ー 私は優くんが言ったような、歌詞にある気持ちや情景の断片に、若い頃の眩さや甘酸っぱさ、切なさがフラッシュバックして逆にタイトルは納得したけど。
それはそれでやっぱり嬉しいんです。
ー “いいひと“も面白いねぇ。ブラックで(笑)。
ブラックでしょ(笑)。この曲はスタッフが「<いい人>という題材で曲を書いてみない?」って提案してくれたんです。別にタイアップとかではなく、高橋が思ういい人についての曲が聴いてみたいって。それだけでその人が言っているニュアンスが物凄く伝わってきたんです。多分「いい人ですね」って言われて嬉しい人ってそんなにいない気がするんです。褒め言葉というより差し障りがない言葉だし。
ー 確かにそれはあるかも。
でも「いい人」の仮面をつけている側には何かしらの理由や都合もあるので、確かにそういうことを曲にしたら面白いなと思ったし、アルバムが結構ボリューミーになりそうだったので、こういう2分くらいの短い曲を挟んでおくのも良いと思って。
ー ラストに近いところの笑い声がすごく可愛かったけど、曲が終わった時の「フッ」って吐き捨てるような笑い声が本音を出しているようで面白かったです。
最後の「フッ」っていうのはレコーディング中、本当に僕が笑った声をマイクが拾っていて、それを使いたいって言われたんです。
ー サイコパス優が…。
いやいや(笑)、僕は自分のことをサイコパスとは思っていないけど、「変な曲のレコーディングしてるな」って、ふと自分で思っちゃったんでしょうね。それで「フッ」って笑ったら「あれ演出でやったの?」と聞かれて「そうじゃないんで消してもらって良いです。」って言ったら「いや、あれ残そうよ!」って(笑)。
ー うん、あの可愛い笑い声との対比が面白かった!
それを面白いと思ってくれるのはありがたいですね。でもさっきデビューアルバムのつもりで…と言いましたが、本当のメジャーデビューアルバムにこの曲が入ったら多分事務所もレコード会社も許さないでしょう(笑)。
ー 許さないね(笑)。
勿論冗談として曲は書いていませんが、でもそういう面もあるというのを今なら受け入れてもらえるのかなぁって、制作段階からみんなで話をしていて。そう思えるというのは嬉しいですね。ただ、清純派のシンガーソングライターがこの曲を歌ったらファンはみんな心配するでしょうね。
ー どうしちゃったのかな?疲れてるのかな?ってなるかも(笑)。
そうそう。でも僕がこの曲を歌っても誰も心配しないでしょう?「高橋の本音出たー!」ってなる(笑)。
ー それはそれで反応が楽しみ(笑)。あと、“Harazie”も、面白い!“泣ぐ子はいねが”は何となく秋田を紹介するようなニュアンスだったけど、この曲はガチだからね(笑)。しかもイントロはジェームスブラウンの“SEX MACHINE”風だし。
この曲で初めてブラスのバンドを入れました。
ー ちょっとカンニングなんだけど、タイトルが方言かもしれないと思ったので北国の友人に「はらつぇって何?」聞いたら「満腹だよ」って教えてくれて。
そうです、そうです。
ー それで歌詞の意味を汲み取ることは出来たけど、へんば…あ…
(早口で)「へんばあどちょろぎだけびゃっこけれでゃばっちゃん」ね。
ー そう!あの部分、結局意味が全然分からなかった。分からなかったけど、ライヴでみんながこの部分を合唱したら面白いなと思いました。
ああ、なるほど(笑)。これは「それじゃあ、ちょろぎ(漬物)だけちょっと頂戴、ばあちゃん」っていう意味です。僕はやっぱり秋田県が大好きなので、秋田に関係する曲を何か書きたくて。さっきおっしゃって頂いた通り、すでに“泣ぐ子はいねが”があるから、秋田を紹介する曲じゃなくて、何を歌っているのか分からなくても良いから自由な発想でいこうと思ったんです。僕ラジオ番組でもよく「はらっつぇ!」って言っているし、秋田にいれば実際「はらっつぇ、あど食えね」ってよく言うんですよ。それを合言葉のように曲を書いたら面白いかなって。お腹いっぱいって言ってるだけの曲。メッセージもなにもない(笑)。
ー いいね(笑)。でも東北って県外の人から見ると早口だし、方言の意味が分かりづらいものが多いから、そういうところは面白みとして強い気はするな。
今年の夏、甲子園で金農(秋田県立金足農業高等学校)旋風が吹いたじゃないですか。
ー ええ。
テレビのニュースでも金農出身のタクシーの運転手さんや、選手のお父さん、その他関連の人たちがインタビューを受けているのを観て、多分秋田県民はハラハラしていたと思いますよ、「ちゃんと喋ってね」って(笑)。極端なんですよね。県外の人にもわかるように秋田弁を出すまい出すまいとして喋る人もいれば、秋田魂を全面にアピールしようと、わざと濃厚な秋田弁で喋っているお父さんもいて字幕出ちゃうみたいな(笑)。
ー アハハ!
