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さかいゆう、ニューアルバム『Yu Are Something』インタビュー

January 23, 2019 11:30

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ー「Fight ＆ Kiss」は＜Something Mix＞ということで、昨年6月にEPでリリースされたものよりだいぶミックスも変わっていますね。

結構変えました。リズムセクションの京陸は結構前からの知り合いだけど、最近は全然会っていなくて、この曲が出来た時にパンクでロックでファンキーな人いないかなと思って、京陸の二人を思い出したんです。でも彼らはマネージャーがいないから、Twitterを通して連絡しました。

ー本当にそんな直接交渉だったんだ。

ええ（笑）。

ー京陸さんの動画を観たことがありますが、エグいぐらいにアグレッシブですよね。

そうそう（笑）。自分にはないドライヴ感がある！でも彼らは彼らで、僕と一緒にやる時は自分達の曲とは違うボリュームが出ているし、僕と京陸の二人が観ている（眼の前に拳を掲げて）“ここ”に向かって、この曲があるという感じです。

ー「最後栄光」というタイトルはユニークですが、歌詞はポジティブですよね。

僕、ポジティブなんです（笑）。

ー何？その含み笑いは（笑）。

売野さんに生年月日を教えたら「さかいくんは明るいね。」って言われたんです。僕はそういうのに疎いからよく分からないけど、「暗いことを考えるのも好きだけど、そういうことを出来る時点で明るい証拠だし、考えた暗いところから戻ってこれる自信はあります。」って言いました。

ーメンタルが強いっていうこと？

鈍いんじゃない？（笑）

ーいやいや、繊細でしょ。

確かに繊細な部分はあるけど、この業界長くやっている人で繊細なだけの人っていないから。良い意味で鈍感力を持っている。メンタルが強い弱いってよく言うけど、筋肉じゃないんだからそんな見えないものを強くしたってね。ただ捉え方を変えるということは出来るじゃないですか。悩んでいることに対して蓋が出来る。

ーそれが歌詞にもポジティブに表れているということですね。

ええ。そう思います。

ーこの曲は蔦谷好位置さん作曲ですよね。

蔦谷さんは多い時で週に1、2回会っていたかな。その時期、一緒にスタジオに入って好きな音楽を流しながら色々セッションして出来た曲なんです。歌詞を書いたのは最近ですけど。

ー蔦谷さんもアイデア豊富で判断が早い人ですよね。

判断早いですね。ゴールを目指す力や推進力がある人で迷いがない。だから一緒にやっていてとても楽しいです。

ーそういう楽しさや勢いが歌詞にも出ていますよね。

この歌詞で一番好きなのは「バカにされるくらいのデカイ夢を抱け」。本当は淡々と仕事している人が一番偉いと思いますけど。うちの父親は漁師で鰹の一本釣りをしていましたが、誰かが釣らないと鰹が食べられないし、ゴミ収集車も誰かがゴミを収集しないとゴミが溜まってしまう。でも音楽って生活に100%必要なものではないじゃないですか。

ーまあ実際はね。

音楽ってどこまでいっても立候補スタイルなんですよね。「僕の曲を聴いてください」「僕の言葉を聴いてください」って。そういう職種だから笑われたりもして。実際僕も音楽を始めた時はすごく笑われたもん。

ーああ。

サラリーマンになる人、漁師になる人、大工になる人、それぞれの道でそれぞれの仕事を頑張っていると思うけど、別に人に笑われるくらいのデカイ夢を持っても良いじゃないかって思うんです。まぁこれって結局自分に言い聞かせているんですけどね（笑）。

ー自分応援歌？

そう（笑）。構成は「ジャスミン」とまったく同じ（笑）。あの曲も最初は暗い気持ちから明るさを導く曲で結局は自分応援歌だから。

ーでもそれが巡り巡って、聴く人それぞれの応援歌になっていると思うけど。

そうだと良いですね。

ーアルバム最後の曲は、 3ヶ月連続配信リリースの第三弾でもあった「You're Something」。アルバムとは“You're”部分の綴りが違うんですよね。

そうです。「お前はなかなかのやつだ」という意味で、「無視できない何か」というイメージでこのタイトルをつけました。

ーこの曲をライヴで初めて聴いた時は鳥肌が立ちました。

え、本当に？それは嬉しい。

ーリズムは洋楽のようだし、今までのゆうくんにもないタイプの曲で。

アレンジがちょっとサム・スミスに似ているから悩んだんだけど（笑）、もうこれ以外あり得なかったんです。歌詞カードには載っていないけど「Woo Woo」の部分のメロディが最初に浮かんで、最後にアレンジを考えたんです。僕としてはみんなの心の叫びをその部分に照らし合わせて欲しいですね。“You're”は聴いてくれるあなたのことだから。

ーインタビュー冒頭でこのアルバムと10周年は関係ないと言っていましたが、それでも「さかいゆう」というアーティストの持つ独自のJ-POPを10年築き上げた今、こういうアルバムをリリースするのは意味があることだと思うのですが。

マーケティングに苦労しそうですけどね（笑）。でも本当にレーベルと事務所に感謝です。自分が作りたいものを作れたし、あとはこのアルバム、この歌を欲してくれる人に最善を尽くして届けるだけです。

ーありがとうございます。アルバムを携えたツアー【さかいゆう TOUR 2019 “Yu Are Something” 】も楽しみにしています！

Interview：秋山雅美（@ps_masayan）

■ さかいゆう Official HP
http://www.office-augusta.com/sakaiyu/