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スキマスイッチ『POPMAN'S ANOTHER WORLD』インタビュー

スキマスイッチ『POPMAN'S ANOTHER WORLD』インタビュー

April 11, 2016 19:00

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ー アハハ。

大橋:自分たちの音楽が正しいとは言えませんし、各アーティストそう思ってやっている方が多いと思うんです。それは決して合ってるか間違っているかではなく、信じている。自分たちが信じてきたものの結晶が自分たちの楽曲なわけで、それが世の中に広まったら良いですよね。


ー そう思います。

大橋:例えば一緒にご飯を食べに行った人が自分と音楽の趣味がピッタリで、その人が自分たちと同じような音楽をやっていても100万枚売れれば良いなとは思わないんです。「こんな素敵な音楽があるんだから世の中の人たちに広まって欲しい!」とは思うんですが、その人が100万枚売れれば良いとは思わない。


ー 難しいですね。

大橋:あくまでも音楽が広まって欲しいと思うんです。


ー あ、なるほど。

大橋:でも僕らの場合、100万枚ということに対して憧れがものすごくて。(笑)。それって時代なんですよね。僕らの時代はCDを出す人出す人みんなミリオンいっていたんです。Mr.Chirdrenもスピッツも槇原敬之さんも!

常田:ミリオンにいった人、いってない人で区切られてるよね。


ー そういうものなんですか?

常田:ぶっちゃけた話、98万枚も5万枚もあまり変わらないイメージというか。当時は特にそうですね。今でこそ全然違いますが。

大橋:「ミリオン」という言葉に対しての憧れというか、音楽業界ってそういうものだという先入観がそう思わせたんだと思うんです(笑)。だから言ってしまえば今で満足というか、きちんと僕らの音楽を理解してくれる人たちがいる時点で本当にありがたいんです。ただそれとはちょっと違うところにミリオンやダブルミリオン、トリプルミリオンという響きに対する憧れがあるというか。

常田:マネージャー(樋口健)に言った頃は違う発想でしたね。野望だったり馬鹿だったり世間知らずだったり、ちょっと小ズルいこと考えていたり(笑)。


ー 小ズルいこと!(笑)

大橋:そうだったね(笑)。


ー それと半田さんは『ボクノート』の時、時間がない中でギリギリまで歌詞を悩みつつレコーディングをしたのに、録りが終わった後「やっぱりこうした方が。」と言ってしまったことをすごく後悔されていました。

常田:でもそういう声がないとなかなか出来ないことが多いですからね。自分たちで決められなかったり。

大橋:あの時は、マスタリングが終わってから歌を録り直しましたからね。

常田:そうそう。まるまるね。


ー え、一部ではなく歌を全部?

常田:そうです。だから全然違う歌詞ヴァージョンが存在するんです。

大橋:マスタリングもし終わった幻の“ボクノート”。全然違いますよ。

常田:発想も違うよね。

大橋:若干違うね。言葉がまず違うし。


ー いつかその歌詞が違うメロディに乗って生まれ変わるということは…。

常田:まず歌詞が気に入っていなかったからないですね。歌詞は良いけどメロディが気に入っていないということであれば、それもあり得るかな。

大橋:そうだね。“ボクノート”は一人称の歌なんですが、世に出なかった方のヴァージョンは相手に向けて歌っていたので二人称の要素が強かったんです。

常田:すごく良いことを言おうとしている部分が垣間見えちゃっている気がして。しかも映画「ドラえもん のび太の恐竜2006」の主題歌ということでの気負いやプレッシャーもあったので、そういう風にしてしまったのかな。歌詞を見てそう思ってしまったんです。録り直しをすることで僕らがどうこうというより、スタッフが色々な人に頭を下げなきゃいけない。それも重々承知の上で「頼むから!」ってお願いをして録り直しをさせてもらったんです。そういう意味ではディレクター(半田悠氏)にも沢山動いてもらったと思います。


ー その後半田さんが担当を離れてエレキやシンセの封印が解かれる度に、自分が担当している頃にやりたかったと言われていました。特に『ゴールデンタイムラバー』を聴いた時は本当に悔しかったって(笑)。

