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高橋優、ニューシングル「プライド」インタビュー

高橋優、ニューシングル「プライド」インタビュー

May 29, 2018 19:30

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ー 確かに。

走り幅跳びから長距離へ転身した時、入学祝いも兼ねて親戚がちょっと高級な長距離用の靴をプレゼントしてくれたんです。でもそれまで走り幅跳びをやっていた人間が来たから、「がに股で走るには勿体ないよな」って豚に真珠的なことを周りから言われて。でも僕が太って遅いまま努力もしないで自分自身で無理だと思って走っていたらダメだったと思うけど、先生が励ましてくれたり応援してくれる友達もいたお陰で、どんどん足も早くなっていったし、その変化を見た時、誰も何も言わなくなったんです。そのためには勿論結構な労力はいるし誤解も生まれるけど、絶対に自分はこうなると自分で決めていれば最初に言われる野次はそんなに大きな問題じゃない。この「メジャーセカンド」の大吾くんも、その変化をちょっとずつ起こしていくんです。プレイだけで見せていくようになるし、態度で示すようになって変な言い訳をしなくなる。


ー 最初は結構言い訳が多かったよね。

そうなんです。自分に言い訳してチャレンジしない時期から変化していく様子にもシンパシーを感じたんです。30歳を過ぎた今の僕の人生でもそういう変化はまだまだ起こせると思っているので。だから今このタイミングで、“プライド”という楽曲をどうしてもみんなに聴いて欲しいなと思いました。


ー c/wの“僕の幸せ”ですが、個人的にこの中で一番好きです。歌詞の温かさは勿論だけどメロディに泣きました !

あ、本当ですか?嬉しい!


ー 日本のアニメ100周年プロジェクトと、地球温暖化対策の国民運動のコラボレーションのテーマソングなので、壮大なサウンドになるのかなと想像していたんだけど。

何をもって壮大かは色々あると思うけど、僕も最初は少し意識しました。環境省の方とお話させてもらう中でも「地球を守ろう」みたいなことを言うと、まだ偏見があるようだし「環境」という漢字二文字の持つ硬さがあるらしいんです。だからこうやって音楽に裾野が広がってきたんじゃないかな。僕自身、自分なりに環境や地球の資源をどうやって使っているか少しずつ知る機会が増えていきましたが、決してそんな大したことは歌っていないというか、逆にそういう部分に良いモチベーションが隠れていると思んです。今迄やってきたスタンスの中で、ほんのちょっとでも誰かのために何かをやることって何なんだろうというのがこの曲のテーマになっているというか。でもそこは綺麗ごとじゃなくて良いと思っていて。僕は一人でも歌い続けるっていうタイプじゃないから、絶対に誰かに聴いて欲しいし、聴いてもらうからには感想とか言ってもらえると嬉しいし、一緒にイエーイ!って楽しめる方が良いし。でもそれって僕のわがままなんですよ。


ー うーん、わがままかな?

多分ね。でもそれを叶えてくれる人との利害が一致した時に、良い空間や良い結果が生まれると思うんです。でも「自分はつまらないけど、みんなが楽しければいいよ」って我慢して僕の曲を聴いてくれているとしたら、ストレス溜まって2分で死んじゃうと思うんです。


ー 2分って。

僕は自分が幸せになるために音楽をやっているけど、自分が幸せになるにはどうしたってライヴをやって、みんなと一緒に幸せと思わないとダメだと思うんです。偽善と思われても構わないけど「どうか皆さん、幸せになってください!ライヴで笑顔を見せてください」ってなるんですよね。


ー それは分かる。

この曲は、将来の子供たちに書いている部分があって。僕、結婚願望が超強くて、いつか子供が出来た時に何て言ってあげられるか、心の中でめっちゃリハーサルしてるんです!


ー 妄想じゃなくてリハーサルね(笑)。

リハーサルですよ(笑)。映画館でバイトしていた時に忘れられない景色があったんです。何かに腹を立ててプンプンしているお母さんと、自分の身の丈もありそうな大きなポップコーンをめっちゃ嬉しそうに抱えている子供がいたんだけど、「危ないから」ってお母さんがそのポップコーンを持って歩いていたら、すごい勢いで落としちゃって。でもお母さん、その後子供の頭を叩いて「何こぼしてるの!すみませーん。」って言ったんです。


ー えっ!

それって誰が見ても子供がこぼしたと思うじゃないですか。


ー うんうん。

その光景を見た時、そんな母親信じられないと思ったんです。でもストレスが溜まっていたんでしょうね。この話を子供がいる人にすると案外「ああ、分かるな…」って共感するんですよ。普段から子供のやることにイラつくこともあるだろうし、寝る間も惜しんで子供の世話をしたり自分の夢を諦めて家事をやっているんだとしたら、子供に全てを費やしているからこそ醜い部分が出ちゃったんだと思うんです。でも自分は出来るだけ厳選したものを沢山あげたいし、愛してあげたいし、心身ともに健やかに育ってもらうためには…と考えた時に、環境問題=自分の環境問題と捉えて良いと考えたんです。僕がどういう環境を作っていきたいかは子供へのメッセージになると思うし。もし自分がそこら辺にゴミをぽいっと捨てちゃえば子供はそれを真似するだろうし、そんな子供の姿を他人が見たらマナーのない子と思って嫌われちゃうかもしれない。それだって親の責任だと思うんです。


ー そうだね。

だからいつか僕がその子供のことを叱って嫌われちゃうかもしれないけれど、でもあなたが幸せになるために自分が何か出来るということはイメージしています。結婚もしていないくせに(笑)。


ー まぁそこは…(笑)。でもいつか優くんが結婚して子供が生まれた時にこの曲自体、自分でも今とは違う聴こえ方するかも。

いつかその子供が反抗期になった時にお母さんが「お父さんはお前のためにこんな曲も作ったのよ」って言いながらこの曲を聴かせて「お父さん…(涙)」とかなれば良いですね。


ー うーん、随分先だなあ(笑)。でも例えば「綺麗な風景を見て 涙が溢れそうなとき 君に見せたいと思う」という歌詞のように、ちょっとしたことで相手を思ったり幸せや笑顔になれたりすることはあるよね。

音楽はちょっとしたきっかけのひとつで良いと、環境省の人も言ってくれたんです。多分「環境」という言葉を硬いイメージのままにしておかないために、すごく頑張っていると思うんです。だから僕は出来るだけ生活に根付いたというか、気持ちの面で些細なことを歌いたかったんです。


ー 今回アコースティックヴァージョンで収録した“昨日の涙と、今日のハミング ”は『僕らの平成ロックンロール2』に収録されていた曲ですね。

はい。この曲は、レコード会社のスタッフから「今、この曲を入れるべきなんじゃないか」という熱い熱いメールを頂いて、それを読んだ僕の心が動いたというのが収録することになった理由です。『僕らの平成ロックンロール2』というアルバムに収録だったけど平成が終わるじゃないですか。


ー あ、そうだね。

次の時代がやってくるこのタイミングで、平成をどう捉えて次の時代をどう捉えていけば良いかを表現した楽曲なんじゃないかと思うんです。だから今まさにこの楽曲が届けられるべきなんではないかとスタッフがメールに書いてくれて。僕はソロシンガーですが、信頼を置けるそういう人たちの言葉は出来るだけ聞きたいし、共に歩んでいく上でスタッフの気持ちを汲んだ選曲とかもやりたいと思っていたんです。

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