僕もハラハラしていましたもん(笑)。でもそういう面白さや可愛らしさも良いんじゃないかと思って。 “泣ぐ子はいねが”の時も思ったんだけど、何を言っているか分からない曲を書くというのは、ノリ勝負なんですよね。メッセージとかじゃなく。だからサウンドが楽しいとか、意味はないんだけど何回も聴きたくなるとか、そういう曲にしたかったんです。
ー うんうん、十分そうなっているとと思います。“aquarium”は東海テレビ・フジテレビ系 オトナの土ドラ「結婚相手は抽選で」主題歌なんですね。
そうです。映像はまだあがっていなかったので台本だけ読ませてもらって作りました。大人になることがテーマになっているドラマだったので、“ルポルタージュ”の時にやろうとしていたことに似ているかもしれません。謝罪会見とかで頭を下げている人たちは10年前、こうなりたいと思っていたのかなとか、それに命令される若い子たちは喜んで命令されているのかなとか。やたらそういうことが取り沙汰されている時期でもあったので、そういう部分から曲を書いていこうと思いました。
ー でも“aquarium”というタイトルの発想はどこから?
ちょうどその頃、一人で水族館に行って(笑)。
ー ひとりで?(笑)
そう(笑)。水族館で泳いでいる魚たちって、ちょっとだけ哀愁を感じるというか。実際魚たちはそこが海だか水族館だか分からずに泳いでいるかもしれないけど。ただ、僕らも知らずしらずのうちに誰かの価値観やメディアの発信する内容という水槽の中に入れられていて、そこから出られなくなってやしないかという気になったんです。
ー 案外そういうことはあるかもしれない。優くんは10年後、どうなっていたいと思う?
うーん…歌えていたら幸せですね、やっぱり。アルバム・タイトルのことで先程も話には出ましたが、今回のアルバムで改めて思ったのは挑戦したり、自分をある程度限界まで追い込んだりしながら新しくなっていかない駄目だということ。そうじゃないと終わるなって思ったし、自分が歌っている意味や存在価値がすぐなくなると感じたんです。音楽はどんどん簡単になっていくし、良いか悪いかは別の話としてパソコンや人工知能を搭載した何かさえ持てば、人を感動させられる音楽なんて、そのうち人間がやらなくてもワンタッチで出来るようになるんじゃないかと思ったりするんです。そういう中で、時代にマッチしているわけでもなく流行に乗るわけでもなく、高橋 優という人間がこうやって歌を歌っている理由を、まずは僕自身が作っていかないといけない。そうじゃないと受け取ってくれる人たちにも申し訳ないし。だから今回のアルバムは僕にとって、ひとつのターニングポイント。別に危機感をアルバムに詰め込んだわけではないけれど(笑)、危機感からもう一回自分を曝け出して、次に進みたいです!
ー ありがとうございました。
Interview:秋山雅美(@ps_masayan)
■ 高橋優 オフィシャルサイト
https://www.takahashiyu.com/
■ ワーナーミュージック・ジャパン HP
https://wmg.jp/artist/takahashiyu/
映画「パパはわるものチャンピオン」主題歌
20thシングル「ありがとう」
2018年9月19日発売
通常盤【CD】
WPCL-12927 / 1,200円(税別)
1. ありがとう 映画「パパはわるものチャンピオン」主題歌
2. 高野豆腐~どこか遠くへ~
3. なくしもの
4. First and Last Love / メガネツインズ(高橋 優&亀田誠治)
期間生産限定盤【CD+DVD】
WPZL-31504 / 2,000円(税別)
CD:収録内容は通常盤と同じ
DVD:全国LIVE TOUR 2017-2018「ROAD MOVIE -LIVE HOUSE EDITION-」沖縄・ミュージックタウン音市場2018.4.8
1.(Where's)THE SILENT MAJORITY?