常田:アハハ。本当に制約していた時代でしたからね、(半田悠氏が)担当だった時期は。だからそんなに多彩なことも出来ないですし。勿論それが楽しくてやっていたんですが。でも今作ではその部分を感じてもらえると思いますし、当時の担当からそうやって思われるということは、ある意味成功ですね。


ー 楽曲の話に戻りますが、ボーナストラックの“壊れかけのサイボーグ”は、スキマスイッチを組む前からの楽曲だとか。

大橋:そうです。僕がまだバンドをしている時代に書いた曲で、18歳か19歳だったかな。その後バンドは解散して一人になり、ストリートで歌っている頃があったんですが、その時にも歌っていました。でもきちんとした音源は存在していなかったので、自作ものに関しては昔の曲も含め、一度ギターの弾き語りで録音してみようと思ったんです。この曲はそのうちの一つです。


ー 何故この曲を今回収録しようと思ったんですか?

大橋:以前TV番組だったと思うんですが「今までにつけた恥ずかしいタイトルは」みたいな企画で、この“壊れかけのサイボーグ”のタイトルを出したことがあったんです。だから一部のファンの方は知っていたんです。 それなら今回この曲を新録にしてアルバムに入れようかという話になって。元々新録曲を入れたいという想いはあったんですが、あまりにも表題曲的なガッツリした曲を入れるとアルバム自体のコンセプトと合わないなと思ったんですが、そういう時に「“壊れかけのサイボーグ”を入れる?」という話が出たので、それならせっかくだし当時の作り方…僕が曲を作ったものに対して、シンタくんがアレンジャーという関係性が昔あったので、その時の手法で作ってみました。

常田:しかもアレンジだけでなく僕が打ち込みで全部音を作ったんです。“電話キ”とかもそうですがいくつかそういう作り方の曲があるので、今その手法を取るとどうなるのかという興味がありました。しかも新しい機材を使ってみたりしながら。


ー かなり変わりましたか?

常田:そうですね。元の部分は同じかもしれないけれど、やはり違う音色を使うようにはなっています。あと当時はやりたくても出来なかったことがいっぱいあって。例えば当時はループなんてどうやって組んだら良いか分からないし、機材もシーケンサーからパソコンに変わってきて、そこからソフトシンセを使うようになり、今やすべてパソコン上だけで出来る時代なので、テクノロジーの進歩が垣間見えるので面白いです。


ー “壊れかけのサイボーグ”の歌詞では年齢を感じる切なさについて触れていますが、今の年齢で歌うと、歌詞の捉え方も変わりますか?

大橋:というか、どちらかというと当時ものすごく背伸びして書いた曲です。あの頃は世の中のことを知ったようなことを言いたかったり、「もう疲れてしまった」みたいなことを歌いたかった。いわゆる皮肉めいたことを歌にしたがっていたんですよね、背伸びして。そういう意味で言うと今、新録するために歌い直した時の方がまだこの言葉がフィットするというか。当時なんて苦労も経験する前で何も考えていなかったですからね(笑)。


ー だって20歳にもなっていませんしね(笑)。

常田:アハハ。

大橋:今でもこの曲の歌詞は少し背伸びになりますからね。でも年を取りすぎるとちょっと切実になりすぎちゃう(笑)。だから良いタイミングだったと思います。


ー もう一曲の新録、“フレ!フレ!”はミニストップのCMソングの為に書き下ろされたということですが、CMを見ました!(取材時はCMがスタートした翌日)

常田:あ、僕も見ました!

大橋:まだTVでは見れていないんだよな。

常田:(ソファから腰を浮かしながら) 思わず「うわぁー!」ってなっちゃいました(笑)。

  YouTube

  リリース情報

スキマスイッチ Another Best Album
「POPMAN’S ANOTHER WORLD」

2016年4月13日発売

-収録曲-

□ DISC1
01. 夕凪
02. スフィアの羽根
03. ためいき
04. 電話キ
05. 石コロDays
06. Aアングル
07. 弦楽四重奏のための『ドーシタトースター』
08. 僕の話-プロトタイプ-
09. 快楽のソファー(仮)2014 ver.
10. 夏のコスモナウト
11. サウンドオブ
12. 雨は止まない
13. 小さな手

□ DISC2
01. 雫
02. ハナツ
03. 1017小節のラブソング
04. 僕の青い自転車
05. 青春騎士
06. さみしくとも明日を待つ
07. 猫になれ
08. 君曜日
09. Bアングル
10. トラベラーズ・ハイ
11. 回想目盛
12. またね。(betsu-oke ver.)
< BONUS TRACK >
13. 壊れかけのサイボーグ
14. フレ!フレ!

