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NakamuraEmi『NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.5』インタビュー

NakamuraEmi『NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.5』インタビュー

March 21, 2018 11:00

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ー 実際、日本はまだまだ障がいを持つ人を見る目も含め、不便なことが多い国だと思うから、この曲を聞いてその人の立場で出来ることを考えられれば良いですよね。

そう願っています。それにこれをきっかけに沢山の人に中西麻耶という魅力的なパラアスリートの存在も知ってもらいたいです。


ー リード曲、“かかってこいよ”のミュージック・ビデオ(以下:MV)が昨日(取材時)解禁になったので、観させていただきました。ダンサーの柿崎麻莉子さん含めダンスシーンで構成されて。

実は今回監督と振付を担当してくださった志村知晴さんから「ラジオでEmiさんの曲を初めて聴いて、すごく勇気をもらっています。私は今、映像のお仕事をしているんですがMVを作らせてもらえませんか?」って直接オファーを頂いたんです。それで色々と話してみたら面白い人だなと思って。色々なアイデアを持っていて下さっていて、何より曲への愛情がすごかったので、お願いすることになりました。


ー じゃあ柿崎さんは志村監督が?

そうです。知晴さんから柿崎さんに直接愛情あるメッセージを送って柿崎さんも動いてくれたそうなんです。なので全てが知晴監督によって動かされたプロジェクトです。


ー それは凄いエネルギーですね。あと歌っているEmiさんが実はパーソナリティというアイデアも面白い内容ですね。

知晴監督自身が私の音楽に初めて出会ったのがラジオだったこともあると思うんですが、この音楽がふいに聴いたラジオから流れるイメージがあったそうで、こういうMVになりました。


ー 柿崎さんと一緒のシーンはなかったけど、実際にお会いされたんですよね。

撮影の時にスタッフと一緒に会いに行きました。すっごく素敵な方でした!「監督の熱意も感じたし、本当に曲が素晴らしかったから引き受けようと思いました。」と言ってくださって。彼女のダンスや表情は勿論ですが、何から何まで歌詞を映像にしてくれたメンバーでした。あと柿崎さんがちょっとだけダンスを教えてくれたんですよ。


ー じゃあライヴで是非披露してもらって(笑)。

無理無理!本当にちょっとステップを教えてもらっただけだし、あのダンスは絶対に出来ない(笑)。コンテンポラリーダンスって凄いですよね。


ー 今、曲によってコンテンポラリーダンスをMVで取り入れたりすることがありますよね。例えば平井堅さんの“ノンフィクション”とか。

注目されているんですね。不思議な世界がある中で、コンテンポラリーダンスは歌詞を引き出してくれたので良いMVになったと思うし本当に感謝です。   


ー この曲はTVアニメ『メガロボクス 』のエンディングテーマとして書き下ろしですが、このアニメって連載開始から50周年の『あしたのジョー』が原案になっているとか。

そうなんです。


ー『あしたのジョー』大好きだったなぁ。

好きですよね!私も大好きで漫画を読んでいましたもん。


ー 私、部屋にポスター貼ってた(笑)。

えー、女の子の部屋に貼ってる?!それいくつの頃ですか?


ー 小学生の頃。憧れててね(笑)。

本当に矢吹丈が大好きだったんだ(笑)。 可愛い女の子!


ー でも今回はその『あしたのジョー』が現代版に。

第一話も先行で観させて頂いたんですが、ものすごく格好良いです!リングの中で戦う姿が今のSNS社会の中、人間がどう人間らしく生きていくかというのは、自分の中のテーマとすごくリンクしていたのでボクシングはやったことはないけれど、ジャンクドックが立ち上がる姿が頭の中に出てきました。沢山の言葉が飛び交う中で、正解や不正解を自分で判断しなければいけないけれど、会ったことのない人からも色々な言葉が降ってくる中で、何が信じられるのかと言ったら、結局は周りにいる大切な人や自分が置かれている環境なんじゃないかな。自分が何をして何を信じたいのか?それが曲の中にもテーマとして入っています。


