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高橋優、ニューシングル「プライド」インタビュー

高橋優、ニューシングル「プライド」インタビュー

May 29, 2018 19:30

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ー そうだね(笑)。

僕の甥っ子がこの間中学に入学して、まだぶかぶかの制服を着た画像を送ってきたけど、8年っていうことはその甥っ子がまだ幼稚園の頃からこうやって取材させてもらっていたんですね。


ー うわ、そう言うと一気に歳取った気になるからやめて(笑)。

アハハ!



ー でもこの8年で、小さいライヴハウスからアリーナ級の会場でライヴが出来るようになるまでの変遷を見てきたけど、そうなれるということは歌の良さは勿論だけど中心にいる優くんがブレていない証拠だろうと思うんです。

類は友を呼ぶじゃないけれど、なにくそ精神の人が多い気がします。僕がそういう人間だから、”ちょっと待て。まだナメられてるぞ”みたいな円陣は何となく感じているんです。逆にそれが無くなった時に僕はよく警笛を鳴らしている気がします。”どう?高橋 優が必要でしょ。観せてあげるよ”みたいな企画が出来てくると「絶対にそんなのはいらない!」って言うし。僕は「知られている」「理解されている」ことを前提で動くことがすごく嫌で。勿論求めてくれる人がいることは嬉しいんですよ。


ー ええ。

“このままではまだまだだろう”という感情が今迄渦巻いていたので、そういう中に居る方が居心地が良いというか、頑張れるんです。


ー では今回のニューシングル『プライド』について伺いたいのですが、今作はアニメと縁がありますね。タイトル曲の“プライド”は、NHK Eテレ アニメ「メジャーセカンド」エンディングテーマで、 “僕の幸せ”は「ガラスの地球を救え!」プロジェクトテーマソング。

確かにそうですね。


ー 先日放送の(取材時)「メジャーセカンド」の第一話放送観ました。 “プライド”のAメロの歌詞では、自分はやれるんだという気持ちと裏腹に周りには期待はずれだと言われてしまう大吾の状況が描かれていて。

「メジャーセカンド」の第一話目って、まさに親の七光りだと指さされることだったじゃないですか。


ー そうそう。

その後、ストーリーが進んでいくと、また別の意味で他の人と比べられて、他の人よりも劣っている現実を突きつけられてしまうことがすごくシビアに描かれているんです。昨年“虹”が甲子園のテーマソング(2017ABC    夏の高校野球応援ソング/熱闘甲子園テーマソング)になったことで思ったんだけど、野球ってどう頑張っても9人でやらなければいけないから、部員が9人だけじゃない限りはレギュラーになれない人がいるじゃないですか。


ー ええ。

でもそれって野球に関わらず生きていく中でも結構あるんじゃないかなと思って。僕がよく思い出すのは、小学校の修学旅行。5人くらいで班を組まされませんでしたか?


ー 組まされたね、そういえば。

何となく普段から仲良くしているのかなと思う子たちがいて、班決めの時にその子たちのところに行ったら「ごめん。優くんは俺らの中で友達と思ってないから班に入らないで。」って言われたんです。


ー 随分がっつり言われたね(苦笑)。

そうそう(笑)。めちゃくちゃ格好悪いけど僕、その場でボロボロ泣いちゃったから、みんなも「うわ、泣いちゃったよ…。」みたいな空気になって先生も気を遣って「班の人数足りないところあるでしょ?」っていいながら別の班になって。


ー 普段あんまり喋ったことのないクラスメートの班に入って?

そうそう。でも招き入れる班の人も、泣きながら来られたら嫌じゃないですか(笑)。


ー 確かにね(笑)。

その班の子たちにも気を遣わせてることなんて分からない馬鹿だったから、その日はずっと泣き続けて、泣きながら帰りました(笑)。でもそうやって班を決めることや部活のレギュラー、就職活動の何%かの倍率に漏れた人がこの世の中に沢山いるとしたら、僕自身も色々な経験において求められることより「ごめん」と言われることの方が多かったから、「メジャーセカンド」で大吾の置かれている状況にすごくシンパシーを感じたんです。だから歌詞も今迄みたいに悩むことがそんなになく、短かい時間で仕上がりました。


ー どんどん書き進められた?

膨大な量の言葉が出てきて削り取るのが大変なくらい。「チキショー」に当てはまる部分なんていくつ暴言が出てきたか。


ー 暴言って(笑)。そういえば優くんは学生時代にやっていた陸上でレギュラーに漏れて悔しい思いをした経験とかはあったの?

陸上でそれはなかったんだけど、僕、小学校の頃から陸上部に入っていて小学4年から6年まで走り幅跳びをやっていたんです。太っていたくせに。


ー(笑)。

普通の小学生は軽く跳べば3m〜4mは飛べるんです。それ以上飛べるすごい子もいるんだけど、僕は1m半しか跳べなくて。


ー おっ、それはまた(笑)。

なのにドラゴンボールが好きなもんだから空を飛ぶことに憧れて、いつの日か飛べるようになるってデブのまま走り続けて。でも全然跳べなかったんですよ(笑)。中学校に入っても太ったまま走り幅跳びを選んだら先生から「お前には走り幅跳びは向いてない。」と言われて。ただ「僕は走り幅跳びしかやったことがないから他の競技は分からないです。」と言ったら「そうやって一つの種目に執着する根性があるなら長距離走ってみろ。」とアドバイスされたんです。先生いわく、長距離って才能じゃなく執着心がある人が向いているらしくて、実際長距離に挑戦してみたらどんどん激ヤセして結局県大会まで行けるようになったんです。


ー すごいよね。今でもまだ結構走ってるんでしょ。

走っていますね。だからその先生から言われたアドバイスは僕に希望を与えてくれました。小学校で走り幅跳びをやってきた自分からすると「向いていない」っていう言葉かなりショックでしたが。まあ1m半しか跳べないんだから当たり前だけど。


ー「数えきれぬ悲しみと 数えきれぬ過ちとやりきれぬほどの悔しさを飲み干して なにもかも叶えにいこう そしてまた笑い合おう」この一説は胸に響きました。“リーマンズロック”とは違うけど、立ち向かっていこうという意欲が湧くというか。

大抵の場合、チャレンジすることを邪魔しているのって自分なんですよね。笑ったやつや、お前には出来ないと言ったやつのせいにして、やらないことは簡単だから。

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