ー 何でしょう?
不倫を描いたドラマや映画があるじゃないですか。
ー「昼顔」とか?
そう。ああいうのに憧れるまでは良いですよ。「斎藤工くん、カッコイイー。(色っぽい声で)あぁ〜ん♥」って。
ー 声、声!(笑)
でも実行しないからこそ、ああいうドラマが「ドラマ」として成り立つと思いたい。だって「禁断」に対しては誰だって興味があるし。ドラマや映画、芸術ってそういう気持ちを解き放つものだと思うんです。白米で例えるならば「腹へったー」と思っている時にTVで美味しそうな映像が流れたら、誰だって「うわぁ、美味しそう!」と思って観るし。でもそこで終わって、自分の家で出てきた食事を美味しく食べる。それが現実と理想の埋め合わせだと僕は考えていて。だから遠距離恋愛している間、それぞれの気持ちが温かくなったり寂しくなったりしながら相手を想う。それが正しい状況だと思うんです。
ー そうだよね!
斎藤工さんを「カッコイイ」と思っても、思うだけで留めておけば良い。…あ、僕は嫌ですよ、本当はそれも。
ー 優くんはヤキモチ妬きだからね(笑)。
そりゃ妬きますよ!でもこの“白米の味”でのエピソードみたく、本当に変な実行に移しちゃうのは問題外!遠距離恋愛で相手をちょっと疑ったり寂しくなったりすることって絶対にあると思うけど、だからって腹いせに浮気するのはルール違反だから。
ー それは絶対だね!で、優くんは女の子たちと友達を残して部屋を出て行ったんだね?
そうです。しかも僕、この日は家に帰って窓辺で朝まで泣きましたもん!
ー 遠距離恋愛中の彼氏たちがかわいそうで?
いや、悔しくて。自分が間違っているかもしれないと思わなきゃいけないから。だって「あいつ何言ってるの?」って笑われてるんですよ。勿論僕だって女の子に興味がないわけじゃありませんから、白米の味がどうのこうの言って千載一遇のチャンスをみすみす逃している悔しさもあるし(笑)。でも自分のプライドというか、変な信念みたいな気持ちとの葛藤が…。別に僕はその人達に自分の考えを押し付けたいんじゃないんですよ。浮気をやめろと言っているのではなく、ただ、君らのやっていることって例えるならこういうことだと分かってもらいたい。自分で自分の首を締めているんだと警告したい。「彼氏のこと好き!でも浮気は楽しい」って、だいぶ矛盾したこと言ってないか?って。もしかしたら心のどこかで「一途」に憧れているんじゃないの?って。世の中にラブソングが溢れている理由って何?って、僕の中では突っ込みどころ満載なんですよ。それをただ突っ込みたいだけで、決して自分がルールブックになりたいわけじゃない。
ー その後、一緒にいた友達とは何か話した?
どうやら楽しく過ごしたみたいですよ。「優ちゃん、なんで帰っちゃったの?」って言われましたもん。でも結局その後、その友達とは疎遠になりました。
ー まあそうなるよね。こういうエピソードを聞くと、この曲の振り切った歌い方が更に説得力を増すんだけど(笑)。
アハハ、でしょ!
ー そういえば、女の子のセリフ部分の歌い方が妙に可愛くて気になりましたよ(笑)。
可愛いでしょ(笑)。
ー 可愛い、可愛い(笑)。あの部分のピアノのリフや音質もユニークで、物語を際立たせているというか。
まさに音楽の面白いところですよね。映像はないけれど頭の中に画が浮かんできやすいというか、場面転換する音の感じは楽しいですよね。
ー 楽しいね。
いつもライヴやレコーディングで鍵盤を弾いてくれているはっちゃん(平畑徹也)のお陰で更にそういうムードになったんですが、それとは別に僕の声の表現でどこまでいけるかという勝負があったんです。
ー ああいう部分、本当に面白い!でも最初、 “白米の味”というタイトルだけを見た時、メガネツインズの“Fitting”の曲調みたいな感じだと思っていたから、両曲ともちょっと驚きました(笑)。
ああ、なるほど(笑)。今回メガネツインズでは期待と違う曲にしたかったんです。メガネツインズといえばちょっとユニークな歌詞のラブソングでずっと攻めてきたので、今回はメッセージ・ソングで。
ー 何故期待と違う曲にしたかったの?
実は今回、メガネツインズの方向性にすごく悩んで。今、第五弾じゃないですか。
ー ええ。
これからもし第六弾、七弾と続けさせてもらえるとしたら、いつの日かメガネツインズでワンマンライブが出来るかもしれないと思ったんです。
ー ずっと言っていたもんね。
はい。やりたいんですよね、やっぱり。メガネツインズだけでライヴをしたらどうなるんだろうと考えた時、今ある曲だけを並べてみるとそこに予定調和が生まれている気がしたんです。“メガネツインズと言えばこういう感じ”というイメージが出来上がってきそうというか、出来上がらそうとしている自分がいて。でもそれって良くないと思ったし自分らしくないから、ここら辺で一度そのイメージを壊したかったんです。もし今までのイメージを期待している人が世の中に二人くらいいるとしたら申し訳ないけど。
ー 二人って!(笑)
でもメガネツインズもガラッとイメージの違う、シリアスな曲も歌うんだよと言いたかった。
ー 亀田さんの反応は?
「いいね!」って大絶賛でした。
ー でもこの曲で歌っている、価値観は決してひとつではないということって、優くんがずっと歌ってきたことのような気がするんだけど。
実際、より“高橋優”寄りになりましたね。このメガネツインズって、亀田さんと福島で震災があった年に出会い、それをきっかけに生まれたユニットじゃないですか。
ー そうだったね。
二人ともメガネを掛けているから名前はメガネツインズにして、コミックバンドじゃないですが、ちょっとユーモア溢れるイメージにしようという考えだったんです。ただ、福島で出会った流れがあるからかもしれないけれど、亀田さんがこの曲を聴いた時に「この曲、福島でやりたいね!」って言って下さったんです。
ー 聴きたい!
福島で生まれたユニットだし、今は震災後の情報がだいぶ減ってしまいましたけど、何が解決したんだろう?という感じだし、今メディアで取り沙汰されていること然り、色々な人のフィルターを通した情報がテレビで流されていること然り、雑誌然り。それって、誰かの視力に合ったメガネを掛けさせられて「この事件はこうやって見るんだよ」と言われているみたいに感じて、そこに疑問を感じる自分がいるんです。それを亀田さんも重々読み込んできてくれた感じでした。良く聴くと、後半に物が叩かれる音を入れような音が入っているんですが、実はゴミ箱を叩いた音なんです。
ー ゴミ箱!?
そうなんです(笑)。亀田さんがそういう発想を持ってきてくれたのが嬉しかったです。ああいう音を入れると、少し重さが出るというかシリアスさが増すし、メッセージ性を感じる演出だと思うんです。だから「もっと入れよう、もっと入れよう。この曲はメッセージ性を大切に、振り切るくらいにしよう!」と言ってくださって。それはすごく嬉しかったですね。完全に違う方向にシフトしたメガネツインズです。
ー やはり福島で聴いてみたいですね。また、それとは別に冒頭で話が出た【秋田 CARAVAN MUSIC FES 2017】も楽しみです。
来てくださるお客さんや、出演してくれるミュージシャンの方々も一緒に楽しんで、やっぱり秋田を好きになってもらいたいです。僕の歌の表現力含め、磨いていかなければいけないものは沢山あるんですが、当面は秋田にそれを還元出来るかを考えています。
ー ありがとうございました!
取材・写真/秋山昌未
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