくちゃいけないかなと思っています。


ー 確かにそういう部分まであまり考えてはいませんでしたが、シビアな現実ですね。

大橋:ライヴってみんなで作っているから、演者がいれば出来るという話じゃないんですよね。ただその部分がきちんとクリアして配信という形が成立するとしても、僕個人的にはあんまり成立して欲しくないと感じています。


ー ちょっと話は変わりますが、こういう状況下なのでお二人もご自宅で過ごす時間も多かったと思います。常田さんは料理とかDIYをされていたようですが。

常田:ええ。単純に前から料理をやってみたかったんです(笑)。


ー 何を作られたんですか?

常田:炊飯器でジャンバラヤとか、ご飯を一緒に炊き込んだトンポウロウとか作りましたよ。


ー 美味しそう!なんか本格的ですね。

常田:すごく美味しかったですよ。でも基本はお米が入るから凄いんですよ、炭水化物の摂取量が(笑)。

大橋:(笑)。


ー それは……(笑)。

常田:でもご飯に味が染み込むせいか、物凄く美味しいのでクセになって何回も作っちゃいました(笑)。


ー あとDIYもされたようですが、普段から結構やっていたんですか?

常田:いや、それこそ中学生以来かな…。もともと壊れかけていた棚が2つあって昨年から何か良いのはないか探していたんです。でもなかなかこれっていうのが見つからなくて。それで自分で作ることにしたんですが、中学までは本当に棚も含めて色々作っていたんですよ。久しぶりのDIYだったので少し不安もあったけど、壊れることなく今もちゃんと使えています(笑)。


ー すごい!大橋さんはいかがですか?

大橋:最初は時間もあるから曲でも書こうと思ったんだけど、いざ書こうとするとあんまりそういう気分になれなくて。時間があるという考え方が出来なかったんでしょうね。テレビを付けても毎日同じニュースですし曲作りモードにはなれなかったんだけど、普段やれないことはないか考えて、ギターの練習をすることにしたんです。普段って、ツアー前とかにリハーサルスタジオに入って、そのライヴに対しての練習をするじゃないですか。


ー そうですよね。

大橋:それとはちょっと違う、いわゆる基礎練習みたいなことをする時間で普段なかなかないので、ずっと基礎練していましたね。とにかく毎日ギターに触ろうと思って。


ー 大橋さんくらいギターが上手な方が基礎練習って驚きました。

大橋:でもやっぱり全然出来ていなかったですよ。だから苦手な部分を重点的に反復したり、出来ないことを出来るようにしたりと、ずっと練習していましたね。


ー 8月19日にはセレクションアルバム『スキマノハナタバ ~Smile Song Selection~』をリリース。今回は第二弾ですが、テーマは「スキマスイッチの音楽で笑顔と元気を」。改めてこのテーマにした理由など教えてください。

大橋:前回の『スキマノハナタバ ~Love Song Selection~』同様、音楽を贈り物にしてもらえたら嬉しいなと思って、今回は元気になる曲を集めてみました。今だとプレイリストを作ってメールで送れば届くんですが、あえて物を手渡しや郵送で贈る。しかもそれが音楽だということが、そんな今だからこそ素敵なんじゃないかなと思って。僕らの楽曲って色々なタイプがあるし、あえて振り幅を広げることも目指して活動していたところもあるので、そういう色々なスキマスイッチを贈り物にしてもらいたかったんです。それに元気や笑顔をテーマにしたのも、自粛期間踏まえ今の状況ということが大きかったと思います。


ー こうやって新旧交えたセレクションアルバムってやっぱり面白いですよね。自分の中では「ゴールデンタイムラバー」が一番大好きだと思っていたのに「かけら ほのか」がとても胸に響いたり、やっぱり「青春」はいいなって再確認したり。まさに音楽の花束だと思いました。

常田:ありがとうございます。前作とかぶる曲があっても良いのか、ない方が良いのかも悩みましたし、<花>にまつわる曲を入れた方が良いのかも悩みました。でも選んでいる時に明るい曲が増えたことがまず第一印象としてあって。