ー 歌詞にもあるけど、○○ハラスメントという言葉が急激に増えてきている気が。

本当に何の略か分からないくらいハラスメントが増えて、30種類くらいあるそうですよ(笑)。


ー そんなに!?でもそういうのをコンプライアンスで押さえ込むのも度が過ぎている気がするし。それこそ「痛い」っていう感覚は、規制ではなく人間同士ならもっとダイレクトに分かり合えた気がするんですけど。

まさにそこですね。


ー Emiさんが今言った「会ったことのない人からも色々な言葉が降ってくる」ことに関しても、思いもしない言葉や攻撃で傷つくこともあるけれど、かと言ってSNSがなくなるのは困るし…。

そうなんです。自分たちも重宝しているからこそ、じゃあこれから人間のどこを残していくかとなった時、人間しか後世の方に伝えられないからその結びつきや大切なものを失ってはいけないと思います。


ー そういうことを考えながら“新聞”の冒頭の歌詞を読むと、見えない相手を攻撃ではなく、想像しているじゃないですか。人によって、考え方によって、見えない相手へどういう言葉を投げかけるか、こんなにも変わってくるんだなって感じました。

そうやって自分に置き換えて感じてくれることは本当に嬉しいですね。


ー この曲は朝日新聞のラジオCMソング。あ、でもこの間、神宮前交差点の大型ビジョンで偶然Emiさんも出ているCM観ましたよ!「あ!Emiちゃんだ、写真写真!」と思ったんだけど間に合わなくて(笑)。

ほんとに?(笑)そうそう、渋谷と原宿の大型ビジョンで流れたのをファンの方も写真を撮って送ってくださったんです。そういうのって嬉しいですね。


ー あとWeb媒体の人間が言うのもなんだけど、やっぱり紙って温かみを感じますよね。

そうですね。私もライヴでN.O.P(NIPPONNO ONNATOOTOKONO PAPER)という新聞を作ってお客さんに持って帰ってもらっていますが、紙を大切にとっておく感じや紙が古びていく感じがすごく好きだから、そういうのを残したいと思って作っています。そうやって新聞というものが自分の心の中にあるものなので、朝日新聞さんからお声がけを頂いた時は嬉しくて、色々なことが書けそうだと思ったし、実際素直に書けた曲です。


ー この曲を初めて聴いたのは、10月3日に渋谷クラブクアトロで行れた「QUATTRO MIRAGE presents 『TOUR MIRAGE 2017』 Salyu × NakamuraEmi」でした。

あー、そうか。あの時に聴いてくださったんですよね。


ー たしかあの時点ではまだタイトルもなくて…。

そうだ、そうだ!(笑)確かあの日が初めて歌ったんじゃないかな。


ー 特に台詞が新鮮でした。

台詞を入れちゃいました(笑)。


ー 台詞があると、何となくそこが歌詞の起点なのかなと思ったんだけど。

私は色々な言葉を節々に、本当に一行単位くらいでノートに書いたりしたものが溜まって曲になるタイプなので、どこが起点というのはないんですがこの“新聞”では、母親がキーボードを叩く音を「ネズミの足音みたいだね」って言ったことや、人と待ち合わせをしている時に、“昔は会えなかったら駅の掲示板に書いていたよな”と思ったりしたことがきっかけのひとつではあります。そういう色々なことが歌詞の断片として集まっていたんです。


ー なるほど。歌詞を見ていてそういえば掲示板ってあったなって、すごく懐かしくなりましたよ。

私の世代だと結構すぐになくなっちゃったんだけどありましたよね。この曲はライヴで歌っていてもお客さんが懐かしげに笑ってみたり、そうそう!って言いたげに頷いていたりするからすごく楽しいですね。

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