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近藤晃央、ニューシングル『存在照明』インタビュー

近藤晃央、ニューシングル『存在照明』インタビュー

September 11, 2017 12:00

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ー 二人の人間の案を織り交ぜながら、落とし所をみつけて100%のものを作るって大変ですよね。

そうですよね。漠然としたイメージを伝えるより、僕もデザイナーだからデータを触らせて頂いた方が早いんです。でもアートディレクターとしてはデータを触られるのは多分嫌じゃないですか。


ー 確かに(笑)。

だから余計難しいですね。でも結果的に面白い画になったと思います。よく「本人監修」みたいなものがあるけど、「それってちょっと確認しているだけでしょ」という目では見ちゃいますね。


ー 厳しいし!(笑)

アハハ!


ー c/wの“ベッドインフレームアウト”では、女性視点のセックスを描かれていますが、何故今回そういう部分をテーマに?

30代に突入したことが大きいかな。それと、うちのチームの女性スタッフから「こういうテイストの曲を作ってみたら?」と提案があったんです。女性視点の楽曲は初めてではないんですが、今回はちょっと思い切ったテーマなので。


ー 都合の良い女、体だけの関係。

はい。 体だけの関係を引っかからない程度のワードを選んで書きました。


ー でも相当…ねぇ(笑)。

ですよね。でも引っかからないので大丈夫です!


ー こういう関係の場合、なおさら男性と女性の感覚の違いって出る気がするけど、細かな機微はどうやって掴んだんですか?例えば女性の友達から意見をもらうとか?

まさしくその通りです。アンケートという程ではないですが、女友だちから色々と意見は聞きましたね。とは言え、具体的な話を聞いたわけでなく、「結局何が目的でその関係になっているのか?」「どこにゴールがあるの?」「最終的に自分のものにしたいのか?それともセカンドで良いのか?」というようなことを色々と聞きました。勿論人によって意見の違いはありましたが、共通点として、みんな罪悪感は持っていないって言うんですよ。


ー え、罪悪感はないんだ。ちょっとそれは意外でした…。

むしろ罪悪感を持てっていう感じじゃないですか。まあ男性に罪悪感を持って欲しいのかもしれないけど。


ー 自分はその人のオンリーワンになれない辛さを背負っているんだから、その代わり罪悪感は持たないよっていうことなのかな?

何でしょうね?本当は利用されている方なのに、若干利用している側のような余裕もあるんですよ。まあそれは強がりだと思うんですが。そういう感覚が不思議だなと思って。


ー 確かに。今回ピアノは Aqua Timezのmayukoさんですが、何故彼女にピアノを?

元々僕自身がmayuちゃんと知り合いだったわけではないんです。こういうタイプの楽曲を作るとなった時に、共通のスタッフさんが紹介してくれたんです。やはり女性視点の曲なので、mayuちゃんに加えチェロも石貝梨華さんという女性にお願いしました。みんな気持ちが重たくなりながらデモを作ってくれましたよ。


ー アハハ!

でも僕、女性のピアニストとご一緒するのは初めてだったので新鮮でした。根本的なところから違うと感じたし。男性の方が刻んだ時のアタック感が強いけど、繊細なんですよね、女性は。例えば高音の流れるようなフレーズを弾いた時に、ひとつひとつ波のような感じっていうのかな…。勿論奏者によって違いはありますが、やはり男性と女性の違いもあると思いました。


ー “ひとつになれないことを僕らはいずれ知ってゆくよ”では、今回初めて近藤さん自身がフルアレンジしたとか。

フルアレンジが初めてというよりは、フルアレンジした曲をリリースするのが初めてなんです。


ー そうだったんですね。じゃあ取り立てて難しさを感じたというわけではないようですね。

ええ、全然そういう感じではなかったです。むしろ参加して頂いたミュージシャンも、いつもライヴで一緒に演っているメンバーなので、事細かく猛烈にわがままにやってもらいました。

20170910DSC_1584.jpgー サウンド的にはどういう点に重きを置きましたか?

この曲はとにかくキーが低いんです。その中でもAメロが極端に低かったので、それでも言葉が読み取れるアレンジにしなくてはいけなくて。1番に限ってはかなり長い時間エレキだけで引っ張っていっているので。あ、この曲、実はエレキが20本くらい入っているんですよ。


ー そんなにですか!

ええ。エレキのリバーズがずっと鳴っていて。デモの段階では10トラックくらいを一旦自分で全て弾いて、それをギタリストの三井律郎くん(la la larks/LOST IN TIME)に送って「ここからここまでは全部残してください。それ以外のここまでは律郎くんの解釈で全部やり直してもらっても構いません。」ってお願いをして、更にギターを加えて先にギターアレンジを終わらせたんです。そこからドラムとベースとピアノをもう一回一人で演りました。


ー 今作、個人的にも大好きな曲ばかりですが特にこの曲は好きです。質感や韻を踏んでいる言葉のチョイスとか。

あ、本当ですか!ありがとうございます。聴いてもらった人の多くが結構この曲を気に入ってくれて。


ー 何か映画っぽいですよね。情景が浮かぶというか。

ああ、そうかもしれない。でも、みんなが良いと言ってくれた曲を結果的に1曲目にしなかったのはちょっとどうだったんだろう。


ー でも世の中にはカップリングでありながら人気のある曲は沢山あるから(笑)。ちなみにこの曲は今年の春頃に書いたんですよね。

はい。比較的新しい曲です。サビだけだったんです、伝えたい言葉がすでに決まっていたのは。それ以外に対してどういう言葉を書いていこうか考えた時に、あまり説明がましくない方が良いと思って。結局その情景に見えるものでひたすら韻を踏んでいく形になりました。本当は一番最後の「ここに書き残すラプソディー」の後に、転調するもうひとつ別のサビがあったんですが、結局その部分は切ってしまって。


ー 何故?

単純に長かったから(笑)。


ー そういう理由か(笑)。でも、どこで切るかの見極めは大切ですからね。

そう思います。

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