BONUS CD(初回生産限定盤のみ)
□ DISC3
01. 蕾のテーマ
02. 天白川を行く
03. 追伸
04. 花曇りの午後
05. 安曇野にて
06. 若葉
07. ピーカンブギ
08. 夕間暮れ
09. ノウムの調べ
10. Human relations
11. ガレポンク
12. フォノグラフ
13. 10th
14. 10th-typeⅡ-
15. ミッドナイト・グッドモーニン!!のテーマ

POPMAN’S ANOTHER WORLD

初回生産限定盤[3DISCS:Blu-spec CD2]

AUCL-30034~30036 / ¥3,800+税

POPMAN’S ANOTHER WORLD

通常盤[2CD]

AUCL-204~205 / ¥3,300+税

  インフォメーション

スキマスイッチTOUR2016"POPMAN’S CARNIVAL"

4月22日(金)千葉県・市川市文化会館
18:30/19:00
ソーゴー東京:03-3405-9999

5月1日(日)福島県・いわき芸術文化交流館アリオス
16:30/17:00
キョードー東北:022-217-7788

5月7日(土)岡山県・倉敷市民会館
16:30/17:00
ユニオン音楽事務所 :082-247-6111

5月8日(日)広島県・広島文化学園HBGホール
16:30/17:00
ユニオン音楽事務所 :082-247-6111

5月10日(火)愛知県・日本特殊陶業市民会館フォレストホール
18:00/18:30
JAILHOUSE:052-936-6041

5月11日(水)愛知県・日本特殊陶業市民会館フォレストホール
18:00/18:30
JAILHOUSE:052-936-6041

5月17日(火)新潟県・新潟県民会館
18:00/18:30
キョードー北陸チケットセンター:025-245-5100

5月19日(木)石川県・北陸電力会館本多の森ホール
18:00/18:30
キョードー北陸チケットセンター:025-245-5100

5月24日(火)大阪府・オリックス劇場
18:00/18:30
GREENS:06-6882-1224

5月25日(水)大阪府・オリックス劇場
18:00/18:30
GREENS:06-6882-1224

5月31日(火)北海道・ニトリ文化ホール
18:00 / 18:30
マウントアライブ:011-623-5555

6月1日(水)北海道・岩見沢市民会館 まなみーる
18:00 / 18:30
マウントアライブ:011-623-5555

6月9日(木)愛知県・緑文化小劇場
18:00/18:30
JAILHOUSE:052-936-6041

6月11日(土)宮城県・東京エレクトロンホール宮城
17:00/17:30
キョードー東北:022-217-7788

6月15日(水)高知県・高知県立県民文化ホール オレンジホール
18:30/19:00
DUKE高知:088-822-4488

6月16日(木)香川県・サンポートホール高松
18:30/19:00
DUKE高松:087-822-2520

6月18日(土)栃木県・日光市今市文化会館
17:00/17:30
ソーゴー東京:03-3405-9999

6月30日(木)埼玉県・大宮ソニックシティ
18:30/19:00
ソーゴー東京:03-3405-9999

7月6日(水)兵庫県・神戸国際会館
18:00/18:30
GREENS:06-6882-1224

7月8日(金)福岡県・福岡サンパレスホール
18:30/19:00
キョードー西日本:092-714-0159

7月9日(土)鹿児島県・鹿児島市民文化ホール 第1ホール
17:00/17:30
キョードー西日本:092-714-0159

7月11日(月)東京都・昭和女子大学人見記念講堂
18:30/19:00
ソーゴー東京:03-3405-9999

7月12日(火)東京都・昭和女子大学人見記念講堂
18:30/19:00
ソーゴー東京:03-3405-9999

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