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さかいゆう、ニューアルバム『Yu Are Something』インタビュー

さかいゆう、ニューアルバム『Yu Are Something』インタビュー

January 23, 2019 11:30

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ー それでも音楽を続けられる理由は?

自殺しないモードを知っていることかな。音楽だけでなく創作者のモチベーションって独特なところがありますから。


ー そのモードって具体的にどういうことなんだろう。

いや、そうは言っても自分でも分からない。


ー 友達と飲みにいくとか、そういうことではないでしょ。

そんなことじゃない。友達がいようが金があろうが、死を選んだり壊れたりする人は沢山いるし。だから説明は難しいんだけど、こういうインタビューとかで助けられている部分はあるかもしれません。毎回アルバムの度に想いを言葉にしなきゃいけないじゃないですか。


ー ええ。

それは僕だけじゃなく、他のアーティストもよく言ってますよ。


ー そうやって言ってもらえると、こっちも救われますね。メディアって、音楽やアーティストを知るきっかけを作ったり、好きなアーティストの想いをファンに届ける大切な役目は勿論あるけれど、そもそも音楽を説明してもらうって、実は野暮なことじゃないですか。

うん、野暮なことですよ。野暮だけど僕としては、息抜きにもなっていたり逆に戦意になっていたりします。本当にこういう機会がないと自分の中で消化してしまうから。まあ、だからこそ自分が説明できない部分を最終的には音にしているわけで。聴いてくれる人に対して、勝手に聴いて勝手に感動しろよって言えばそれまでだし。…ただ、ずっとそれは思っているんですけどね。


ー 心の片隅で?

いや、片隅じゃなく一番前で「聴けばわかるよ」って(笑)。


ー ゆうくんらしい(笑)。

でもそれをどうやって言葉にすれば良いのか考える時に頑張るじゃないですか。それで整理されるのかなって思っています。

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ー どの曲も素晴らしいんだけど、さかいゆうワールド全開の「Magic Waltz」を聴くと安心するというか、やっぱり心地良いです。

ありがとうございます!
   

ー そういえば、ジョンスコを世界一好きなギタリストと言われていますが、ゆうくんから見てジョンスコの一番の魅力は?
   
言葉で説明できない部分があまりにも多すぎるところかな。彼のギターでしか癒せない傷があるんじゃないですか?


ー おお、ここで歌詞が出てくるとは(笑)。その「あなたにしか癒せない傷」部分のメロディが個人的にものすごく好きで。

嬉しい!でも実際ジョンスコにしか癒せない傷がめちゃくちゃありますから。ジョンスコを聴いて流れる涙というのは、映画を観て流す涙とも全く違うんですよね。本当に音楽の美しさで、泣きたくないのに自然と涙が溢れ出てくるんです。そして傷が癒やされていく。だから「Magic Waltz」はジョンスコのギターソロを聴くといつも自然と涙が出てきちゃうんですよね。自分の曲だし、何十回も聴いているけど。僕、ゴスペルもそうなんです。クリスチャンではないし、何の涙か自分でもよく分からないんだけど、一生懸命生きている力なのかな…だから別に“I LOVE YOU”って言わなくても、愛されている気になれるというか。


ー その話でこっちが泣きそうなんだけど(笑)。

アハハ(笑)。でも本当にジョンスコはそういうギターを弾くので、僕が彼を好きな理由ってそこかな。それが「アイシテルって言わないで伝わるアイ」。言葉を介さずにいかに伝わるかということをテーマにこの曲を書いたので、ある意味歌詞(言葉)を否定する歌詞でもありますが。


ー「Silent Couple」はヘッドホンで聴くと、音に飲み込まれるような感覚がありました。ちょうど映画館で感じるような。実際、音の奥行きを意識したとか?

意識しましたね。ヘッドホンで聴くと更に音の向こう側を感じますね。耳元だけじゃなく。何ていうんだろう…夜が明けて朝に変わる感じというか。


ー ゆうくんは、そういう空気感や音の幅を作るのが得意なのかなと感じているんですが。

それは僕というよりエンジニアさんの力ですね。J-POPって基本的には空気感というより、声と歌詞を大切に考えるので、音が耳に張り付くような感じが多いと思うんですが、僕は音楽そのものに浸りたいタイプなので、音の向こう側にも行きたい。だから僕の音楽だけの時間を作ってくれている人も裏切らないように、音楽で充実する時間を作りたいと思っています。それこそ短い映画を観ているようにね。


ー「Tokyo Loves」ですが、Zeebraさんのラップは無条件に引き込まれますね。

フリースタイルが得意なラッパー、早口が凄いラッパーなど色々なラッパーがいるけど、Zeebraさんはリズムが一番格好良いラッパーだと思っています。言葉が載った楽器みたいにラップしてくれるので、数少ない楽器を感じるラッパー。 ラップって、トラック&ラップになることが多いけど、Zeebraさんは他のアンサンブルすべての音を活かしながらラップするので、ジャズセッションみたいな形…例えばここにジョンスコや卓也が入っていても何ら違和感がないラッパーです。


ー「確信MAYBE」は3ヶ月連続配信の第一弾ですが作詞&コーラスは、フレンズのおかもとえみさんですが、えみさんとはいつ頃から?

今回この曲で知り合いました。彼女は彼女で自分のムードを持っていますよね。(取材時)先日フレンズのワンマンライヴを観に行ったんですが、えみそんの素直さが際立っていましたね。ポップだし。彼女のソロもオフビートでやっぱり素直で良いです。


ー このファンクナンバーは時代を感じるようで感じないクールさがありますね。音の粒もそれぞれに際立って聴き応えあったし。

2018年版のファンクディスコをやりたくて。神泉 meets LA!ここではシンセベースも弾きました。


ー あのシンセベース、格好良いです。ゆうくんって本当になんでも出来ちゃいますよね。

ある程度何でも出来るけど、やっぱり人と音楽で交わるのが楽しいから。


ー とはいえ、「I’m A Sin Loving Man」で弾いたアコギなんて、やっぱりライヴでも聴いてみたいし。

僕、アコギ似合わないんですよ。


ー 似合わないって(笑)。

でも頑張ります(笑)。

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