さかいゆう『4YU』インタビュー

February 1, 2016 20:00

ー サウンド面では、リバーヴ感がフィル・スペクターを彷彿とさせました。

この曲は石崎光さんと一緒にアレンジしたんですが、彼はそういう感じが好きなんです。僕はあまりビートルズを聴いてこなかったから。


ー そうだったんですか。特にスネアやヴォーカル、ピアノのリバーブがゆうくんの楽曲として新鮮で。

完全にフィル・スペクター的な感じですね。


ー そういえば、ゆうくんはベースも弾くんですよね。今回の楽曲たちでもご自身でベースを弾かれた曲が何曲かあって。

弾きますね。デモテープを作った時に、「この曲は自分で弾く方が良いな。」と思ったことが結構あったんです、今回。


ー そもそもベースって幾つくらいから始めたんですか？

25歳くらいだったかな。でも自分のレコーディングでしか弾かないですよ。


ー 何でライヴで弾かないんですか？

弾きながら歌えないから（笑）。そこまでは慣れていないし。ライヴでは、杏子さんのサポートで弾いたくらいかな。難しいんですよね、ベースを弾きながら歌うって。ロックのリズムなら良いけど、僕の音楽は歌のグルーヴとベースのグルーヴが違うことが多いので、特に難しいですね。


ー “愛は急がず- Oh Girl-”は西寺郷太さん（NONA REEVES）が作詞。西寺さんとは付き合い長いんでしたっけ？あまりお二人で一緒に楽曲を作っている印象はないんだけど。

長くはないです。でも僕、郷太さんの歌詞が好きで、アルバム『POP STATION』はよく聴いていました。特に“三年”という曲が良いんですよ。深いことを重くない言葉で言ってのけるから、すごいなと思って。


ー 始めから郷太さんに書いてもらうことは考えていました？

いや、途中からです。この曲はセッションしたいと思ったんです。普段自分が書いている曲と結構違うタイプのメロディだから面白いと思って。それで郷太さんとAvec Avecさんにお願いしました。


ー 余談ですが、ゆうくんとAvec Avecさんって顔が似ていますよね（笑）。

あ、似てるかも！兄弟みたい（笑）。


ー アハハ。個人的には“SELFISH JUSTICE”がかなり好きです！

ありがとうございます！メロディのスケッチはかなり前なんですが、歌詞まで仕上げたのは昨年です。


ー SELFISH＝自分中心とJUSTICE＝正義という言葉の持つ紙一重な感じが、どこか哲学的だなと感じました。

実は僕、「正義」という言葉が苦手なんです。アメリカに住んでいた頃、同時多発テロの年にクラクションを鳴らしながら「America is Justice」って叫んでいる人たちが結構いて。でも自分が正しいと言えば、誰かが間違っていることになる。それは僕らが普段過ごしている日常の中でも同じことで、「正義」という言葉はすごくポジティブなニュアンスだけが含まれているけど、それを言うタイミングや言う人によって、向こう側から見たら「悪」になるんだなと思って。戦争だって守るものが違うから起こるわけじゃないですか。本当の意味での悪人って、実はそんなにいないと思うんです。でも「正義」という言葉のせいで悪人になっちゃうんですよ。だから自分も気をつけようって思って（笑）。別にメッセージソングではないんです、全然。自分のぼやき（笑）。


ー 逆にSELFISHは「自分中心」ということで、若干ネガティブに受け取られる言葉だけど、実はすごくポジティブな意味を含んでいるんですよね。

そうそう。だってみんな、自分中心じゃなきゃ生きていけませんからね。上、下、右、左、これって自分中心でしか成立しない言葉ですから。それは間違っていることではないし。「でもたまには考えてみましょうよ。」ということを歌った曲です。


ー 6月から【TOUR2016 “4YU”】も始まりますね。

はい。今回のアルバム『4YU』って、僕の曲の中では踊れるJ-POPのアルバムになったと思うんです。ライヴで盛り上がる曲が多いというのは良いことだから、ツアーもすごく楽しみにしています。…うわぁ、でもセットリストが難しいな！カヴァーも出しちゃってるし。


ー そうなんですよね。初回生産限定盤ではカバー曲で構成される特典CD「さかいゆうCOVER COLLECTION」が付属。

その時点で十何曲にはなりそうだから、そこから定番の曲を入れると…（少し考えて）アルバム全曲出来ないかも。まぁ2日間あれば…。


ー 2DAY’Sライヴ！

そこでセットリストが違うとか（笑）。まぁ現実には難しいかもしれないけれど、楽しみと悩みが半々です。


ー でも“よさこい鳴子踊り”も含め、カヴァー曲をコレクションとして1枚にすると、圧巻ですよね。

ありがとうございます。 “よさこい鳴子踊り”はNHKの番組用にアレンジしたんですが、これは作品としても絶対良いものになると確信があったので、全く同じメンバーで録音しました。


ー 今年2016年はインディーズデビューしてから10年。

あ、本当だ。今年の4月ですね。10年かぁ。あっという間のような遠い昔のような。でもまぁ、日々変わっていますからね。ただ作品は厳然たる事実として残っているから、それが良い目安になるんじゃないですか。今『ZAMANNA』を聴いても、録り直したいとしか思わないし（笑）。どの作品も可愛い子どもたちですが、特に僕の歌の進化が『4YU』では出たと思っているんです。自分で言うのも    おこがましいけど、ちょっと歌が巧くなったのかなって感じました。今迄は高音を主に出すようにしていたのが、今回は低音も含めて全てをきちんと使っている気がするし、色々な要素を駆使して歌っているので、是非皆さんにも楽しんでもらいたいです。


ー ありがとうございました。


取材・文／秋山昌未


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『4YU』発売記念モールツアー2016

□ 愛知県
2016年2月7日（日）1部13:00～START / 2部15:30～START
イオンモールナゴヤドーム前 1F セントラルコート

□ 静岡県
2016年2月11日（祝・木）1部13:00～START / 2部15:30～START
イオンモール浜松市野 1F シンフォニーコート

□ 茨城県
2016年2月13日（土）1部13:00～START / 2部15:00～START
イオンモールつくば 1F ウエストコート

□ 埼玉県
2016年2月14日（日）1部13:00～START / 2部15:30～START
イオンレイクタウンmori 1F 木の広場

□ 広島県
2016年2月21日（日）1部14:00～START / 2部16:00～START
イオンモール広島祇園 1F エキチカコート

□ 福岡県
2016年2月27日（土）1部13:00～START / 2部15:30～START
イオンモール香椎浜 1Fセントラルコート


さかいゆうTOUR 2016 “4YU”

6月17日（金）札幌・cube garden
6月21日（火）愛知・名古屋CLUB QUATTRO
6月28日（火）高知・X-Pt
6月29日（水）大阪・Zepp Namba
7月01日（金）福岡・DRUM Be-1
7月03日（日）東京・昭和女子大学人見記念講堂