松室政哉『毎秒、君に恋してる』インタビュー Part.2「松室政哉 × イラストレーター坂内拓 対談」
November 9, 2017 20:30
松室政哉
11月1日にAUGUSTA RECORDS / ユニバーサルミュージックよりメジャーデビューEP『毎秒、君に恋してる』をリリースした松室政哉。そのデビューCDのイラストを担当したのは、広告、書籍装画、雑誌を中心に幅広く活動する坂内拓。彼の作品の特徴でもある空間を大きく取ったシンプルな構成は、夜の青と電車の黄色が映える印象的な仕上がりで、松室の曲の世界に更なる想像力を与えてくれた。前回の松室政哉インタビューPart.1では、楽曲のことや【Augusta Camp 2017】について語って頂いたが、今回は坂内拓氏との対談!
坂内:よろしくお願いします。
ー よろしくお願い致します。お二人が会うのは…。
松室:これで2回目ですね。
坂内:そうですね。
ー 元々松室くんが坂内さんの作品を気に入っていたのが、オファーのきっかけだとか?
松室:デビューEPを出すにあたってジャケット案を考えた時、イラストが良いかなとは漠然と頭の中にあったんです。その上でスタッフとも色々話をしながらいくつか提案はしてもらったんだけど、僕の中であまりピンとこなくて。だから「もう少し僕も考えてみて良いですか?」ってお願いをして調べてみたんです。とは言え僕も、まだそんなにデザイナーさんやイラストレーターの方を沢山知っているわけではないから、探し方も分からない状態で(笑)。
坂内:なるほど(笑)。
松室:そういう中で坂内さんのホームページにたどり着いて、載っている作品を見たらグッときて。もしお願い出来るのならこの人しかいないと思ったんです。
坂内:本当ですか?ありがとうございます。
松室:それで半田マネージャーはじめ、スタッフの人にも見てもらったら「いいね!」ってなってお願いしたんです。
坂内:最初はどこで見つけてくれたんだろうって、思いました。
松室:最初、色々なアートディレクターのTwitterを見ていたんです。そういう人達って、よくイラストレーターや写真家の個展を見に行ったとかツイートしているじゃないですか。
坂内:あー、はいはい。
松室:その流れで坂内さんいたどり着いて。
坂内:そうなんですか。良かった、奇跡的に見つけてもらって。
松室:奇跡的(笑)。
ー 坂内さんは今までCDジャケットを手掛けられたことは?
坂内:初めてなので光栄です。打ち合わせで松室さんやアートディレクターの方と初めてお会いしたんですよね。
松室:そこで僕がめっちゃ漠然としたイメージを伝えて。本当に漠然としたことしか言っていなかったな(笑)。
坂内:(笑)
松室:曲のメッセージや、どういうシーンを歌っているか。であれば、何となく「駅」なのかな…とか、本当に漠然(笑)。僕自身、絵も描けないしどこまで言って良いのか、どう言葉にすれば良いのかもちゃんと分からなかったので、漠然としてしまって。まあそのくらいの情報で描いてもらった方が楽しいかとも思ったし。
坂内:確かにそうですね。
松室:でもここに人がいて、こういう構図って指示されることもあるんですよね?
坂内:ありますね。楽ではあるけどちょっとやりづらい…なんて言っちゃいけないかな(笑)。
松室:僕だって、例えばAメロのこの部分にはこの言葉を入れて、ここで一旦メロディ下がってなんて細かく指示されたら、ちょっと…と思うかも。確かにその通りに作れば曲は出来るけど何か違うじゃないですか。
坂内:うんうん。松室さんくらい漠然としていても全然大丈夫です。最初は僕自身イメージを決めずに打ち合わせに行ったんです。ただ、初めてということもあってその場は緊張してあんまり喋らなくて(笑)。
松室:そうそう(笑)。結構無口な方だと思ったんだけど、その後連絡頂いたんですよね。しかもInstagramのダイレクトメッセージに。
坂内:マニアックなところから攻めてみました(笑)。
松室:だから僕も少しの間気が付かなくて、後から「あー、坂内さんからメッセージが来てる!」って(笑)。
坂内:あの打ち合わせでは本当に緊張しちゃったので、あまり聞けなくて。でも人物のちょっとしたイメージの特徴だけは聞いておきたいなと思って、松室さんにメッセージを送って、女性のだいたいの髪の長さを教えてもらったんですよね。
松室:そうそう。
坂内:実際にイメージしている方がいたんですか?
松室:誰かをイメージしたわけではなかったんだけど、多分髪が肩にかかるくらいって言ったんですよね。
坂内:そうです。
ー 松室くん、もしかしてボブヘア好き?
松室:それ『ラブソング。』のジャケットのことでしょ(笑)。
ー そうそう(笑)。
松室:あれは僕から何かイメージをお願いしたわけじゃなかったんだけど、ああいうボブヘアの女性のイラストが出来上がってきたんですよ。ただ今回の、髪が肩にかかるくらいというのは、髪が短い人も重ねられるし長い人も重ねられるかなと思って。
坂内:あー、うんうん、分かる気はする。
松室:でもそう言われると、僕はボブが好きなのかな(笑)。