2. ミラー
3. サンドイッチ
4. 8月6日
5. ルポルタージュ
6. 太陽と花
7. 想いよ、届け
8. 明日はきっといい日になる
9. 福笑い
高橋 優 LIVE TOUR 2018-2019「STARTING OVER」
12月6日(木)東京都・オリンパスホール八王子【FC限定販売公演】
OPEN 18:00 / START 19:00
ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00-19:00)
12月22日(土)福岡県・福岡国際センター
OPEN 17:00 / START 18:00
BEA 092-712-4221(平日11:00-18:00 / 第2・4土11:00-15:00)
1月11日(金)大阪府・大阪城ホール
OPEN 17:30 / START 18:30
夢番地(大阪)06-6341-3525(平日11:00-19:00)
1月12日(土)大阪府・大阪城ホール
OPEN 15:00 / START 16:00
夢番地(大阪)06-6341-3525(平日11:00-19:00)
1月19日(土)広島県・上野学園ホール
OPEN 16:30 / START 17:30
HIGHERSELF 082-545-0082(平日11:00-19:00)
1月20日(日)香川県・レグサムホール
OPEN 16:30 / START 17:30
HIGHERSELF 082-545-0082(平日11:00-19:00)
1月25日(金)北海道・札幌文化芸術劇場hitaru
OPEN 18:00 / START 19:00
マウントアライブ 011-623-5555(平日11:00-18:00)
1月27日(日)北海道・釧路市民文化会館
OPEN 16:00 / START 17:00
マウントアライブ 011-623-5555(平日11:00-18:00)
1月30日(水)埼玉県・大宮ソニックシティ 大ホール
OPEN 18:00 / START 19:00
ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00-19:00)
2月8日(金)静岡県・静岡市清水文化会館マリナート 大ホール
OPEN 18:00 / START 19:00
サンデーフォークプロモーション静岡 054-284-9999(月〜土10:00-18:00)
2月14日(木)福井県・越前市文化センター
OPEN 18:00 / START 19:00
キョードー北陸 025-245-5100
2月16日(土)石川県・本多の森ホール
OPEN 16:30 / START 17:30
キョードー北陸 025-245-5100
2月19日(火)岡山県・倉敷市民会館
OPEN 18:00 / START 19:00
HIGHERSELF 082-545-0082(平日11:00-19:00)
2月21日(木)鳥取県・米子コンベンションセンター BiG SHiP
OPEN 18:00 / START 19:00
HIGHERSELF 082-545-0082(平日11:00-19:00)
2月24日(日)徳島県・鳴門市文化会館
OPEN 16:00 / START 17:00
HIGHERSELF 082-545-0082(平日11:00-19:00)
3月2日(土)神奈川県・横浜アリーナ
OPEN 16:30 / START 17:30
キョードー横浜 045-671-9911(平日11:00-18:00)
3月3日(日)神奈川県・横浜アリーナ
OPEN 14:00 / START 15:00
キョードー横浜 045-671-9911(平日11:00-18:00)
3月9日(土)秋田県・秋田県立体育館
OPEN 16:30 / START 17:30
キョードー東北 022-217-7788(平日11:00-18:00 / 土10:00-17:00)
3月10日(日)秋田県・秋田県立体育館
OPEN 14:00 / START 15:00
キョードー東北 022-217-7788(平日11:00-18:00 / 土10:00-17:00)
3月23日(土)愛知県・愛知県体育館
OPEN 16:30 / START 17:30
サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(全日10:00-18:00)
3月24日(日)愛知県・愛知県体育館
OPEN 14:00 / START 15:00
サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(全日10:00-18:00)
高橋 優 LIVE TOUR 2018-2019「STARTING OVER –LIVE HOUSE EDITION-」
4月6日(土)沖縄県・ミュージックタウン音市場
OPEN 16:30 / START 17:30
ピーエムエージェンシー 098-898-1331(平日10:00-18:00)
□ チケット代
12-3月公演:全席指定 7,560円(税込)
4月沖縄公演:スタンディング 7,000円(税込)※ドリンク代 500円別途必要
□ 一般発売日
12-1月公演:2018年11月17日(土)AM10:00〜 ※FC限定販売公演を除く
2-4月公演:2018年12月8日(土)AM10:00〜